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美智子の失業 16

2025年04月16日 20時16分24秒 | 美智子の失業
 一時はこれでゲームオーバーだと諦めた私だったが、今度は逆に美智子からサインらしきものが送られている気がして、また虫が起きてきたようだ
二人きりでもう一度、話をしてみたいと思うが、とっかかりがない
いったいどうしたものかと、あれこれ考えてみた、そして「これだ」と発想が閃いた。

 翌日の朝礼で私はみんなに伝えた
「あと一か月でお盆商戦に入るが、その前に少し早いが納涼会を行おうと思う、全額会社もちで行う」
そう言うと、おばちゃん連中は嬉しそうな表情になって、「いいですね~」と声をそろえた
それで一週間後の土曜日の夜に中華料理店の貸切部屋で行うことにした
これで忌憚なく美智子と話ができるというものだ。

 瞬く間に一週間は過ぎて納涼会の日になった
大きな円卓は10人掛けで、我々は7名だから十分余裕がある
私の左右は店長と最古参のおばちゃん山中さんが座った
美智子は私の真正面の席だった、男は私と店長の二人だけだ
私がお盆商戦への激励を行って、生ビールで乾杯した
やはり夏だから生ビールがうまい、私はおかわりも生ビールにした
ビールだと日本酒に比べると楽だ、酔いが遅い、今日は美智子に大事な話があるから、それまで酔うわけにはいかない。

 私は時々、美智子の顔をチラ見しているが、美智子は少しもこっちを向かずに左右のおばちゃんたちと話している
料理が次々と運ばれてくる、結構量が多いので、私はここでビールを辞めて紹興酒に切り替えた
すると美智子が突然、「あっ、紹興酒、社長わたしもいただいていいですか」と言った
私は驚いたが、「ああいいとも、手伝ってほしかったんだ」と言って美智子の席まで持って言った
すると美智子の隣のおばちゃんが、「社長、席チェンジしてもいいですか」と聞いた
私にとって願ってもない言葉だだったから、「ああいいよ、交代しよう」
それで私は美智子の隣に座った
やはり酒はありがたい、昨日までのぎくしゃくした二人の態度が軟化していく気がする
ごく普通の会話を美智子としていた、お互い話したいことはあるが、この場では話すことはできない
それでもいろんな話をしていくうちに気持ちがつながっていく
時々、笑みも見えて、いい感じになってきた
やがてお開きになり、私はこのまま帰るわけにはいかないので、「このあと二次会に行くが、皆さんはどうしますか」と聞いた
すると、おばちゃん店員三人と事務員は帰ると言い、店長と美智子は二次会に行くと言った
それでタクシーを呼んで二次会のスナックまで三人乗り合わせて行った
時間はまだ9時、夜はこれからだ。

 「社長、今日はこの店、珍しく客が多くてなかなかカラオケの番がまわってきませんね」とカラオケ自慢の店長が言った
「そうだな、二次会はカラオケ大会みたいなもんだからな、店長は歌が好きだから、ここは切り上げてカラオケに行こうか」
店長の目が輝いた、「いいですか」「ああ、いいよ」
「みっちゃんも良いだろう、もう少し付き合ってくれる?」と店長は、自分の歌を美智子に披露したいようだ
「いいですよ」と美智子も快諾した
二次会のスナックを1時間できりあげて、私たちはカラオケボックスへと向かった。









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