いせ九条の会

「いせ九条の会」の投稿用ブログです(原稿募集中)。
会の趣旨に賛同される方、メールでご投稿ください。

6カ国協議、文書化合意できず 議長声明「次回早期に」/山崎孝

2008-12-12 | ご投稿
(2008年12月11日の共同通信)

北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議首席代表会合は4日目の11日、北京の釣魚台迎賓館で核検証方法の文書化に向け、ぎりぎりの調整を続けたが合意できず終了した。次回協議の日程も決まらなかったが、中国の武大偉外務次官は「早期に6カ国協議を開催することで合意した」との議長声明を発表した。

 核検証方法で争点となっているサンプル(試料)採取など科学的方法の採用をめぐり、文書盛り込みを拒否する北朝鮮と記載すべきだとする日米韓の溝は深く、着地点は見いだせなかった。

 ヒル米国務次官補は同日夜、北京国際空港で、次回日程について「設定しようと思えばできたと思うが、しなかった」とし、決裂ではないことを強調した。しかし、斎木昭隆外務省アジア大洋州局長は「いつ開く(ことができる)かは、なかなか難しい」と述べた。

 議長声明は「検証条件合意に向けた進展を評価し、検証における国際原子力機関(IAEA)の支援と助言を歓迎する」と表明。寧辺の核施設無能力化と経済・エネルギー支援を並行して進めることや支援への国際社会参加歓迎を盛り込んだ。

 さらに(1)「経済・エネルギー協力」作業部会の適切な時期の開催(2)「北東アジアの平和と安全のメカニズム」作業部会を来年2月にモスクワで開催-をうたい、米朝、日朝間の懸案解決と関係正常化に向けた努力を促す、とした。

 ヒル氏は「検証は国際的な基準を満たさなければならない」と従来の主張を繰り返し、他国と協調して進展に向け努力する姿勢を強調したが、具体的方策は示さなかった。また、無能力化と支援の非核化第2段階の完了日程について、検証文書化の完成と合わせてまとめたいと述べた。

 斎木氏は「実質的成果はほとんどなかった。核検証に関して北朝鮮とほかの国々の考え方でギャップを埋められなかった」と述べた。

 日程を1日延長した11日は各国首席代表が中国の楊潔☆外相を表敬訪問した後、全体会合を断続的に続けた。

 日朝協議は開かれず、日本人拉致問題も取り上げられなかった。

【コメント】議長声明が「次回を早期に」「検証条件合意に向けた進展を評価」したように枠組みが壊れたわけではありません。6カ国協議は、今年は北朝鮮の核施設の無能力化の進展も得て継続されます。かつてのように北朝鮮は、半分以上解体された核施設を復旧させて、核兵器を再び開発して米国と軍事的に対決していく道はとても不可能です。そして国際的な援助無しには生きていかれる国ではありません。

朝日新聞の12日の報道は《関係者の間では「北朝鮮は本当は必要なことを理解しており、試料採取もいつか認める」との見方もある。金氏も協議で「現時点では受け入れられない」とする一方、「永遠ではない」とも言及。「検証は核を廃棄する第3段階の問題」(関係者)との位置づけだ。》と伝えています。

米国は北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除を10月11日に行いましたが、この措置では米朝国交回復がされない限り、北朝鮮には経済的な大きなメリットはないとも言われています。何れにしても6カ国協議を成功させる以外に東アジアの平和と安定はありえません。

北朝鮮の脅威なるものを口実にして、日米軍事同盟を強化するために改憲して集団的自衛権行使を可能にしても、東アジアの平和と安定は勝ち取れません。軍事的に睨み合った状況が続くだけです。