いせ九条の会

「いせ九条の会」の投稿用ブログです(原稿募集中)。
会の趣旨に賛同される方、メールでご投稿ください。

米国の「正義の剣」は多くの無垢の人たちの血にまみれた/山崎孝

2008-09-11 | ご投稿
本日9月11日で、米国での9・11同時多発テロ事件が起こってから7年目を迎えました。米国はこの事件以降、軍事力による「テロとの戦い」という世界的な命題設定を勝ち取り、国際的には承認された国家を「ならず者」と言うレッテルを貼り、国際法で決められた民族自決権を無視して、他国の政権を軍事力で打倒することを正当化しようとし或いはしてきました。

9・11同時多発テロ事件以降、日本の政権党は米国の軍事行動に加担するために、国際貢献のためには軍事的貢献が必要とする政治宣伝を強めてきました。そして集団的自衛権行使が可能な憲法改定を現実の政治課題にのせました。

今、行なわれている自民党総裁選の候補の一人石破茂氏は、安倍前首相の課題を引き継ぎ、憲法解釈の変更による海外での武力行使可能を目論む自衛隊海外派遣恒久法の制定を政権公約に掲げています。イラクやアフガニスタンでの米軍や多国籍軍の住民を犠牲にした戦いを肯定しています。

9・11同時多発テロ事件が起こった暫くの間は、テロリストとの戦いの必要はイスラム諸国を含めまとまった形のような国際的な雰囲気がありました。しかし、この雰囲気を打ち壊して仕舞いかねない米国のアフガニスタンでのテロリストとの戦い方がありました。このことに懸念した2001年10月当時の私の文章をお読み下さい。

朝日新聞「声」欄 2001年10月12日掲載文 【誤爆が続けば米国から離反】

米国のアフガニスタンに対するテロ報復軍事作戦が罪のない一般の人々を巻き込み、犠牲者を出している。10月9日の夕刊には、空爆で手足を損傷した少年の姿が掲載され、10日の朝刊には首都カブールで地雷の撤去に携わる非政府組織(NGO)の事務所が爆破され、アフガン人4人が死んだと報道がされた。

 米国はNGOの職員の犠牲は米国の攻撃によるものかタリバーンの砲撃によるものか不明との態度だが、いずれにしても米国の攻撃がきっかけになったことは確実だ。タリバーンの側は少なくとも20人の市民が死亡したと発表している。

「世界の警察」を任じる米国は、86年にリビア、91年の湾岸戦争でイラク、98年に米大使館爆破事件でスーダンとアフガニスタン、99年にはコソボ紛争のユーゴスラビアで、それぞれ武力行使した。しかし、誤爆は避けられず、目立ったところでは病院、外国大使館さえ爆破して多数の犠牲者を出した。

 「正義の剣」が次第に血に染まったものになっていけば、世界の人々はどう思うだろう。とくにイスラム圏の人々を離反させない方策を堅持して、テロ組織との戦いを行なってほしい。