伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

内村と個人総合

2016年08月12日 | スポーツ・体操
昨日の記事に書き足りないことがあったので付け足し。


体操個人総合の始まる前の日、
少し内村選手のスレを覗いていた。
そうしたら、ベルニャエフという名前が何度も出て来ていて、
彼が内村のライバルとされていることが何となく分かった。


ロンドン・オリンピックの時、
個人総合で内村が優勝した時は、確か、
予選で失敗した(鉄棒の)コバチを抜いていたと思う。

私のその時のブログでも、
内村はいつもの50%の力しか出せなかった、
みたいなことが書いてある。

それでも内村は優勝した。楽勝という感じだった。


その時、内村のように総合に力を入れ、
6種目そろえてこそ体操、という風潮ではなく、
スペシャリスト養成に力を入れていたからだろう。

このことも、私は自分のブログで、
2016年5月の欄で少し触れている。


中国やロシアといった体操大国は、
個人総合(オールラウンダー)などには無関心のようだった。

そして、誰も内村のように総合で、
すべての演技で標準以上という選手もいなかった。

だからいつも内村は勝ち続けた。
ほかに総合に力を入れる選手もたいしていなかったからだ。
内村が勝ち続けたのには、そういう理由もあったと思う。
誰も内村の後を追おうとしてなかった。


でも、今年のリオでは、ベルニャエフが出て来た。

体操オタの話では、彼は大きな大会で必ずミスするから…
とかいうようなことだった。

だけども、彼はリオで、絶対王者の内村を脅かすまでの存在になった。


ロシアでもなく、中国でもない、ウクライナから出て来た。

多分、内村に憧れて、または刺激を受けて、
内村以上の難度でどの種目もこなすまでの選手が育っていた。



それはとても、嬉しいことだった。
内村はもう異端ではない。
孤独ではない。
内村に続く選手が出て来た。

これからはベルニャエフが個人総合を引っ張ってゆく。
彼が内村の後をつぎ、個人総合という種目が、
体操の王道であることを、
その勝者が体操のキングであることを証明してゆくだろう。


内村が信念をもって、ひたすら自分の道として
貫いて来たことが、報われようとしている。



ベルニャエフは、内村を、ボルトやフェルプスなどと
同じ値打ちの選手と言って讃えてくれる。

彼も、多分自分がオールラウンダーであることを
誇りにしているのだろう。


しかし内村は、ボルトなどは世界の誰でも知っている、
でも体操のウチムラと言っても誰も知らない、
と言って、自分の立ち位置を冷静に判断している。

その上で、自分の名ではなく、
体操という競技をもっと世界に知らしめたいとも。



体操という競技も、フィギュアスケートと同じく
マイナー競技だ。


私はこういう、美を争う競技ばかりが好きだから、
こういうのばかりを集中的に見るけれど、
世界的に見たらどちらも単なるマイナー競技で、
テニスやサッカーほど競技人口が多いわけでもない。


だけどやっていることは、メジャーな人気競技に決して劣らない、
同じように努力して、同じようにきついメニューに耐えて、
スポーツにも、決してどれがすぐれていて劣っているか
なんていうことはないと思う。


内村はマイナーという体操競技を、
世界に、少しばかり窓を開いたのではないだろうか。



フィギュアスケートは世界の中でどんな位置づけなのか、
さっぱり分からない。

羽生はその容姿もあって、日本でアイドル的な人気を得て、
すっかり有名人になった。
日本でもっとも有名なスポーツ選手のひとりかもしれない。


日本では競技人口はともかく、
フィギュアスケートは人気競技だ。


だからといって、
羽生をメジャーな競技選手よりももっとすぐれた、
神のような存在だと考えることには抵抗がある。


でも彼は、まだ途上の選手。

彼のむき出しの闘志は、スケート選手には珍しい。

こんな選手は、長いこと見て来たけど、あまり見たことはない。


フィギュアスケートという、知らない人から見たら何だか優雅な、
お遊戯みたいな、競技なのか何なのか多分分からないようなものを、
ひょっとしたら、羽生がそれを純然たるスポーツだと
認識させる存在になるのかもしれない。

私はスケートを、優雅なお遊戯のようにして楽しみたいのだけど。
でも羽生は多分それを許さない。

そんな羽生を、おそるおそる、
私はこれからもはらはらしながら追うことになるんだろう。
こうなったら覚悟を決めて。


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COMMENT:
AUTHOR: よろ
DATE: 08/12/2016 13:32:36
主様、もう少し戦士羽生くんを見守ってくださるんですね。
嬉しい♪

数ある羽生ブログはどれも楽しい。
同じ人間を同じように愛して、こんなにも皆違うのかと驚きながらも。
「愛のあり方」を決めるのは、愛される側ではなく愛する側なんだなと。

そんな魑魅魍魎としたブログ群から、主様のブログを選びコメントしたのは、ヴィスコンティが好きだということもあったけれど、それ以上に「世選FSの背中を愛している」と主様がおっしゃったから。

私も、あの背中を「あー羽生さんが行くー」と感慨深く見送ったから。最も弱く、悲しく、痛々しく、美しい羽生さんが愛おしくて。
どこか主様と通じる感じがしたのです。

絶望と再生を繰り返しながら、羽生さんがいつか辿りつくであろう世界を、一緒に見届けてくださいな。

COMMENT:
AUTHOR: 伊佐子
DATE: 08/13/2016 10:53:32
見守るどころか、もうガン見するしかないです。
こうなったら。「なくてはならない存在」
なんですから。


羽生ファンブログは物足りない。
羽生以外何にも興味がないのかと思ってたから。
もっと広く興味を持てよと。
でも今回内村選手を何人もの人が取り上げていて、
やっぱり人の子、さすがにあれには反応するんだなあなんて
ちょっと安心したりも。

よろ様はヴィスコンティもご存じなんですか。
すごくうれしい!感慨…。

私はもう老人力が進んできて、何でもかんでも
覚えてられる年ではないのです。
覚えているのは断片ばかり。
しかしその断片をはっきりと刻んでくれた人を、
私は信じるのです。
羽生の背中はそういう断片でした…
美しかった…

COMMENT:
AUTHOR: よろ
DATE: 08/13/2016 23:46:02
若き日、夕暮れの海に向かって
「たっ~じっ~おぉぉぉ!!」
と叫んでおりました。

今はキッチンの床下収納に頭をつっこんで
「ゆっ~じゅ~るぅぅぅ!!」
と叫んでいます(笑)

アカデミックな主様と違い、基本ミーハーで申し訳ない!

そして・・楽勝楽勝の絶対王者が、今回ギリギリの真剣勝負をし、多くの人の心を動かした様子を見て、「内村の羽生化ね」と上から目線で思いました。
私、ミーハーな上に不遜な奴です(笑)
こんな私ですが、よろしく。

COMMENT:
AUTHOR: 伊佐子
DATE: 08/14/2016 10:31:46
アカデミックなんてとんでもない。
私こそ超ミーハーだけで、ここまでやって来ました。
その証拠にペーゼラ様!とか、いやまあそれは、あれだ、
ひたすら美青年を追いかけ続けてこのざまです。
あのきのこ頭が成長したらこんな美青年になる!?
それだけでまあ、その、です。
こちらこそこれからもよろしくです!