ショートケーキ

家に帰ったら
昌美がケーキをだしてきました。
手作りです。
しかも生まれてはじめて作ったそうです。

まず一瞥して

スポンジが薄いとおもいました。
下からスポンジ、イチゴ、スポンジ、イチゴ
の順で積んであるのですが
スポンジがやけにひらべったいなぁ
というのが第一印象。

そのつぎに
上にのっかっているイチゴ。
ヘタがついたままです。
これにかんしておもったことは

めんどくさい

です。
昌美に

イチゴにヘタがついてる

と言ったら

緑色があったほうがきれいでしょ

と言われました。

そうか
色か
色なのか

いたしかたあるまい

と納得しました。


ケーキ屋の変にこったケーキも好きですが
手作りのケーキのスポンジも私は大好きなので
ありがたいとおもって
フォークをケーキにさしました。

すると

切れない。
とても硬質なスポンジです。
力をいれて
なんとか切ってたべました。

こんなに固いスポンジは生まれて初めてです。

粉がまだのこっているのでは
とおもい、
まじまじと観察してみると
意外とそれはありませんでした。


ずいぶんとよくできてるなぁ


と感心しました。

昌美はきっと
泡立て方を失敗したのかもしれません。


昌美に
ちゃんと本の通りに作ったのか
きいてみたら
手順を2つばかりとばした
とのことです。


それか。
そのせいか。


さらに昌美が言うには
泡だて器がうちにはないので
フォークで2時間かけて泡立てた
そうです。

ありがとう。

その心意気で十分です。

イチゴのヘタをとりながら
指を何度も生クリームにつけて
フォークで固いスポンジを切り、
ほとんど食べおわったところで

私は

昌美に

言いたかったことを言いました。





ナイフもほしいな