FA制度が日本でスタートしたのが1993年のオフです。初年度にFA移籍した選手は下記の4人でした。
①松永浩美:阪神⇒ダイエー
②駒田徳広:巨人⇒横浜
③落合博満:中日⇒巨人
④石嶺和彦:オリックス⇒阪神
かつて、日本球界には1947年から1975年まで、10年選手制度がありましたが、メジャーのようなFA制度はありませんでした。まあ、今のNPBのFA制度もかなり日本的なのですが(笑)
各球団ごと(近鉄を含む13球団)の獲得選手数と流出選手数を確認します。流出選手数は国内・海外を含みます。
【球団別FA獲得選手数】
巨人=26人
DeNA=9人
阪神=12人
広島=0人
中日=7人
ヤクルト=4人
西武=3人
ソフトバンク=13人
楽天=5人
ロッテ=5人
日本ハム=2人
オリックス=6人
近鉄=1人
【球団別FA流出選手数】
巨人=8人
DeNA=9人
阪神=10人
広島=9人
中日=9人
ヤクルト=8人
西武=19人
ソフトバンク=12人
楽天=4人
ロッテ=8人
日本ハム=14人
オリックス=12人
近鉄=3人
広島の獲得選手数0というのは傑出しています。流出選手が多い西武・日本ハム・オリックス・ソフトバンクなどは、FA行使の理由の中にある「この球団にいたくないから」というものに該当する選手が多いということになります。獲得人数は巨人の26人がダントツです。FAは球団の思惑と選手自身の希望ですから、行使した結果活躍できなかったとしても、それは仕方のないことです。
オファーがあって、自己の判断で割と自由に移籍するJリーグなどと比較すると、制約が多いのがNPBです。Jリーグでよくある「オフの草刈場」現象が起こることを防ぐ意味もあるのかも知れませんが、Jリーグよりもより「護送船団方式」が強い組織と言えます。

出典:https://twitter.com/akishobo/status/1300406620384452612/photo/1
自らの意思で移籍した選手を移籍先での活躍を願い、活躍を喜ぶ風土のあるJリーグと違い、FA移籍した選手に対して憎悪の対象になってしまうNPBではそうならざるを得ないのかも知れません。チーム数が12球団と少ないこともその傾向を強めていると思います。FAでメジャー移籍した選手に対してあまり憎悪意識を抱かないのがその好例ですね。
制度として確立されており、ルール違反でもないのに何故か贔屓球団から出て行った選手を「裏切者」呼ばわりしてしまう、日本的感情が根底に存在するのでしょうね。

では、昨日の6試合の結果です。
【セ・リーグ】
*神宮
広 島
013 000 100│ 5
120 053 30X│14
ヤクルト
(勝)スアレス 3勝
(敗)床田 1勝6敗
◇本塁打:(広)菊池涼8号③,正隨1号①,(ヤ)西田4号②,山田哲9号②,村上14号③
(広)床田・菊池保・高橋樹・矢崎・島内-坂倉
(ヤ)スアレス・中澤・星・梅野・近藤-西田
*横浜
巨 人
000 000 000│0
023 010 00X│6
DeNA
(勝)井納 6勝4敗
(敗)戸郷 7勝4敗
◇本塁打:(D)オースティン6号③,梶谷12号①
(巨)戸郷・堀岡・大江-炭谷・小林
(D)井納・パットン・石田・三上-嶺井
*ナゴヤドーム
阪 神
100 005 200│8
110 101 000│4
中 日
(勝)馬場 2勝1敗
(敗)柳 3勝5敗
◇本塁打:(阪)陽川4号①,大山20号④,大山21号②
(阪)ガルシア・小川・馬場・岩貞・岩崎・スアレス-坂本
(中)柳・谷元・藤嶋・清水・木下雄-木下拓
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【パ・リーグ】
*札幌ドーム
ロ ッ テ
102 000 000│3
005 200 00X│7
日本ハム
(勝)加藤 2勝1敗
(敗)中村稔 2勝3敗
◇本塁打:(日)松本1号②
(ロ)中村稔・東妻・小野・東條-柿沼・江村・佐藤
(日)マルティネス・加藤・堀・玉井・宮西-清水
*京セラドーム大阪
西 武
002 000 000│2
051 200 00X│8
オリックス
(勝)山岡 1勝3敗
(敗)ニール 3勝6敗
◇本塁打:(西)金子2号②,(オ)モヤ1号②
(西)ニール・小川・田村・中塚-森・柘植
(オ)山岡・澤田・ヒギンス・富山-若月
*PayPayドーム
楽 天
000 000 201│3
200 003 04X│9
ソフトバンク
(勝)ムーア 3勝1敗
(敗)石橋 1勝4敗
◇本塁打:(楽)ロメロ18号②,(ソ)柳田24号②
(楽)石橋・青山・池田駿・津留崎・宋家豪・鈴木翔-下妻・太田
(ソ)ムーア・嘉弥真・高橋礼・モイネロ・古谷・泉-甲斐・海野

パ・リーグでもソフトバンクが抜け出しそうです。接戦をしぶとく拾うチームは真に強いということができますが、そんな雰囲気が出てきました。ブルペン陣の充実なのでしょうが、野球自体は面白くないですね。
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興味が尽きないように全球団に頑張ってもらわないといけません。
よろしくお願いします。
浅村クラスの大物だと特に・・・
12球団しかありませんからFAで国内移籍するとなれば、同一リーグへの移籍も多くなります。それで元のチームと対戦するならブーイングなら良い方で「裏切者」と罵倒されるのが常となります。
JリーグでもJ1の一部チームではやはり同じようなことが起こりますが、概ね(本心はどうあれ)対戦する試合では「頑張れよ」とその選手に声援を送るのが普通です。チーム数や対戦数の違いが一番大きいのでしょうけど。
プロ野球の歴史の長さも影響していると感じる事象ですね。
日本プロ野球のFA制度の最大の欠陥は、ドラフト制度とのリンクがないことだと思います。しかも、1993~2006年は逆指名まであったので、巨人とホークスの「金満球団」がやりたい放題でした(更に初期は、『人的補償』を求めることも少なかった)。現在でも似た状況なので、米国大リーグのようにドラフト指名権の譲渡などと組み合わせるべきだと思います(日ごろの『日本人メジャーリーガー情報』偏重に辟易している私が、こんなことを言いたくはないのですが)。
広島カープの悲哀を見ると、親会社を持たないJリーグクラブのそれとよく似ています。ドラフト制度もトレードもプロテクトもない自由競争が原則ですから、金のないチームはオフは毎年草刈場です。そんな状況を見ていると、主力が1人、2人抜かれたぐらいでガタガタ言っている暇もありません(苦笑)
NPBの抱える闇の部分は、全ての制度が中途半端なところだと思います。少しずつでも改善できる風土ができて行くには、代替わりが進まないと駄目ですかね? まあ、自由競争ではないプロスポーツの方が異例なのですが仕方ありません。