いせ九条の会

「いせ九条の会」の投稿用ブログです(原稿募集中)。
会の趣旨に賛同される方、メールでご投稿ください。

物事のある一面だけを捉えて発言する首相/山崎孝

2008-11-29 | ご投稿
【首相、暴言謝罪直後 たらたら飲み食いしている人の医療費を何で私が払う】(しんぶん赤旗のHPの情報)

 「たらたら飲んで、食べて、何もしない人の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」。麻生太郎首相が二十日の経済財政諮問会議で、医療費増大にかかわって、受診する高齢者を攻撃する発言をしていたことが、同会議の議事要旨で明らかになりました。麻生首相は二十七日、記者団に「病の床にある方の気分を害したならおわびする」と陳謝したものの、「(病気の)予防に注意する人としない人ですごい差があるというのが趣旨だ。その一部だけが(報道に)出た」などと開き直りました。

 二十六日に公開された議事要旨によると、麻生首相は「六十七、六十八歳になって同窓会に行くと、よぼよぼしている、医者にやたらにかかっている者がいる」と発言。「彼らは、学生時代はとても元気だったが、今になるとこちらの方(麻生首相)がはるかに医療費がかかってない。それは毎朝歩いたり何かしているからである。私の方が税金は払っている」とし、「何もしない人」の医療費は負担できないと語りました。

 いざというときに安心して医療が受けられるように、保険料を出して支えあっているのが医療保険制度です。麻生首相の発言は、こうした保険制度の存在意義そのものを無視する暴論です。

 麻生首相は、医師不足問題で「社会的常識がかなり欠落した人が多い」(十九日)と医師に責任をなすりつける発言をし、問題になりました。日本医師会は翌二十日に麻生首相に直接会って抗議し、麻生首相は陳謝しましたが、今回明らかになった暴言は、その陳謝から三時間半後の経財会議で飛び出たもの。まったく反省がないことを示しています。

【コメント】私は酒やタバコやお金もないので飽食もしません。しかし、加齢と共に体の衰えは確実に起きて昨年から血圧が上がり薬を飲むはめに陥っています。加齢により体が衰えるのは、人類が継続的に新しい世代を交替させ、新しい命を生み出すための摂理だと思っています。昔あったと言われる姥捨ての習慣は貧しい村が次の世代を生かすための悲しい方策だったと思います。しかし現在は、命ある限り人間を大切にするのが人間のとるべき道とされるのが世界の普遍的な理念となっています。

麻生首相の発言は物事のある一面だけを捉えて、すべてがこのようなものだと判断しています。病気になるケースは様々です。責任を負わされて働きすぎて過労死や病気になる人もいます。首相の発言はかつて言った「日本は一民族、一言語、一文化」などと総体を捉えず事実を無視した発言と共通のものです。安全保障政策も米国一辺倒では立ち行きません。

政治を行うものは、大きな視野に立ち物事の総体を捉えて適切な政策を行なわなければと思います。人間に対する優しさも必要です。