故郷が懐かしいお年頃

　ハガキが一通届いていた。卒業した高校から。といっても、クラス会ではなく卒業ＯＧ（女子校なので）全員向け。だから、年代はばらばら。この会の後、入学年度ごとやクラスごとの楽しい会が開かれるのだろう。「だろう」しか言えないのは、残念ながら一度も出席したことはないから。
過去に１度だけクラス会に行ったことはあるが、その後はやめた。なにせ、故郷を捨てた身としては、「何をいまさら・・・」という気があったので・・・
　自分は結構クラスの人たちに好かれていたと思う。「ユニーク」なんてあだ名を付けてもらい、有力なグループの仲間に入れてもらっていた。だから、嫌な思い出はないし、今、みんなに会ってみたいと思うが、今となってはむずかしい。
　でも、年を取るにつれて「故郷に残っていたら、居心地良かっただろうか？」「別の人生が待っていただろうか」などと思うことが多くなった。
　今住んでいる南関東もすごく悪くないけど、やっぱりツーカーで分かり合えるという感覚はない。あの乱暴すぎるくらいの言葉でやりとりしていた頃が懐かしい。
　人々が「甲子園」や「秘密のケンミンＳＨＯＷ」を好んで観る気持ちがわかる。
　でも、いつかはまた行ってみたい。そしてあの嫌だった空っ風に吹かれて、焼きまんじゅうを食べるんだ～

　今回のハガキはそっと捨てた。

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