(「河北新報」平成28年4月30日(土)付け記事より引用)
熊本地震の被災地で、高齢者や障害者らを受け入れる福祉避難所が十分に機能しない中、熊本市の一般の避難所では唯一、熊本学園大が障害者を受け入れる態勢を整えている。東日本大震災の被災地で障害者の避難の厳しい現実を目の当たりにした同大の教授2人が、教訓を生かして運営に乗りだした。
同大は地震発生翌日の15日、一般の避難所として大教室四つを開放し、最大で約700人が避難した。
障害者用の避難所は14号館1階ホールで広さ約600平方メートル。本震発生の16日に開設し、最も多い時で約60人が利用した。29日は約20人の障害者が身を寄せた。
通路は幅2メートル以上あり、車いすも楽に通れるのが特徴。介護福祉士の資格を持つボランティアやヘルパーが24時間常在し、トイレなどの介助に当たる。同大の学生が話し相手になったり、食事の介助をしたり避難者の様子に目を配る。
右脚が不自由な無職森川信昭さん(58)=熊本市=は「ヘルパーや学生がいて夜も安心できる」と話す。
障害者の受け入れは、同大社会福祉学部の花田昌宣教授(社会政策学)と、障害者の人権を研究する東俊裕教授が提案した。
2人は東日本大震災の1カ月後に岩手、宮城、福島3県の沿岸を回り、被災した障害者の状況を調査。孤立した障害者が多かったことを教訓に今回、自主的に対応した。
熊本市内の障害者ら要支援者は約3万5000人。市は約1700人の受け入れを想定し民間の高齢者施設など176施設と協定を結んでいたが、29日時点で開設された福祉避難所は54施設。想定を上回る被害規模で、受け入れは258人にとどまる。
花田教授は「スペースの確保が最も重要。学校の教室がバリアフリーであれば開設できる。発生直後3日間を乗り切ればスタッフは集まる。一般の避難所でも障害者を受け入れる発想を持たないといけない」と話す。
熊本地震の被災地で、高齢者や障害者らを受け入れる福祉避難所が十分に機能しない中、熊本市の一般の避難所では唯一、熊本学園大が障害者を受け入れる態勢を整えている。東日本大震災の被災地で障害者の避難の厳しい現実を目の当たりにした同大の教授2人が、教訓を生かして運営に乗りだした。
同大は地震発生翌日の15日、一般の避難所として大教室四つを開放し、最大で約700人が避難した。
障害者用の避難所は14号館1階ホールで広さ約600平方メートル。本震発生の16日に開設し、最も多い時で約60人が利用した。29日は約20人の障害者が身を寄せた。
通路は幅2メートル以上あり、車いすも楽に通れるのが特徴。介護福祉士の資格を持つボランティアやヘルパーが24時間常在し、トイレなどの介助に当たる。同大の学生が話し相手になったり、食事の介助をしたり避難者の様子に目を配る。
右脚が不自由な無職森川信昭さん(58)=熊本市=は「ヘルパーや学生がいて夜も安心できる」と話す。
障害者の受け入れは、同大社会福祉学部の花田昌宣教授(社会政策学)と、障害者の人権を研究する東俊裕教授が提案した。
2人は東日本大震災の1カ月後に岩手、宮城、福島3県の沿岸を回り、被災した障害者の状況を調査。孤立した障害者が多かったことを教訓に今回、自主的に対応した。
熊本市内の障害者ら要支援者は約3万5000人。市は約1700人の受け入れを想定し民間の高齢者施設など176施設と協定を結んでいたが、29日時点で開設された福祉避難所は54施設。想定を上回る被害規模で、受け入れは258人にとどまる。
花田教授は「スペースの確保が最も重要。学校の教室がバリアフリーであれば開設できる。発生直後3日間を乗り切ればスタッフは集まる。一般の避難所でも障害者を受け入れる発想を持たないといけない」と話す。