日本遺伝学会は「優性」や「劣性」という用語を、優性を「顕性」、劣性を「潜性」とすることを決めた。遺伝子に優劣があるというような誤解を避けるためだ。いいことだと思うが慣れるまで戸惑いそう。
この顕性・潜性遺伝で身近なものに耳垢（ウェット、ドライ）あり、湿っている方が顕性（エエッ？）らしいが、私の耳垢はドライで潜性、カラッカラで耳穴がすぐ痒くなる。もう今からでは遅いが両親（死亡）の耳垢がどうだったのかな？でも日本人の70～80％はドライタイプらしいので人種により顕性、潜性が異なるのか？。ニグロイド（アフリカ系）とコーカソイド（白人系）の耳垢はウェットが多いようだ。モンゴロイドの私の姪（たまたま遺伝子研究者）はコーカソイドと結婚し２人を出産したが、子供の耳垢はやはり顕性ウェットかな？
巻き舌ができる（顕性）・できない（潜性）があり、実は私も中学３年の時、担任の田中先生指導の下、数人の生徒グループで、全校生徒(600人）と家族の巻き舌調査をしたことを思い出した。家系図（祖父母、両親、兄弟）に巻き舌ができるかできないかを調査票に書き込んで貰い、メンデル法則に従い、純系顕性（AA)、純系潜性(aa),雑種(Aa)を辿った（仮定）した経験がある。熊本大学から努力賞が送られ、その膨大（６００家族＝約４０００人）なデータは評価されたが、一組の両親の子孫数（平均３～４人）が少ないし同時に誕生していないので傾向は観察されるが正確に結論に至るものではないとコメントされた記憶はある。今でも憶えているが、４人の子供の３人が顕性、一人が潜性、両親顕性、祖父顕性、祖母顕性の家族がいて、カメラを持って全員の写真（下の画像のような）を撮りにいった。祖父(AA)、祖母(aa)、両親(Aa)、子供(AA,Aa,Aa,aa)と結論づけたが、祖父母の両親（死亡）、母方祖父母まで追跡すれば私たちの推論はかなり正確性に近づけただろうが、果たしてそれぞれの両親が（母親の主張だけでは）血縁である証明はできていない。写真を撮らせて貰った同級女生徒、巻き舌にして貰いファインダー越しに30-40cm近接近したとき、かなりドキドキ（私が）したのを覚えている。
遺伝は先天的であるはずだが、後天的に獲得された形質が次の世代で発現することもあるようだ（エピジェネティック）。
第２次世界大戦終焉間近、オランダ西部で食糧不足で飢餓状態の中、4万人の新生児が低体重で誕生した。その後母体の栄養不足と子孫の長期的な健康影響調査の結果、栄養不足母体から生まれた子どもたちは成人後は高い確率で肥満となり、糖尿病、高血圧、心血管疾患、微量アルブミン尿症などの病気を発症していた。さらに同じ健康上の問題は、孫の世代にも認められた。私は個人的には終戦後オランダの食生活が豊かになりチーズ（一人平均年間消費量約20kg！日本は2kg）など動物性脂質の過剰摂取が原因ではないかと思っているが？オランダ人の平均身長、女性171cm男性184cmは驚異！ちなみに平均身長が高い国１５位まで西洋、低いのがアジア、南米、アフリカで、当然遺伝子で受け継がれるが、母体や子供成長期の栄養（成長ホルモン）が大きく影響する。日本人も過去５０年で10cmも伸びているが、ある研究によると身長が低いことと平均余命が長いことには相関関係があり、低身長の人は低血圧である可能性が高く、がんになる可能性は低い。身長が低いことも悪くはないが、困ったことに女性は背の高い（またはお金持ち）男性をパートナーとして選ぶ傾向にある。
環境が生物の進化に影響するのは分かるが、私の疑問は、わざわざ寿命を短くするような悪い健康特性（糖尿病、高血圧等）もなぜ遺伝するのか？
知能も遺伝らしいが、でも努力にまさる天才なしのことわざにあるように、最終的には多くの情報に触れ、理解し、応用、そして一番大事な地道な研鑽（努力）を積み重ねた人が成功しているようだ。一流スポーツ選手はもともと抜群の運動神経（筋肉）を親から譲り受け、その上並々ならぬ毎日の努力を重ね超人的な記録を達成している。私は小学低学年では短距離は遅かった（遺伝的運動神経なし）が、小５より野球をやり毎日走り続け中３では学校で短、中、長距離走では一番速くなっていた。しかし、このエピジェネティック情報（そこまで到達していない！）は子供に受け継がれなかったようだ（それとも運動音痴自慢母親の遺伝か？）。私の４０歳代からの難聴は確実に母親（超難聴）からの遺伝である。その証拠に兄弟皆難聴で、兄弟同士で会話する時は喧嘩腰の大声で喋るか、聴こえたふりして黙っている。補聴器を装着すればいいが、金がないのかまだ誰も付けていない。
私は家内の言っていることが度々理解できないことがある。これは聞こえないのではなく、主語、動詞だけでなく目的語もなく想像力を超える発言があるからだ。いきなり「ドウなんの？」「？」「聞こえてないの？」。
今、日本は３５度以上の酷暑が続き熱中症が多発している。これが数年続けば、きっと日本人はエピジェネティック遺伝情報で地球温暖化を生き残る種族に進化する。
