のんびりかな打ち日記  ini's blog

NikonD7100やSonyRX100M3で撮影した画像と日々の出来事を“ かな入力 ”でのんびり綴るブログです。

川の深さは

2007-06-10 22:23:47 | 通勤快読
あなたの目の前に川が流れています。深さはどれくらいあるでしょう?
下の四つから直感的に答えてください。

1.足首まで。2.膝まで。3.腰まで。4.肩まで。

福井晴敏さんのホントのデビュー作品です。
経歴上のデビュー作は乱歩賞を受賞した「TwelveY.O.」になっているそうですが。

デビュー作というだけあって荒削りではありますが勢いで読ませてくれます。
話の終盤は爆発満載の“ダイハード”みたいと言ってしまえばそれまでですが、全般に著者独特の国防に対する考えや、ぬるま湯的、危機感が希薄、平和ボケしていると言う日本国民に対する警鐘が登場人物の内に向けた言葉や思いの中に湧き出るように書かれていて特にそういう部分には熱がこもって書かれています。

福井さんの作品は「6トゥエイン」「TwelbeY.O.」しか読んでいませんが、いずれも中心に登場するのが「市ヶ谷」と呼ばれる自衛隊裏組織で主人公はなんかの拍子で任務に背いた特別優秀な元隊員だったりします。
その意味ではダイハードより元グリーンベレーの優秀隊員が主人公(シルベスタスタローン)の映画“ランボー”の方が似ているかも知れません。

実際日本の自衛隊には第1空挺団とか海上保安庁のSSTとか、はたまた警察にも各都道府県警察の刑事部捜査一課に存在する特殊捜査班のSITとか、先日の立てこもり事件で若い隊員が殉職された特殊急襲部隊SATとか、とにかくいろいろあってその内情についてはベールに包まれていたりするので、上手くオーバーラップして想像を掻き立てます。

でもストーリーのメインはそれら特殊部隊のアクションや戦闘部分ではなくて、そういった組織と政治家のつながりとか、諸外国との駆け引きやエゴから生まれる「任務」そのものなんですね。そして日本の自衛隊の存在意義やあり方を問う作品になっています。

ところで最初の問題はタイトルになっている作品中で引用されている心理テストで、情熱度を表してるとのことです。(テストとしてホントかどうかは知りませんが)
1.を選んだ人はあまり情熱のない人、2.は情熱はあるにはあるけど理性の方が先に立つ人、3.はなんにでも精力的で一生懸命、いちばんバランスが取れている人、4.は情熱過多。暴走注意。
作品中の熱い登場人物はもちろん4.を選びます。
ちなみに私は2.でした。