いせ九条の会

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安倍氏「恒久法」制定を目指す/山崎孝

2006-08-26 | ご投稿
安倍官房長官は8月25日、都内の講演で、自衛隊の海外派遣について、恒久的な法律が必要だ、それにより機動的な対応が可能になる。首相になった場合は、恒久法の制定を目指す考えを表明しました。

万が一、一緒に活動している外国部隊が攻撃を受けたら、黙って見ていていいのか、真剣に考えないといけない、とも指摘しています。

イラク派遣の陸自が英軍などの警護を受けた例を挙げて、派遣部隊の武器使用緩和を検討すべきだとも述べています。(26日の共同通信電子版を参考)

今までの自衛隊を海外に派遣する法律には「非戦闘地域」で活動することが規定されていました。紛争を起こした勢力の戦闘が終息していることを前提していました。従って一緒に活動している外国部隊が攻撃を受けた場合に自衛隊が支援する行動を前提にしていません。これは集団的自衛権行使と関る問題で、明らかに現行憲法の解釈改憲を狙っています。

現在、国連の平和維持活動で注目されているのは、レバノンの停戦監視のための国連部隊の派遣です。8月25日、EUはアナン事務総長も出席した緊急の外相会議を開き、EU加盟各国がレバノン国連暫定軍への参加を増強することを決めました。各国の意思表明した派遣規模を合わせると7000人に達して、国連の目標の1万5000人に対して大きく前進することになりました。

安倍官房長官の演説には、レバノン国連暫定軍への言及がなかったかあったのか報道にはありません。サマワの例を挙げたところを見ると、米国を中心にした有志連合型への自衛隊の派遣が念頭を占めているようです。

このところ安倍官房長官の話すことは、日本版「国家安全保障会議」の組織を作るとか、自衛隊を機動的に海外派遣をする「恒久法」の制定とか、軍事志向の話が相次いでいます。安倍氏を支持する人たちはこのことを認識する必要があると思います。

朝日新聞の8月21日から22日にかけての電話による緊急世論調査では、安倍氏の支持は53%となっていますが、自民党総裁選で議論して欲しいことは「経済的な格差の是正」32%、「消費税のあり方」29%、「アジア外交」15%、「憲法改正」7%といった結果でした。相次ぐ安倍氏の発言内容は国民の願いとは乖離しています。安倍氏は国民生活を改善する意欲より、軍事で国威を示したい意向が強いように思われます。

「九条の会」に結集する人たちや憲法を守ろうとする人たちは、安倍氏の政治と対決して政治宣伝を行い、憲法を守り活かす運動をしなければと思います。