goo blog サービス終了のお知らせ 

ホルマリンのマンネリ感

北海道在住、ホルマリンです。旅行、怪しい珍スポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、昭和レトロなどなど…。

名古屋・リベンジ~日向坂46ライブ参戦~ その1

2021-11-09 02:43:37 | 旅行(道外)2020~
愛知県名古屋市はとても思い入れのある地です。

何と言っても人生初の本州一人旅の舞台であり、同時に憧れのアイドルに初めて会えた場所ですからね。
(詳しくは2012年9月のカルチャーショック・名古屋1人旅をご覧ください……)

あの旅から早9年……。
2021年10月、大好きなあの地に再び行ける事になりました!
しかも今回は関東在住の妹と一緒です(*^_^*)。

目的は……日向坂46のライブ参戦です。
奇しくも、今回もアイドル目当て(笑)。9年経っても私はドルオタのままでした(^_^;)。


遡ること約3か月前。
最近イチ推しの日向坂46が、広島、福岡、宮城、東京、愛知を巡る全国アリーナツアーの開催を決定。
コロナ禍で無事に開催されるのか?という不安もありましたが、関東在住で同じく日向坂ファン(通称「おひさま」)の妹と「ぜひ一緒に参加しよう!!」と約束し、東京3公演、愛知2公演のチケット抽選に応募しました。
ファンクラブ先行抽選は全滅、めげずに楽天会員先行に応募し、これがダメならローチケ、楽天一般、一般販売にチャレンジするか……と思っていた矢先。

8月中旬、スマホに嬉しいお知らせが!

チケット当選!やったね!!

当たったのはツアー千秋楽となる10月20日、名古屋・日本ガイシホール公演!!これは嬉しい。
心配していたコロナですが、初回公演から感染対策を徹底したうえで予定通り開催され、愛知公演が近づく頃には幸い新規感染者数が激減し、緊急事態宣言、時短要請が解除されるという最高のタイミングでした。
自分にとっては人生初の本格的なライブ参戦となります。
ホテル予約やアプリでの電子チケット受け取り、ネットでのグッズ購入を済ませて準備は万端です!


2021年10月20日(水)。

ついに公演当日を迎えました!この日がどれだけ待ち遠しかったことか……。
9月下旬から仕事がかなり立て込んでおり、忙しい時期だったのですが仕事を全部ブン投げて飛び出してきました(笑)。
新千歳空港から10時55分発 中部国際空港行き ピーチMM462便に搭乗します。

12時半ごろ、中部国際空港に到着!

妹と合流するため名鉄特急岐阜行きに乗車し、ひとまず名古屋駅を目指します。
移動中……、仕事ブン投げてきたといえども、忙しい時期なので会社からのLINEが鳴りやみません(^_^;)
名鉄特急の中でイマ流行りのテレワークですm(__)m

午後2時、名古屋駅に到着!!

うわ~!!懐かしいなぁ~!
まさか再びこの地に来られるとは思わなかったので、感動もひとしお(*^_^*)
駅前でひときわ目立つ奇抜なビル「モード学園スパイラルタワー」も元気そうです。


こちらも9年前と変わらず健在の、東口前に鎮座する巨大オブジェ「飛翔」。
…ですが、リニア中央新幹線開業に伴う駅前の再開発のため、今年度中に撤去される予定だとか。

懐かしくなりながら写真を撮ってウロウロしていると、妹から新幹線で名古屋に着いたとのLINEが。
名鉄百貨店近くの「ナナちゃん」で待ち合わせなので向かいます。

若干迷いつつ、ナナちゃんに到着!

こちらも9年前にチラ見していたスポットなので懐かしいですね~!まさかここを待ち合わせに使う日が来るとは(笑)
数分ほど待って無事に妹と合流(*^_^*)。お互い昼食を食べていなかったので、駅内の喫茶店でひと息。


妹と会うのは約3か月ぶり。近況報告などで盛り上がっていたら、いつの間にか時間は午後3時半
あっ、ちょっとヤバい……。

今回のライブ、感染対策で「密」を防止するため会場でのグッズ販売は行っておらず、ネットで事前購入した商品を特設コーナーで受け取るシステムになっています。
事前に受取時間を指定しなくてはならず、午後3時半~午後4時にしていたのでもう会場に居なきゃまずい(汗)。
時間を過ぎてしまったらグッズが受け取れず、ペンライト無しでのライブ参戦になってしまう!!
サンドイッチを掻き込み、急いで駅へ……。

午後3時33分発 JR東海道本線掛川行きに乗車。

喫茶店からJRの駅まで近かったのが幸いでした(^_^;)。二人で駆け込み乗車。
ここから会場の最寄駅まで10分少々。駅からほぼ直結のようですが、結構ギリギリそう……。

午後3時45分、「笠寺」駅で下車!

来たー!日本ガイシホール!!
……なんて喜んでいる場合じゃありません。グッズ受け取り場所を探し、広い会場内をダッシュです。
あった!あそこだ~!!

午後3時55分、滑り込みでグッズ受け取り完了!

焦りすぎて手続き用バーコードを提示するのに手間取りましたが、人がほとんど並んでいなかったので助かりました……危なかった(^_^;)。
ライブの定番かつ最重要アイテムであるペンライトは、坂道系アイドルグループの場合2本装備が基本なのですが、高かったので2人で1本ずつにしました。
15色に光り、色の組み合わせでメンバー全員のカラーがそれぞれ決まっています(日向坂46の場合22人)


さて、ライブ開場は午後6時なのですが、こちらも混雑防止のため、座席ごとに入場時間が細かく決まっています。
我々のブロックは午後5時半ごろの入場で、まだ時間があるので会場内を散策します。

記念撮影コーナー

青い鳥さんは日向坂46の公式キャラクター「ポカ」。
愛知バージョンで、名古屋メシ小倉トーストの上で寝ています(^^)。
二人で前に並んで写真撮ろうと思ったら、撮影待ちのお客さんでかなり長い行列が出来ていたので、遠巻きにパシャリ~。

メンバー全員の旗があり、一緒に撮影(*^_^*)

私の推しメンかとし(加藤史帆さん)です。
他、にぶちゃん(丹生明里さん)、まなふぃ(高瀬愛奈さん)、すーじー(富田鈴花さん)など。
それぞれの旗の前で記念撮影しましたよ。

妹も、最近お気に入りというめいめい(東村芽依さん)の旗と一緒に撮っていました。


5時半ごろ、ついに会場内へ。
非接触型の体温計での検温、新型コロナ陽性者との接触確認アプリ「COCOA」によるチェックなど、感染対策が徹底されていました。

さあ、我々の座席はスタンド「F」
事前に会場の図面を確認したところ、メインステージのほぼ正面ですがかなり離れており、アリーナ席でも無いので「あまり良い場所じゃなさそうだな……」というのが最初の印象。
しかし、他の会場の様子を調べていくと、どうやらメインステージからアリーナ先端までサブステージが延びており、会場の大きさ次第ではなかなかの「神席」なのでは?と密かに期待していました。

いざ、座席へ辿り着くと……。

なかなかの神席キターーー!!
会場内は意外と小ぶりな印象で、予想以上の良席に2人で歓喜します。
ここならメンバーの顔もバッチリ見えそうだ!
緊張してきたな……そして今日まで頑張ってきて良かった…。


そして……午後6時……。

ライブ 開幕―。

いきなりサブステージにメンバー登場!

うわぁ~~~!

心の準備がまだ出来ていないまま、ライブの定番曲「NO WAR in the future」で幕開けです。
全員の顔がバッチリ拝め、皆さんテレビで見る通りのかわいらしさです(*^_^*)。そしてお肌がキレイ。


その後はあっという間の2時間半でした……。
日向坂らしいハッピーオーラ全開の曲から、かっこいいダンスナンバー、力強いメッセージが込められたファンに人気の曲など。
合間に名古屋にちなんだクイズコーナー(大喜利?)があったのも、バラエティに強い日向坂らしいなと思いました。

コロナ禍でのライブということで、公演中は声援が禁止されていましたが、代わりにビニール製のスティックバルーンが配られ、バンバン叩いてメンバーにエールを送ったり、曲の合いの手を打ったりできました。
ペンライトは妹と2人で息を合わせて、曲ごとにそれぞれの推しメンのカラーに変更していくのが楽しかったです。

メンバーがサブステージに来るたびに、色を変えて推し/お気に入りメンに気づいてもらおうと頑張ったのですが、やはり微妙に離れたスタンド席では中々うまく行かず……。

しかし。

最後の最後、アンコール含め全ての曲が終わり、退場の際にメンバーがサブステージへ歩いて来てくれたので、ペンライトを推しメン・かとしのカラー(青)に変更。
これがラストチャンス。ステージに向かってペンライトと手を振り振りしていました。


すると―。終演のほんの数十秒前だったと思います。


かとしが……私の方に気づいてくれて……。

奇跡が起きた!!!

いかんせんステージから距離があったため、本当に私に向けてのものだったのか断定は出来ませんが……(^_^;)。
もう自分の思い込みでも何でもいい!

来てよかったぁぁ~~~!!(TOT)

こうして、初めての日向坂46のライブは最高のラストを迎えて幕を閉じました。


金山駅にて軽く夕食を済ませ、予約していた栄駅近くのビジネスホテルに着いたのは午後11時ごろでした。素泊まりで1人3200円と激安です。
2人でライブの感想を語り合い、しばし余韻に浸ってから就寝しました。


次回、帰る前に名古屋観光します。
9年ぶり、あの場所の再訪で感動!!

続く。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

青森ミステリー見聞録 その10(最終回)

2021-08-12 14:53:37 | 旅行(道外)2020~
「下北妖怪ハウス」は2階建てである。
「いいよって言うまで上ってこないでね~」ととびないさんは言い、階段を上って行った。どうやら準備があるらしい。

数分待ってから急な階段を上っていくと、そこには手作りの「八大地獄」が広がっていた。




巨大な閻魔像から始まり、臼でつぶされる「衆合地獄」や、嘘をついた者が舌を抜かれる「大叫喚地獄」などが、複雑に曲がりくねった通路に次々と展開される。
真っ暗な空間に赤、青などのセンス抜群のライトアップが効果的だ。




コミカルながら、細部までこだわった迫力あるジオラマは全てとびないさんの手作りだろうか。
これは徳島県「正観寺」に匹敵する見ごたえである。
最後にはちゃんと極楽もあるよ。






地獄を抜けると、突如リアルな商店街に迷い込む。
ここ、建物の2階だよな?と思わずにはいられない見事な場面転換である。


所々にとびないさんのコレクションであるブリキのおもちゃや、怪獣のソフビ人形が飾られており
昭和の雰囲気を演出。
そして、昔ながらの模型店を再現した一角には、これまたコレクションの年代物プラモが天井まで積み上げられ、説得力抜群だ。
個人で作ったとは思えないクオリティである。


最後に、離れにあるとびないさんの秘密のコレクションルームを特別に見せてもらう。
ここにも部屋を埋め尽くすほどの大量の昭和プラモ。いったい何か所にコレクションルームを持っているのだろうか。
見た事もない大型トラックや重機の模型、写真でしか見たことの無い、今は無き会社のものなど宝の山で、ついつい時間が過ぎるのを忘れてしまい話が盛り上がってしまう。
最後には駄菓子屋に売っていたであろう、年代物の小さな袋入りプラモを頂いてしまった。
ありがとうございます。頑張って作って持ってきます。


午後1時。


昼前に出発する予定が、ついつい見るものが多くて大幅にオーバーしてしまった。
10時間以上マンツーマンでおもてなししてくれたとびないさんとお別れである。

最後には私の趣味を生かした「楽しく仕事をする方法」などのアドバイスもくれて、私を幸せに導こうとしてくれるいいおじさんだなと思った。
座敷わらしには会えなかったが、もしかしたらとびないさん自身が、この宿の座敷わらし的存在なのかもしれない。
何となく水木しげるの絵に出てきそうな風貌だし(失礼か)。

とびないさんは私が車で駐車場を出るまで、外で見送ってくれた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
とびない旅館(青森県むつ市田名部町8−6)
1泊2食付で6600円〜(とびないさんといもすりもちを作ろうプラン付)
※電話予約は2週間前に必要。また「一般の宿泊客ではない」旨説明し納得してもらう必要あり。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


……さて、これから函館行きの津軽海峡フェリーに乗らなくてはいけないのだが、下北半島突端、大間フェリーターミナルからの出航は午後2時10分である。
運転しているうち、乗船前の手続き等も含めると間に合いそうにないということに気付いた。
かなりの速度でぶっ飛ばして大間町市街地の一歩手前まで到着するも、最終的にあきらめてターミナルへキャンセル連絡する。

翌日は普通に仕事である。
何としても今日じゅうに北海道へ渡らなけれないけない。

電話口の受付担当者に探してもらったところ、大間町→函館便は本日は終了だが、青森市→函館便はまだ3本あるという。
奇跡的に席も空いているということで、午後7時10分発の便を急きょ予約してもらった。
思わぬ3000円の出費と3時間超えのドライブが追加されてしまったが、これは自業自得。
今日中に北海道に帰れそうなので感謝するしかないだろう。


青森市へ戻る前に、せっかく大間に来たのだからと、本州最北端の大間崎に立ち寄ることにした。




ゆるやかなカーブの途中に石碑があり「ここが突端?」といった雰囲気。北海道最北端の宗谷岬に近いものを感じる。
当初は時間の関係で立ち寄るのを諦めていたが、結果的に来ることができたので良しとするか。

岬周辺にお土産屋さんが連なるのも宗谷岬に似ている。せっかくなので岬の到達証明書と、海産物をいくつか購入した。
なお、大間といえばマグロだが、さすがに時間的に味わうことはできなかった。残念。


津軽海峡越しに函館を望む。
ちょうど乗船予定だった津軽海峡フェリー「大函丸」が見え、虚しい気持ちに。
大間からだと1時間半で函館へ。対して青森からだと3時間40分。その前に青森市まで3時間以上かけて車で戻らなければいけない。
到着後も苫小牧まで4時間超えの運転が控えている。……あぁ、面倒くさい。


昨日走った青森→むつ市のルートを延々と戻り、青森市に着くころにはすっかり夜に。
午後6時過ぎ、次の日は仕事だというのに中心部で渋滞に巻き込まれた時はさすがに焦ったが、6時半前に無事に青森港フェリーターミナルへ到着した。


最後に函館行き「ブルードルフィン」とパシャリ。乗船車両レーンの1番乗りだった。


午後7時10分、定刻通りに出港。さようなら青森……。

その後は船内で仮眠を取り、午前11時ごろ函館着。
ハセガワストアのやきとり弁当で景気づけし、苫小牧へ出発。
道央自動車道は途中で深夜の工事で通行止めであったため、すべて一般道を使用した。

自宅へ着いたのは翌日午前3時。速攻でベッドにもぐりこむ。
こうして、824キロに及ぶ2020年秋の旅は終わった。

完。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

青森ミステリー見聞録 その9

2021-08-10 21:22:50 | 旅行(道外)2020~
10月19日 (最終日!)


午前8時ごろ、気持ちよく起床。
深夜1時半、あれほどビクビクして布団に入ったというのに、いつの間にかぐっすり寝てしまったようだ。
故に残念ながら怪奇現象には遭遇できなかった。

とびないさんに挨拶しようと階段を降りると、台所で朝食の支度をしていた。
「昨日の商品が見つかったよ~!」と嬉しそうだ。
どうやら昨晩寝る直前にボヤいていた、友人から探すよう頼まれていたモデルガンを無事に落札できたらしい。
その後、朝ドラ「エール」の感想や戦争論、ミリタリートークなど、相変わらず朝から元気だ。
話に夢中になるあまり、作っていた豚バラの野菜炒めを焦がしてしまっていた。

「ジャガイモ2個むいて!」と、私も台所に案内される。
そう、とびない旅館ではアトラクションの一つとして「とびないさんと朝食を作ろう!」が問答無用で組み込まれている。
一緒に「いもすり餅」を作るのだ。


この「いもすり餅」というのが、ココに来たら食べずに帰ることは許されない、とびない旅館の名物。
下北の郷土料理のようだが、これがかなり絶品なんだとか。
とりあえず指示されるまま、ジャガイモをおろし金ですり、サラシで包んでデンプン汁をしぼり出す。


しぼった汁をつなぎにして小さく団子状に丸め、アジの煮干し、鶏肉と一緒に煮込む。
一方のとびないさんは野菜炒めにデスソースを入れている。
「チコちゃん(NHK)で辛いもの食べると満足感が得られるって言ってたよ~」とのこと。

ちなみに、こう見えて(と言っては失礼だが)、とびない旅館の台所は衛生管理が徹底されている。
私が作業中に少しでも顔を触ると「はいちゃんと手を洗ってね~」とすかさず言われる。
コロナ禍でも安心だ。


とびないさんが戦争の話に熱が入るあまり、鮭を焦がしてしまうなどしているうちに、昨日来ると言っていたむつ消防署の消火設備点検が来てしまった。
ほとんど朝食は出来ているため「ご飯食べてていいよ~」と言われ、ひとり台所に取り残される。
……ちなみに、駐車場の年代物の黄色い車(フェスティバ)はとびないさんの過去の愛車。ずっと置かれてある。

先に一人で食べるのも申し訳なく思い、しばらくテレビを見たり荷物整理をしたりして時間をつぶす。
さすが広大なとびない旅館、点検にかなり時間が掛かっている模様(とびないさんの世間話のせいかもしれないが)。
ゾロゾロと署員が入ってきたのに、全く声が聞こえず館内のどこにいるのか分からない。


結局点検は45分ほど掛かり、午前10時半、ようやくとびないさんと朝食だ。
白米or昨日の炊き込みご飯の選択制で焼き鮭、豚バラの野菜炒め、そしていもすり餅と大変豪華だ。


そしてこれもとびない旅館名物、聞いたこともない栄養ドリンク「スカールDX2000」がもれなくついてくる。
生卵に地元企業の納豆、味付け海苔と、ご飯に対してずいぶん多いなと思ったら「生卵をメレンゲ状にかき混ぜて納豆と合わせると粘り気が消える、ぜひ試して」とのことだった。
混ぜ方が足りずイマイチになってしまったが、ホタテ入り炊き込みご飯に納豆卵、そして生卵を追加でくれてこれまた贅沢。

楽しみにしていたいもすり餅だが、噂にたがわず美味しいこと。
すったジャガイモを丸めただけなのに弾力があってプニプニ、モチモチである。そして煮干しと鶏肉のダシが出た汁によく合う。
これもおかわり自由である。なんと素晴らしいことか。


食事をしながら、残念ながら座敷わらしに会えず怪奇現象を体験できなかったことを報告する。
だが、とびないさんは「風呂に入らず、快適なベッドでもないのに爆睡できたのは不思議な力が働いているからだよ」という。
ふむ……なるほど。


午前11時半、こちらもとびない旅館のアトラクションの一つ、道路を挟んだ向かい側の「下北妖怪ハウス」を見学させてもらう。
とびないさんが空き家を活用して作り上げたミュージアムである。




シャッターを開けてもらって内部へ入ると、まずはとびないさんの手による飛行機、戦闘機、戦艦、車などの完成品プラモがずらりと展示されており、圧巻である。


昨日会って早々盛り上がった旧・山田模型の車プラモや、私の入門キットだったアリイの1/32旧車シリーズもすべて揃っている。
すべて美しく着色されて仕上げられており感動である。
ジオラマ風に仕上げられた「終戦直後の大湊航空隊」はとびないさんの自信作で、展覧会で賞をもらったこともあるとか。
人物はパテなどを使ってイチから作り上げられている。


で、入った時から気になっていた鬼太郎やねずみ男、猫娘など妖怪の人形。
かわいらしいイラストが描かれたベンチもある。
これらは、2003年にここむつ市で開催された「第8回世界妖怪会議」の時に製作されたもの。


まちおこしの一環として、パネラーに水木しげるをはじめ荒俣宏、京極夏彦などを招待して行われたこのイベント。
「下北妖怪夏祭り」も同時開催され、とびないさんが中心となって準備が進められ、これらの妖怪を商工会議所青年部らとつくりあげたそうだ。



館内に無造作に置かれた当時の資料には、とびないさんの作品と水木しげる氏が並ぶ写真が!
イベント後も下北を妖怪で盛り上げようという話もあったようだが、準備中のもめごと等々であまりうまくいかず、フェードアウトしたとか……。


次回、最終回。
まだまだ続くとびないワールド!
遊びすぎてフェリーに間に合わない!!

続く。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

青森ミステリー見聞録 その8

2021-08-08 01:28:09 | 旅行(道外)2020~
2日目 午後4時。

恐山から下界へと戻ってきた私は、むつ市内のショッピングモールの駐車場で、今夜の宿へは何時ごろ行くべきか悩んでいた。
なにしろ、これから向かおうとしているのは日本中探しても類を見ない超絶旅館として、一部の愛好家には名の知れた場所なのだ。
今回の旅でトップレベルに楽しみにしているが、同時に不安も最大級だ。


事前に把握している情報は下記の通りである。


・「とびないさん」という、プラモとモデルガンが趣味のおじさんが一人で切り盛りしている。
・館内は「とびないさん」のコレクションや創作物で溢れている。
・「とびないさん」は超個性的かつ話好きで、チェックインからチェックアウトまで
 終始付きっきりでおもてなししてくれる。
・そのサービスの特性上、1日1組しか泊まれない。
・どうも館内に座敷わらしがいるらしく、「何だコレミステリー」で原田龍二が訪れ
 鏡の隅で動く白いカタマリの撮影に成功。


なにやら情報が渋滞しているが、覚悟を決めて午後4時半過ぎに到着するよう出発。
といっても、旅館は意外にもむつ市のほぼ中心部、下北交通のバスターミナルや観光物産館のすぐ近くにあった。


・とびない旅館(青森県むつ市田名部町8-6)

事前情報では、駐車場に車を停めるや否や、音を聞きつけたとびないさんが飛び出してくるという話だったが、
車から降りてもしんと静まりかえっている。
年季の入った外観を何枚か撮っていると、正面のガラス戸がガラガラと開き、開口一番「大変な事に気付きました~」と笑顔のおじさん登場。手にはなぜか猟銃のモデルガンを持っている。

とびないさん(59)だ。
お姿はネットなどで何度も見ているので、有名人に会えたかのような感覚である。

何から突っ込めば良いか分からないが、ともかく大変な理由を聞くと、どうやら夕食の炊き込みご飯に入れるホタテを買い忘れていたらしい。
「あとで一緒に行こうね。これも旅のうちでしょ。まぁ入って」と館内に入れてもらう。


マスクをせずに来客対応ができる最新システム(段ボールを重ね、顔部分に透明シートを貼ったもの)
などの説明を受けながら、とびないさんの事務所(兼制作場所、兼接客スペース)へと案内されると
さっそく荷物を置かせてもらうのもそこそこに仕事の話、政治の話などが次々と飛び出す。
廊下に旧・ヤマダ模型の車のプラモがあったので、私も再販版を作ったことがある旨を伝えると
「話の分かる人でよかった!来るべくしてきたね」と大層喜んでくれた。
気に入ってもらえたようで良かった。


5時半ごろ、ホタテの買い出しのため一緒に車へ乗せてもらい、むつ市内へ繰り出す。
北海道から来た私のために、大間産のホタテをぜひ夕食に使用したいという。
「生は焼くと出汁が出て最高だからね」と話す。

行きつけのスーパーや鮮魚店を巡り、3店舗目でようやく発見。喜ぶとびないさんを見て、こちらもほっとする。
買い物中も模型の話が尽きないが、レジに並んでいるときに突然表情を変え
「ところで、夜に何か『出る』のは大丈夫だよね?」と念押しされドキッとする。
そういえば「座敷わらし」の存在をすっかり忘れていた。

なぜ座敷わらしだと断定できるのか聞くと、妖怪研究の専門家が調査に訪れ、
その事象の特徴から座敷わらしと断言されたという。
興味深いので後でゆっくりお聞きするとしよう。

帰り道、とびないさんの行きつけという模型店に案内してもらい、店主としばし世間話をして旅館に戻る。
既に時間午後6時半を過ぎている。


「いろいろやってくるのでこれで遊んでて」と戦車のラジコンを手渡され、とびないさんは2階へ消えていった。
なんでも、モデルガンの修理に没頭するあまり、ベッドメイクなど部屋の準備ができていないという……。
チープな戦車のラジコンは、とびないさんの手によって後退時に旋回するように改造されている。


事務所の隣にある、本来であれば食堂……のはずだが、机の上は作業中のモデルガンやプラモに占領されている。
壁には戦隊ヒーローのソフビや、アメコミのおもちゃなどが貼り付けられている。




なかなか立派な受付。薄暗い中でひとり写真を撮っていると、時計の7時の鐘がボーン、ボーンと鳴り出した。
これは結構雰囲気があるな……と急に怖くなる。
廊下には年代物のプラモが山積みに。見る限り、車、銃に限らず飛行機、船、建築など守備範囲はかなり広いようだ。

2階から降りてきたとびないさんが「これからご飯支度だから、それまでコレクション見てる?」と言うので、奥の部屋に案内してもらった。



かなり広い館内を一番奥まで進むと、元は宴会場だったとおぼしき大広間が。
電気が付けられると、ぜいたくに部屋全体にコレクションが散乱……もとい展示されており、圧倒されてしまった。



青いネコは、とびないさんと仲の良い青森のブロガー「ねこぜ」さんのキャラクター。ロボットの前には、なぜかGLAYのサイン入りポスター(2016年)まである。
奥には軍服各種と、戦車を走らせる自作のジオラマなど。



ガラスケースの中には、昭和アニメのキャラクター人形やメカの関連おもちゃがたくさん。特撮もお好きなようだ。
その他、スプレーで着色途中のプラモや制作道具などが机に置かれ、どうやらこの部屋では子どもたちへの制作教室なども開催しているらしい。


そして大広間の最も奥には、宿泊客のお供え物が並ぶ座敷わらしの祭壇があった。
なぜかとびないさんのファン?による肖像画まである。
しまった、私も六花亭のお菓子でも買ってくればよかった。


ご飯支度がひと段落したのか、とびないさんがやってきて展示物をいろいろ解説してくれる。
有線から無線に改造したラジコン戦車、アニメの通りにあらゆるギミックが仕組まれたメカ、苦労した戦闘機やロケットの模型などなど……。
詳しくは割愛するが、嬉々として語るとびないさんは少年のようだ。


午後9時15分、待ちに待った炊き込みご飯の完成だ。
「ほらほら、出来たてのところ撮ってよ」と炊飯器を開けるポーズまで取ってくれる。サービス精神旺盛だ。
そのまま事務所(兼制作場所、兼接客スペース)でとびないさんと一緒に夕食だ。

おっしゃっていた通り、大間産のホタテがごろごろ入ったご飯は香りが最高。
「好きなだけおかわりしていいよ!女性のお客さんだってたくさん食べてくんだから」という言葉に甘え、
3杯ほど頂いてしまった。なんとも贅沢。


食後はそのままお酒を飲みながら、とびないさんの息つく間もないマシンガントーク。
政治論、時事問題、地元の市議会議員のココではとても書けないゴシップネタ、土地トラブル……などなど。
ここも詳しくは割愛……というか、覚えてられない。突然話がぶっとぶので付いていくのも大変だ。
「プラモの素組みはただの習作、消費」「落としたプラモの部品を手をかざして、念力で探し当てたことがある」
などのありがたい(?)話も頂いた。

話の合間に、とびないさんの秘密のコレクション部屋や、2階の一室に作られたプラモ制作教室なども見せてもらう。
「あぁ~、暗いのやだ」と言って、部屋を去るギリギリまで電気を消さないのが意味深で、少し怖かった。


いよいよ、気になっていた座敷わらしについて聞いてみる。
とびないさんによると、先代から引き継いだ築数十年のこの旅館は、見える人からすれば幼稚園のような場所だという。
かなり広大な建物内にとどまらず、屋外の敷地外にも子どもたちが走り回っている状態らしい。

「何か変だな?」と思い始めたのは2009年ごろで、原発の整備員が泊まっていた部屋が
内側から鍵が掛けられ、扉が開かなくなる。
その後、女性の宿泊者がイヤリングや髪の毛を触られる、といったエピソードが増えていった。
体験談から1号室には男の子、2号室には女の子がいるといい、宿泊客の性別によって泊まってもらう部屋を分けているそうだ。
なお、とびないさんはその姿を見たことはなく「足音を2回聞いただけ」。


NHKのドラマ「赤毛の●ン」や「未来少年コ●ン」を見せられながら、なおもトークは続き、時間は深夜1時
時折うつらうつらするとびないさんを見て「もう、寝ましょう」と提案する。

「ちなみに、きょう泊まってもらう1号室にも出たんだけど」ととびないさんは最後に切り出す。
心霊現象や妖怪否定派の人が冷やかしで泊まりに来て、その日は「いる」「いない」論争で半ば喧嘩状態になってお開きになったらしい。
翌日、とびないさんが朝ご飯の支度をしていると、2階からバタバタと慌ただしく降りてくる音がして
とびないさん、出た出た!いいことあるかな!」と興奮気味に報告したそうだ。
どんな現象に遭ったのかはあえて聞かなかったそうだ。

かなり信憑性の高い話だが、部屋に行く直前にそれを言うか!



とびないさんにおやすみを言い、ギシギシと鳴る階段を上って2階の部屋へ向かう。
ここまで、とびないさんの明るくにぎやかな人柄でかき消されていたが、
いざ一人になって急にしんとなると、その対比も相まって不気味な雰囲気が漂う。
南北に細長い館内は中央の廊下と共同の洗面所以外、消灯されている。


こんなに部屋数のある旅館なのに、いま館内に居るのは自分ととびないさんだけ。
とびないさんの「物理的に怖い状況だよね」という言葉が頭を巡る。


さて、長い廊下の突き当たり右側「1号室」に到着した。テレビ横の姿見が怖い。
チェックインから約9時間を経て、ようやく泊まる部屋を見たことになる。普通の旅館ではあり得ないだろう。
豆電球が灯された部屋に近づくにつれて、甲高い「ピーーー」という音が大きくなってきて早速身構えたが、
部屋に設置された防災無線ラジオから発せられている音だった。もう。


洗面所の細長い鏡の前でぽつんと立って歯磨きしている時は生きた心地がしなかったが、何も起こらなかった。
廊下から部屋へ歩いて行く動画を撮ってみたりもしたが、これも違和感は無し。
セルフタイマーで自撮りしてみたが、何か変わったものは写っているだろうか??

もう少し検証したかったが、怖さがピークなのでさっさと布団に潜り込む。
いつもは完全に消灯するのだが、さすがに今日は豆電球以上に暗くできなかった。
まあ、「何か」がボンヤリと見えたらそれで怖いけれども。

続く。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

青森ミステリー見聞録 その7

2021-08-04 12:12:00 | 旅行(道外)2020~


宇曽利湖を中心に釜臥山、屏風山、剣の山など八峰が囲む霊場一帯は火山ガスの噴気活動が盛んで、硫黄臭の漂う荒涼とした風景が広がる。
あちこちから湯気が上がり、硫黄で黄色く色が付いた地面には草木が生えず、鳥などの生き物もほとんどいない。
火山岩を縫うようにして、1周3キロほどの参道が延びている。




至る所で回るカラフルなかざぐるまは、水子供養のため参拝者が立てたものだという。
無色の風景の中で鮮やかさが強調されているのが物悲しい。
また、これも参拝者によるものだろうか、大小さまざまな石が積み上げられて山のようになっている。



そんな参道に、「千手観音」「慈覚大師堂」「水子供養ご本尊」などがあり、参拝者は起伏に富んだルートを順番に回ってゆく。
岩のくぼみに置かれた賽銭は、火山ガスで変色してしまっている。


「八葉地蔵菩薩」と、水子供養の地蔵群。
なお、恐山と言えば「イタコ」だが、常駐している訳ではなく、恐山大祭と秋詣りのみにいらっしゃるそうだ。
今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため休止とのこと。


血の池地獄」。池の底にある苔の変色によって、本当に真っ赤に見えることもあるそうだ。
この日は緑色だったため、予想していたほどおどろおどろしい雰囲気ではなかった。



参道は、早くして亡くなった子供が親を想う「賽の河原」を経て、宇曽利湖畔の「極楽浜」に辿り着く。




これまでの荒涼とした道中とは一変し、青々とした水面に白い砂浜の美しい風景が広がる。
参拝者もほっと一息、湖畔で記念撮影する人も多い。「極楽」とはよく言ったものだ。


湖を前に、東日本大震災の供養塔が建つ。
また、砂浜にもかざぐるまが何本か立っており不思議な光景。傍らに妊娠検査薬が置かれているものがあり、思わず「あぁ」と声が出てしまう。
カラカラと回るかざぐるまは輪廻の象徴であるという。


極楽浜から総門へ戻る道中は、仏教の世界に8つあるとされる地獄になぞらえた場所を通る。
「重罪地獄」「賭博地獄」、そして最も過酷とされる「無間地獄」。硫黄の臭いに耐えながら、火山ガスに気を付けて進まねばならない。


地獄めぐりを終えて総門へ戻り、車で「三途川」を渡り終えるとほっと一安心。
ツアー客などもおり、これまで恐山のイメージとして抱いていた恐ろしさ、不気味さはそれほど無かった気がする。
私が霊感が全くないためかもしれないが。


さて、本日の行程を終え、これから今夜泊まる宿へと向かうのだが……。
この宿こそ後半戦のクライマックス、というか、この旅で最も覚悟が必要な場所かもしれない。
まず、予約の電話で言われたのが下記の文言である。

大丈夫?ちゃんと調べた?ここ普通じゃないよ??

そしてこの宿、なんでも座敷わらしがいるというのだ。


いよいよ旅は佳境へ!
続く。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする