伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

バービーの近況

2008年01月29日 | 人形



最近はバービーを買うことも殆どなくなっていたのだが、
気がついてみたらバービーを入手することがすごく難しくなっていた。
見てから買う主義なので、ネットでの通販をするのが苦手だ。

バービーは、
特にサンプル写真と出来上がりが毎回違うことの方が多いので、
実物を見てからでないと安心して買えない、という事情もあった。

ちょっと前ならコレクターものをデパートでいくらでも見ることが出来た。
けれども、今やバービーを売っているデパート自体が少なくなったのと、
置いている所でも全種類のコレクターものを網羅していない。
マテルが出しているバービーから選んだものを置いているという感じだ。

トイザラスへめっきり行かなくなったこともある。
もう数年前から行かなくなった。

行かなくなってだいぶ経ってから、
それまでよく行っていた宇治のトイザラスがつぶれてしまったので、
身近に行けるザラスがなくなってしまい、ますます縁遠くなった。

京都では他に向日市にあるらしいが、
そこはもう車でないと絶対に行けないような場所にあるようなので、
私には到底行けそうにない。
宇治のトイザラスには電車とバスとを乗り継いで行っていたのだが…。

ジャズベイビーというバービーが可動式だったので、
ちょっと実物を見たいなと思っていたのだが、
デパートでは1種類しかとうとう見ることがなかった。
ロボクリスに入荷するかと思っていたのに、いつまで経っても入る気配すらない。
ロボクリスは頼りにならない、とその時つくづく思った。

だからジャズベイビーは買わずじまいだが、それほど悔しいと思わない。
もしサンプルと違っているようだったらとんだ災難だし、
1種類見たジャズは、それほど悪くはなかったけど、
どうしても欲しい、買わずにはいられない、
というほどでもなかったから買わなかった。
そうしたらそのうち、売れてなくなってしまったけど。

その時分かったのは、
デパートやロボクリスなどではもうバービーを沢山仕入れていないということだ。
リカちゃんやジェニーみたいに、ひとつが売れてももう補充することもない。
ひとつ売れたらもうお終いで、
まあすべてのコレクターバービーが既にレアものと言っても良いのだ。


そうなって来るとだんだん焦って来るのが天邪鬼の悪い癖。
欲しいと思ったバービーを手に入れるためには、実物を見てから、
というような悠長なことを思っていてはもう手に入らないという、
かなり悲惨な状況になっているのだ。
もしどうしても欲しい、というバービーが出現したらどうなるのか…。


今のバービーに不満は沢山ある。
最大のものは、ボディが硬くて可動しないということだ。
だからミサキやモモコに移ってしまったファンも沢山いると思う。
いくら新製品が出ても、あの硬いボディか、
取り出しにくい箱か…と思うと萎えてしまうのだ。


でも、バービーの良いところも沢山ある。
もっとも好きなのは、ボディが豊かで肉が詰っている、という感じな所。
上半身の大きさ、足の長さ、形、つま先立ちでハイヒールを履くと美しい所。

最近の人形は皆スリムで、おっぱいもぺたんこ。物足りない。

グラマラスなのではインテグリティのヴェロニクのシリーズがあるけど、
入手しにくい。
そしてバービー以上に高い。バービー以上に顔が恐い。
バービーはグラマラスなのに重ね着をしてもオッケーだし、ドレスが映える。

新しいものを買うチャンスがなかなかないので、
古いバービーをいじり、写真を撮り直している。
私のコレクション初期の頃の90年代のバービーは、本当に素敵でうっとり。



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銀閣寺

2008年01月23日 | 京都の社寺と文化財

銀閣寺で発掘調査が続いているようだ。
山へ向う部分に堀が作ってあったなどの調査結果が新聞に出ていた。





そうだ、銀閣寺へ行こう。
世界遺産、国宝・銀閣寺。
と思い立って行って来たのは昨年の秋。

昨年の秋、銀閣寺(観音殿)の屋根が古くなって来たので、
12月から葺き替えが行われるという新聞記事が出ていた。
ついては、当分の間は覆いがかけられ、一部が見られなくなると。
それなら見られなくなる前に行っておこうかという気になって、
行って来たのである。

修復が完了した後に行ってもいいけれど、
その時には新しくなってしまい、
古びてボロボロの銀閣寺は修繕前でしか見られないだろう。

その上、修復が完了した後だとまたいつでも行けるからと思い、
結局行かないままになってしまう気がする。
修復前のこの時期に行かなければ、
きっと私は一生銀閣寺を見ないままだろう。
見るなら今しかチャンスがない。
そう思って、わざわざ銀閣寺へ赴いたのだった。

京都人民は、このような観光地へは行かないものだ。
金閣寺や銀閣寺などへ行くという教育を受けていないのだ。

だから、京都人でありながら一生金閣寺へ行かずに
死んでしまう人が沢山いると推測する。
まさに灯台下暗し、豚に真珠、馬の耳に念仏である(違う)。

遠くから親戚が来たというようなやむをえない理由がない限りは、
わざわざ観光地へ行こうと思わない。
いまさら、という気持ちもある。
何でわざわざという気持ちもある。
だからそんなわけで、
私はその時生まれて始めて銀閣寺を訪問したのだった。
ひたすら恥ずかしい。
こんな超有名観光地へわざわざ行くという行為が恥ずかしいのだ。

しかし、銀閣寺は京都人民にはわりと評判は良い。
金閣寺のように物欲しげにキンキラキンに着飾っていなくて、
ワビやサビを感じさせる。あの古び具合に風情がある。

京都人民は徹底してシブ好み、
地味好みであるから銀閣寺を好きなのだ。





実際に行ってみると、シブいどころか無茶苦茶古びていてボロボロだった。
だがそこがいい。

裏がお山になっていて、どこまでが境内でどこまでが山か分からない。
これが京都のお寺(京都に限らないと思うが)の特徴だ。

そのお山に登って下を眺めたら、
銀閣寺の観音殿(と言うらしい)と、その向こうに京都の市街が一望できた。
素晴らしい眺めだ。
しかも、ちょっぴり紅葉もしている。
とてもご機嫌になった。




今日の京都新聞には、
修復したあとどのような形で残すかで意見が分かれていると書かれていた。
もともとは観音殿の外壁(?)には黒漆塗りが施してあったらしい。
長年の経年でそれがすっかり剥がれ、ハゲてしまったのだと。

それを完全復元するとなると、
現在のワビサビのボロボロぶりがなくなってしまう。
五百年前のものを再現するのか、ワビサビを優先するのか。

ともあれ私はいい時期に行ってきたと思った。
修復されてきれいになってしまうとしたら、
あのボロボロぶりはもう見納め、
私はとりあえずあのボロボロの銀閣寺を見ておけたのだからねェ。



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年明けに博物館

2008年01月18日 | 展覧会・絵


新年が明けてから、久しぶりに博物館へ行ってみた。

冬期には自分の美的感覚が鈍るため、
各種美術館・博物館・寺社仏閣へは出向かないのが常である。

寒くて家から出るのが億劫だという、
もっと切実な理由のためと言えなくもないが。

それでも今回、博物館がどうなっているのか、
しばらく行っていない間に
とんでもない物品が展示されているのではないかなどと不安にかられ、
常設展示無料の日に、ちょっと覗いてみる気になったのであった。

どうせ新年の浮かれた時期だからゆるい展示だろう、
とタカをくくってでかけたら、
どうして何だかすごく充実した常設展示だったので驚いた。

仏像の部屋では仏師・清水隆慶という江戸時代の仏師(初代・二代)
の特集が組まれていた。
これが面白かった。

17、8世紀の仏師ということだが、その仏像ではなく、
たわむれに作ったという関羽の像とか、大黒天とか、
千利休像などのちょっと変わった、
極彩色で作った像ばかりを集中的に展示してある。
果てはドクロ像(木造)まである。

サイズは小さく、1/6ドールサイズである。
ドクロは1/2くらい。

百人一衆という、町人達が町ゆくようすを本棚のような棚に並べたものは、
ミニチュアサイズで、
ちょうどフィギュアを棚に並べたコレクションのようで、実に興味深い。
清水隆慶という人は絶対にオタク気質があったとみた。




2階へ行くと、新春特集陳列と題して「社寺伝来の名刀」の陳列がある。
これは毎年行っているものだ。

私は刀に興味がないのでいつも盛り下がるのだが、
由来を読むと、結構かなりなものが展示されている。

目玉は毎年「伝左文字」という重要文化財の刀で、
武田信虎が今川義元に与えただの、
桶狭間で信長が義元を討った時のものだの、
それを信長が奉納しただのと書かれている。

本当かどうか分からないが、銘には信長の字が彫られているので、
信長に由来する刀なのは確かなのだろう。

そのほか、坂上田村麻呂の所持していた刀だとか
(昔のものなので反りがない)、
秀吉が奉納した刀だとかいろいろあって、
ほんとかよ、と疑いながら見る。

京都は武将とはあまり関係のない土地なので、
刀などあまり残ってないのではないかと思うが、そうでもない。
神社やお寺に奉納された刀が沢山あるようだ。


絵画のお部屋では何と若冲の特集がしてあった。

百犬図、石灯籠図屏風、果疏涅槃図、鶏頭蟷螂図など、
細見美術館以外で京都で見られる若冲の図の代表的なものはほぼ展示してあり、
驚いた。

なかでも「燕子花小禽図」は、
燕子花の茎がクネクネとありえない様子で一回転していたりして
若冲のマニエリスム炸裂、この絵は実物を初めて見たので面白かった。

「雪梅雄鶏図」も初めて見た。
若冲の中ではよくあるモチーフなのだが、
花も、鶏のポーズも見なれたものでなかったので新鮮だった。

あと「百犬図」は動植綵絵と同じくらいの大きさなので、
あのシリーズに入っていてもおかしくないよなー、
と思ったり(製作されたのは晩年だが)。

私の好きな絵巻コーナーは、
江戸時代の平安ものを描いた雅系ばかり集められていて新春らしさ抜群。

書跡のコーナーはいつもならスルーするのだが、
国宝の手鑑「藻塩草」というのが展示されているのだった。
良く分からないが、いろんな書の断片を集めたものだ。


それから「古文書貼り交ぜ屏風」というのも展示してあり、
これも有名な武将やら何やらの文書や書簡を集めて貼ったものという。
それと豊臣秀吉消息というのが何通か。

高台寺が所蔵していて、秀吉の夫人ねねに当てた手紙、というのがある。
重要文化財と書いてあったから、秀吉の直筆なのだろうか。

吉野の花見の時に読んだ和歌、というのも展示してあり、
まあ私は秀吉は嫌いだが、こういうのを見るのは楽しい。

あと千利休の消息とか、古田織部消息、
小堀政一(小堀遠州だと思う)消息などがあった。
新春だから大サービスだ。

いつも堅苦しい中世絵画の所では、
「山越阿弥陀図」という国宝も飾ってあった。
そこは新年に相応しい来迎図でまとめられていた。

結局、どのコーナーも見応えがあったので殆どスルーすることなく見てしまった。
新春陳列って、結構盛り沢山なのだなあ。
若冲はいつ見ても楽しいし、久しぶりに見たから嬉しかった。
2月は応挙・芦雪・呉春特集が、3月には池大雅特集があるらしい。
なかなか良きラインナップではないか。

そして、私のお気に入りの金戒光明寺の文殊菩薩騎獅像は
今回も展示されていたが、
3月頃にはいよいよ元のお寺の方に戻り、そこに鎮座されるらしい。
気軽に見られなくなるので
今のうちにじゅうぶん見ておこうと決意するのだった。




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女子駅伝

2008年01月14日 | 京都
京都で毎年正月明けに行われる女子駅伝。

駅伝のあった次の日の月曜日の京都新聞は、
いつも信じられないくらい駅伝の記事で埋まっている。

1面、社会面、
スポーツ面に至っては大相撲の記事はちょっぴりで、
何ページもにわたって延々と駅伝記事で埋め尽されていた。
さすが地方新聞。
だから京都新聞が好きさ。

女子駅伝はすでに京都の風物詩になっているから、
沿道で応援する人々も駅伝にすごく詳しく、
個人名で応援したりするという。

アンカーの人が、記録狙えるぞ!という沿道の声援で、
記録更新ペースで走っていることを確認したという談話をしていたが、
これってもはや反則ではないか。

野口みずき選手が走るアンカー9区帰りの沿道には
早くから沢山のファンが詰め掛け、待っていたというし、
そんな沿道に陣取っている素人のおっちゃんが、
脇田だの赤羽だの、京都以外の選手の個人名を知っていて、
普通に応援したりしていて、とにかく素人までが駅伝に詳しい。
詳しすぎるくらいだ。

私は京都の選手の、
立命館宇治高校の竹中理沙ちゃんのファンだ。
中学生の双子ちゃんも可愛かった。

この女子駅伝のせいで、
同時期に行われる三十三間堂の通し矢が霞んでしまうのが少し悲しい。
ニュースで見ていても、片隅になってしまってる。
でもあの通し矢もなかなかかっこいいんだよ。



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橋口五葉という画家

2008年01月13日 | 展覧会・絵
橋口五葉という名前は、夏目漱石の本の挿絵や装丁で知っていた。
多分明治の挿絵画家だろうと思っていた。
漱石好きなら外せない、というか、ごく自然に覚えてしまう名前だ。
「我輩は猫である」の装丁や、「倫敦塔」の挿絵などを担当している。
「我輩は猫」の挿絵の方は中村不折という人で、
この挿絵も楽しくて記憶に残る。


教育テレビで橋口五葉の特集をしていたのが、
何気なく面白かった。

五葉は、漱石との関係からラファエル前派を吸収していたというか、
影響を受けていたというようなことは少し驚きだった。
漱石のロンドン留学を契機に、
明治の日本ではラファエル前派が少し知られるようになったのだと思う。

例えば青木繁の「わたつみのいろこの宮」という作品は、
明らかにラファエル前派を思わせる。

同じプレラファエルでもロセッティよりは
バーン・ジョーンズの感じなのだが。

青木繁の「わたつみ」は、画風が硬直しているのであまり人気はない。
というか、あまり評価されていないように思う。
青木繁で有名なのは「海の幸」みたいなワイルドなものだろうから。
でも私はロマンチックな「わたつみ」が結構好き。
ま、モロに私好みだと言えようから。
夏目漱石も「わたつみ」を評価していた。
うむ、私と似た好みじゃ。


漱石は美術が好きで、美術批評もかなりしている。
ロンドンへ行った時にテイトギャラリーや、
ナショナルギャラリーだっけ?
もちろん大英博物館も、そういう所へ入り浸って、
当時の英国の美術をじっくり見たはず。

「坊ちゃん」にも『ターナーの絵みたような』というフレーズがあったね。
ターナーはもちろん英国の風景画家だ。
そんなわけで漱石は美術にも詳しく、
橋口五葉はそんな漱石に評価されていた。


それ以外に五葉のことを知らなかったのだが、
「日曜美術館」では、版画を使った大正版浮世絵のようなものを
五葉が製作していたことを紹介していたのは驚いた。
五葉は装丁作家としてだけでなく、
ポスターの美人画、版画による裸婦像でも有名だったのだという。

何が驚いたと言って、
版画を作るために製作した膨大(?)な数のスケッチが残っていることで、
それは全裸の女性(大正時代の日本髪ふうの女性)ばかりを描いていることだ。

画家なのだから裸婦を描いてもおかしくはないのだけど、あの橋口五葉が?
という思いもあるし、また、その裸婦が凄いポーズを取っているのよ。

どちらかと言うとラファエル前派というより、
クリムトとかシーレみたいな危なさなのだ。
ぎりぎりなの。

でもぎりぎりではあるけれど、いやらしくはない。
ものすごく大真面目。

ものすごく大真面目に女性の美を追求した人なのだろう。
上村松園のような女性像であって、媚を売る女性ではない。
女性の顔はとことん美しく、どこまでも美しく描いてある。
女性に対する優しさが感じられる。


女性のヌードを描いた絵は沢山見たが、
男性画家が女のヌードを描く時には、
たいていが下心が透けて見えている。
クリムトしかり、ポール・デルヴォーしかり。
それがその画家のいやらしさという個性になっている。
女の裸を見て興奮しない男性はいるまい。

五葉先生だって、
女性の裸の描線を驚くほど冷静に正確に描いているが、
女性の裸体を見て、絶対嬉しかったはず。
あまりに冷静なので、とてもそうは感じられないけど。

大正時代に、浮世絵版画に賭けた情熱は素晴らしいと思った。
作品の見事さにそれが結実している。




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