いせ九条の会

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米軍HPに空自初めて、積極的に戦闘地域へ配備/山崎孝

2006-08-02 | ご投稿
【航空自衛隊機 バグダッド入り 米の「掃討作戦」支援】8月1日「しんぶん赤旗」電子版より

 イラク特措法に基づいて派兵されている航空自衛隊部隊のC130輸送機が、武装勢力による攻撃が続くバグダッド空港に初めて乗り入れました。政府が陸上自衛隊のイラク撤退とともに決めていた空自の活動拡大の第一弾です。防衛庁はバグダッドまで空輸したのは「多国籍軍の人員」と説明していますが、狙いは米軍が「掃討作戦」と称して展開している軍事作戦への支援です。

■攻撃続発 政府は、空自の活動拡大について「国連及び多国籍軍への支援を行うため」(六月二十日の小泉純一郎首相談話)としてきました。しかし一般のメディアも「国連関連の空輸も行うが『国連支援は建前。実際は多国籍軍の中核である米軍の支援にほかならない』(空自幹部)との見方が一般的だ」(沖縄タイムス七月十九日付)と指摘していました。

 もともと空自の活動拡大は、米側がかねてからイラクからの陸自撤退を認める代わりに要求していたものです。六月の日米軍事首脳会談でもラムズフェルド米国防長官が改めて要求し、額賀福志郎防衛庁長官が「ニーズに応じて考えていきたい」と表明していました。

 バグダッド空港への乗り入れは、空自が二〇〇三年末に初めて派兵された際にも計画されていました。しかし、同空港周辺で米軍輸送機などへの攻撃が相次ぎ、政府は乗り入れを見送った経緯があります。

 その後も、オーストラリア軍のC130輸送機がバグダッド空港を離陸直後に銃撃を受け一人が死亡(〇四年六月)、同空港から飛び立った英国軍のC130輸送機が撃墜され十人が死亡(〇五年一月)など攻撃が絶えませんでした。このため政府は、空自の空輸先を南部のタリル空港やバスラ空港に限ってきました。

 現在のバグダッド空港周辺も、「予断を許さない状況」で「地対空ミサイルなどによる航空機に対する攻撃が発生する可能性も排除されない」(守屋武昌防衛庁事務次官、七月二十七日)というのが実情です。

 それにもかかわらず空自の活動拡大を強行したのは、米国の要求に唯々諾々と従ったことを証明するものです。

■公表せず 米軍は、イラク全土で二百を超える「掃討作戦」を繰り返し、罪のない多くの民間人を殺傷してきました。今、この「掃討作戦」の焦点の一つになっているのがバグダッドです。米軍を中心にした多国籍軍は七月三十日、バグダッドでの治安悪化を受け、約三千七百人の部隊を増派する計画を明らかにしています。

 バグダッドへの空自の活動拡大は、米軍の「掃討作戦」を直接支援することであり、戦闘行動と一体化した活動です。

 政府は昨年十二月、米国の要求を受けイラクでの空自の活動に関する「実施要項」を変更。空自の活動の対象となる空港をそれまでの十三空港から、イラク国内すべての二十四空港に拡大しています。

 額賀防衛庁長官は実施要項の変更を認める一方で、内容については「安全確保」を口実に公表しないとしています。政府が現在、空自の活動拡大先として明らかにしているのは、バグダッドと北部のアルビルだけです。

 米軍の「掃討作戦」を支援するため、日本国民に知らされないまま、活動先がさらに拡大される危険もあります。(以上)

【米軍HP、イラク空自支援配備先は「戦闘地域」】7月29日朝日新聞より

民主党の鳩山由紀夫幹事長は28日、党本部で記者会見し、イラクで輸送支援にあたる航空自衛隊について、米空軍の公式ホームページで「戦闘地域へ配備される」と紹介されていたと指摘し、「明らかに憲法に違反する行動が行われようとしている」と批判した。

米空軍の公式ホームページは6月28日付で「航空自衛隊は初めて、積極的に戦闘地域へ配備される」という記事を掲載。これについて、米軍横田基地広報部は「日本とは違う認識だが、日本での(戦闘地域か否かをめぐる)議論を知らず、広い意味での『戦闘地域』として書いたのではないか」と説明している。また、防衛庁航空幕僚監部広報室では「こちらからはとやかく言えない」としている。

小泉首相は28日、記者団に「自衛隊の活動する地域は非戦闘地域であるという私の答弁は全然おかしくない」と語った。長勢甚速官房副長官も同日、記者会見で「自衛隊の活動は非戦閑地域に限られている、という考え方で我々は進める方針だ」と述べた。(以上)

米軍のホームページにあった「戦闘地域へ配備」という言葉は、日本政府の米軍支援という考え方を超越して、米軍から見ると自衛隊は米軍の手足となる多国籍軍、日米軍事組織の一体の方向からすれば米軍の一翼であるという認識を示す言葉だと思います。だから、「非戦闘地域」の言い訳に悩む日本政府への心使いをせず、正直に「戦闘地域」という言葉を無造作に使うのだと思います。

政府がいろいろ弁解しても、以前紹介した防衛庁関係者が述べた「空港という点と飛行経路という線だけを『非戦闘地域』とするのはフィクションだ」というのが一番正確です。

このように、米軍支援のために詭弁を弄する自民党政府に、如何なる名目であっても、海外で武力行使が出来る憲法を与えてはなりません。名目を与えれば拡大解釈や詭弁を弄して日米同盟関係に用います。

自衛隊を憲法で明記してもらいたいと思って改憲に賛成する人たちに、この政府の態度を知ってほしいと思います。

現在のイラクの状況を8月2日の共同通信電子版は次のように伝えています。

【イラク軍兵士ら63人死亡 政府有効策とれず】

 【カイロ1日共同】イラク北部パイジ近郊で1日、イラク軍兵士らの乗ったバスが路上爆弾で爆破され24人が死亡、首都バグダッドでも、車爆弾で14人が死亡するなど攻撃やテロが相次ぎ、各地で少なくとも63人が死亡した。AP通信が伝えた。

 5月に新政府が発足して2カ月あまりがたったが、マリキ政権は有効な治安対策を打ち出せていない。

 国防省によると、バスにはイラク兵ら24人が乗っており、全員が死亡した。事件を受け、パイジでは外出禁止令が出された。

 バグダッドでの爆発は中心部カラダ地区の銀行付近で発生。負傷者も37人に達した。月初めに給料を引き出そうと銀行に集まる軍兵士らを狙ったとみられる。