いせ九条の会

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自民党の国民の権利にたいする考え方/山崎孝

2008-09-26 | ご投稿
【国交相、成田反対闘争は「ごね得」 日本は単一民族発言も】(2008年9月26日付中日新聞)

 中山成彬(なりあき)国土交通相は25日、報道各社とのインタビューで、成田空港建設への反対闘争について「ごね得というか、戦後教育が悪かったと思う」と批判。外国人観光客の誘致策に関連しては「日本は随分内向きな、単一民族といいますかね、あんまり世界と(交流が)ないので内向きになりがち」と発言した。

 さらに大分県の教員汚職事件にも言及し、日本教職員組合(日教組)と絡め「大分県教委の体たらくなんて日教組(が原因)ですよ。日教組の子供なんて成績が悪くても先生になるのですよ。だから大分県の学力は低いんだよ」と話した。しかし数時間後の同日夜になり、いずれの発言も「誤解を招く表現であったので撤回します」とのコメントを発表した。

 成田空港は2010年春に、2500メートルに延伸する2本目の滑走路が供用される予定。供用に向け、国が地元自治体や住民と騒音対策や公共施設整備など地域振興策の話し合いを進める中での新しい所管大臣の発言だけに波紋を広げそうだ。

 中山氏は反対闘争について「公のためにはある程度自分を犠牲にしてでもというのがなくて、自分さえよければという風潮の中で、なかなか空港拡張ができなかったのは大変残念」と述べた。

 政治家の「単一民族」発言では、麻生太郎首相も総務相時代の05年、「(日本は)一国家、一文明、一言語、一文化、一民族」と発言した。(以上)

【コメント】麻生太郎氏の過去の発言をブログで紹介しましたが、麻生首相の選んだ閣僚の中山成彬国土交通相の考え方も、発言を撤回しましたが、発言から窺えた「単一民族」の本音は、麻生氏と同様の考え方を持っていると言えます。

中山成彬国土交通相らの考える「公」とは国家・政府と考える傾向が強いようです。政府の意志が国民の意志より上位にあるとする考え方です。

2007年2月に安倍内閣の伊吹文部科学相は、食べ過ぎれば日本社会は「人権メタボリック症候群となる」という発言。2008年8月10日、NHK番組で、「食の安全」について、「消費者としての国民がやかましくいろいろいうと、それに応えざるをえない」と、国民が横着を言っているかのように受け取れる発言をして問題になりましたが、これらの発言も共通するものがあると思います。

このような考え方が収斂されるものとして、自民党の改憲草案は第12条 ……国民はこれ(註権利)を濫用してはならないのであって、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚しつつ、常に公益及び公の秩序に反しないように自由を享受し、権利を行使する責務を負う、と国民が権利を行使する場合は抑制的にせよとする規定があります。