いせ九条の会

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法と矛盾する自衛隊の活動/山崎孝

2006-12-16 | ご投稿
12月15日、教育基本法改定案と防衛庁「省」昇格法案が国会で成立してしまいました。国家の政策に従順な若者、ひいては国家のために戦う若者を育てようとします。そして米国の世界戦略に協力するために、自衛隊の海外活動が本来任務と位置付けられました。自衛隊は既に海外の活動を重視した、中央即応集団の部隊を編成し、その司令部を米軍と同じ場所に置き、自衛隊と米軍の一体化に着手しています。これから自民党が狙うのは、周知のように解釈改憲か明文改憲かで、海外での武力行使が出来るようにすることです。

今の国会の議員構成では、この方向は阻止することは残念ながら困難です。そのためにも、私たちは現在政府与党が行っている政策の矛盾点を明らかにし、改憲の危険性を知らして、改憲に反対する世論を高めていかなければならないと思います。

私は12月12日にイラク特措法の矛盾点を指摘した文章を新聞の投書欄に投稿していました。これが運良く掲載して頂けましたのでブログにも投稿します。

2006年12月15日付朝日新聞「声」欄掲載文 【法と矛盾する自衛隊の活動】

政府はイラクで活動する航空自衛隊の活動期間を延長した。この活動は「イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法」によるが、自衛隊のイラクでの活動が法律の規定や目的に合っているのか私は疑問に思っている。

 イラク特措法は、自衛隊は非戦闘地域で活動すると規定する。だが、10日の本紙によれば、前航空支援集団司令官は「現場は作戦を実施している有事の環境、現実的な戦地だ。ヒヤリとすることは日常茶飯事と言っていい」と述べている。これでは非戦闘地域の活動規定を守っているとは言えない。

 自衛隊はイラクで米兵などの戦闘員を輸送する。この活動がどうして人道復興支援となるのだろう。

 米国民の多数は中間選挙で、イラク政策はイラクの平和と安定に役に立たなかったと判断した。これを見れば、米国のイラク政策を支援する自衛隊の活動が、イラクの安全確保に役立っているとは言い難い。

しかし、与党と民主党はイラクでの自衛隊活動が重要として、自衛隊の本来任務に格上げしようとしている。政治家はどこを見て政治をしているのだろう。