一風斎の趣味的生活/もっと活字を!

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追悼・ジョルジ・リゲティ氏

2006-06-15 10:17:09 | Non Section
昨日(6月14日)の岩城宏之氏とは異なり、ジョルジ・リゲティ氏は、クラシカル音楽ファンでも知る人ぞ知るといった存在。
もともと、現代音楽に興味がない向きは、名まえすら聞いたことがないかもしれない。

けれども、かえって映画好きの中には、『2001年宇宙の旅』(S. キューブリック作品)で、彼の『アトモスフェール』『永遠の光』などを知っている人がいるかもしれない。
ちなみに、この音楽の使用料がなかなか支払われなかったことでも有名。おそらくは、監督よりもプロデューサーの責任なんだろうね。


そんなリゲティ氏は、ハンガリー人(ルーマニア領のトランシルヴァニアバルトークの民謡採集の重要なフィールドだった場所)で、1923年の生まれ。
1956年のハンガリー動乱で、西側に亡命するが、それ以前の作品には、『ムジカ・リチェルカータ』(1951 - 52) という傑作がある。
この作品に関して、ご興味のある方は、こちらをご覧いただきたい。

亡命後は、先程述べた『アトモスフェール』『永遠の光』などを作曲、最近ではアフリカの音楽に影響を受けたポリリズムの作品(中央アフリカに住むピグミー、アカ族の合唱とスティーヴン・ライヒの作品、そして彼の『ピアノ練習曲集』とを、ほぼ交互に収録したアルバム『アフリカン・リズム』がある)を発表していた。

2006年6月12日、ウィーンにて死去。享年83。

謹んでご冥福をお祈りもうしあげます。合掌。