いせ九条の会

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雇用の実情を土台にしていない麻生氏の構想/山崎孝

2008-09-07 | ご投稿
【派遣法抜本見直しを 各地弁護士会が声明】(2008年9月4日付「しんぶん赤旗」)

 臨時国会での改正が焦点となる労働者派遣法について、各地の弁護士会が抜本的な見直しを求める会長声明を発表しています。

 埼玉弁護士会の海老原夕美会長は、雇用不安と低賃金の派遣労働者の実態は憲法二五条の生存権などを侵害していると強調。日雇い派遣の原則禁止などを掲げた厚労省研究会報告では不十分であり、登録型派遣の禁止や均等待遇など抜本的な見直しが必要だと強調しています。

 東京弁護士会の山本剛嗣会長は、雇用は直接雇用が原則であり、派遣労働は例外的な就労形態にもかかわらず規制緩和によって増大し、グッドウィルのような違法派遣が横行していると指摘。日雇い派遣の原則禁止にとどまらず、抜本的な見直しを行うよう求めています。

 また、日本弁護士連合会の宮崎誠会長は、直接雇用の原則に対する例外として許容されたのが派遣労働だと指摘し、日雇い派遣の禁止などにとどまらない抜本的改正を早急に行うよう求めています。(以上)

【厚生年金保険料:「企業分を5年程度免除」…自民・麻生氏】(毎日JPより)

 自民党の麻生太郎幹事長は5日、名古屋市で講演し、厚生年金保険料の企業負担分を5年程度免除し、高齢者やフリーター100万人の雇用を創出する構想を明らかにした。約5.5兆円の積立残高がある厚生年金基金を活用し、企業負担分を肩代わりするという。麻生氏は「高齢者らはもらう側から税金を払う側になる」と語った。この構想について厚生労働省幹部は「厚生年金の現状を分かっていない発言で実現は考えにくい」と批判した。(以上)

【コメント】東京弁護士会の山本剛嗣会長が指摘するように、雇用は直接雇用が原則であり、派遣労働は例外的な就労形態にもかかわらず、規制緩和によって派遣雇用が常態化し増大している中で、麻生氏は《厚生年金保険料の企業負担分を5年程度免除し、高齢者やフリーター100万人の雇用を創出する構想を明らかに》しました。この構想は直接雇用を大きく減らしている企業にとって、今まで負担してきた正規社員の厚生年金保険料の負担分が5年間免除されれば大きな利益に繋がるでしょう。企業は今まででもその時に必要な労働力は人材派遣会社を通じて確保していていますから、雇用創出には繋がらないことは明らかです。