いせ九条の会

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政府・与党 国内のテロにはがいして鈍感/山崎孝

2006-08-20 | ご投稿
【加藤議員実家放火=「異論排除」の批判低調 政府・与党】(毎日新聞8月19日電子版)

 首相の靖国神社参拝を批判する加藤紘一元自民党幹事長の山形県鶴岡市の実家と事務所が放火され、全焼した事件は、右翼団体構成員による政治テロだった可能性が高まっている。異論排除の風潮を懸念する声が上がっているが、一部にとどまり、多くの国会議員が夏休み中ということもあって、政府・与党の反応は低調だ。

 加藤氏は19日・鶴岡市での後援会会合であいさつし、「政治や外交に対する発言は変わらず続けていくし、発言することが使命と思っている。戦前のようになってはいけない」と強調した。実際、18日には山崎拓前自民党副総裁らとアジア外交の再構築を目指した研究会の結成で合意した。加藤氏には事件後、警護官(SP)がつくようになった。

 政府・与党内で事件にいち早く反応したのは谷垣禎一財務相。火事の翌日の16日、「思想的背景があったとすれば言語道断」と記者団にコメントした。17日になって山崎氏は派閥総会で「暴力で言論を封ずる風潮の顕在化で、重大な問題と述べ、河野太郎副法相は自らのメールマガジンで「政府も自民党も・もっと強い決意表明があってもよかったのでは」と批判した。

しかし・目立った反応は、ほぼこれだけにとどまっている。加藤氏は首相の靖国参拝やアジア外交を批判する「反小泉・非安倍」勢力の中心的存在なだけに、安倍晋三官房長官の独走態勢が強まる9月の自民党総裁選をにらみ、国会議員らが夏休みを表向きの理由に発言を控え、様子見をしている側面もありそうだ。

また、小泉純一郎首相は16日から24日まで首相公邸で・安倍氏は16日から20日まで山梨県内の別荘などでそれぞれ夏休みを過ごしており・事件について一切論評していない。

一方、民主党の小沢一郎代表は18日、岩手県花巻市での記者余見で「社会的に嫌な雰淘気を感じる。日本の今日の社会的風潮がこういう行為を助長するものだとすれば、非常に危険で、遺憾に思う」と、懸念を示した。(以上)

朝日新聞は18日の記事で次のように報道しています。

「危険な日本になりつつある」「日本は大政翼賛的になっている。右傾化の流れはよくない」。18日、加藤氏や山崎拓・自民党前副総裁、船田元・党憲法調査会長、中谷元・元防衛庁長官らが開いたアジア外交をめぐる会合では、出席者から事件を憂える声が相次いだ。

17日には自民党の逢沢一郎幹事長代理が記者団に「靖国神社やアジア外交のあり方についての加藤氏の発言に対する悪意を持った行為なら、断固容認できない。そのことは党として改めて確認しなくてはならない」と強調している。

18日の会合では「首相が事件について何も発言しないのはおかしい」という意見も出た。首相と安倍官房長官は事件のあった15日午後から夏休みで、事件に関するコメントの発表はなく、記者会見も行われていない。(以下略)

「危険な日本になりつつある」「日本は大政翼賛的になっている。右傾化の流れはよくない」という発言を、朝日新聞は紹介しています。しかし、右傾化に組していると取られても仕方がないような言葉を発したのは、安倍晋三氏です。何回か紹介していますが、2001年に安倍晋三官房副長官(当時)は、「大切なのは何年も連続で参拝することだ。二年、三年たっても日本は軍国主義にならない。民主的な自由な国のままだ」と述べています。靖国参拝問題に関連してのテロ事件は、同友会関係者、日本経済新聞社に対しても起きています。

小泉首相は靖国参拝について、ご自身の「心の問題」と主張していても、日本の戦争は自存自衛と主張する学者と結びつきの深い産経新聞の社説が「国民を代表しての堂々とした歴史的な参拝であった」と論じているように、右翼的潮流を励ましていることは確実です。

それを安倍氏は「大切なのは何年も連続で参拝する」ことを激励していますから、右翼化に組していると取られても仕方がありません。政府の加藤議員実家放火テロ事件に対して反応がとても鈍いのは、政治体質にあると思えます。

朝日新聞8月20日の報道を抜粋して紹介します。独北部ブレーメン近郊のデルメンホルスト市で、閉鎖されたホテルを極右関連団体が買い取りネオナチの活動拠点にする計画が持ち上がっている。市と住民は計画を阻止しようと、ホテル買収のための寄付金集めを始めた。

 シュペットマン市長は「平和な市を『ネオナチの街』にするわけにはいかない」と話す。しかし、税金である市財政からは、ホテルの評価額約200万ユーロー以上は出せず、周辺企菜などに資金援助を呼びかけている。

 16日にあった抗議集会には約500入が集まり「極右進出を許すな」と訴えた。主婦ゲリンデ・シユタイムケさん(70)は「住民が団結して計画を阻止したい」という。トルコ人のタクシー運転手ナイル・キレッチさん(32)「外国人は真っ先に極右の攻撃対象になるい街に住めなくなるかもしれない」と不安がる。(以上)

ドイツは過去の歴史の清算は済ませていますが、極右勢力は移民問題で不満を持つ人たちにつけいって勢力を拡大しています。しかし、右派勢力に対する政府、自治体、大多数の国民の態度は厳しく対処しています。ここが日本と違うところです。これを見習いたいと思います。