写真日記

朝
朝にならなければいいと
ひとり眠りながらおもう

街灯と秋の色
ビルディング
夜にも流れる雲
中央線

夜
風が冷たくなってきて

ハレーション

今日、
ずっと六本木の地下のスタジオで撮影だった
外はものすごいいい天気だったというのに
僕は地下にずっといなくてはならなかった
モグラはサングラスをかけて
太陽の光を浴びたかった

ずっと前から
何度も撮影している
少し有名になってきたタレントさんと話をしたら
「なんか変わりましたよね」と言われた
僕は昔から比べて雰囲気が変わったということらしいけど
それはそうかもしれない
ほとんど変わってないのだけど
変わった部分もあるはず
振舞い方や格好は意識して変化して成長しているはず
でも誰でも少しずつ変わっていく
無名だったタレントさんもどんどん有名になっていく

空がものすごい晴れている
ビルの隙間を雲が流れていく

仕事が終わるのが夜の10時を過ぎる
そんなのあたりまえだよと言う人も
たくさんいるかもしれないけど
１ヶ月で１回も休みなしで働いている人は
なかなかいないかもしれない

さっき出前のレバニラ炒めを食べた
一日中スタジオで立っていたせいか
足がすこし重たい
写真データの数が半端ではない
辛うじて把握しているけど頭が重たい
レスポンス指示に追われる夢をみる

羊の数を数えて眠ろう

朝
起きると
ひかりが
カーテンの隙間から
部屋に溢れていた
重たい身体を起こして
顔を洗って
歯を磨いて
病院に行こうと思ったけど
もう仕事に行かなきゃいけない時間で
自転車で坂を下った
坂を上るところで
人が向こうからたくさん歩いてきたので
ひとりひとり睨み倒して
なんとか坂を上りきった
途中たくさんいいひかりがあったのだけど
今日は写真を撮らない
カバンの中にカメラが入っているけど
それを取り出す余裕なし
写真を撮るというのは
とても力のいる作業なのだなと
改めて思う

もし去年の今頃撮った写真と
同じだったらどうだろう
目覚まし時計が５分ごとになって
僕を脅す

遠い記憶

永遠に忘れることのない
一瞬の出来事
空には虹まで架かっていた

遠い記憶

いろいろのものを食べていた

遠い記憶

不思議な味がする

バランスが崩れていく

ものすごく耳が痛い
急にお腹が痛い
健康でないと写真を撮れないし
撮りたくもないVTRを撮り続けなくてはならない
皮膚に湿疹が出てくる
頭が痛い
写真が下手になっていきそうで
本当はもう逃げたい

などと書くと読んでいる人がいるので
変な風に思われてしまうけど
事実だ

気持ちのいい写真を撮りたいだけなのに

詩３２

僕はそこにいる
いるというだけ
それ以上でも
それ以下でもなく
だから僕はそこにいたくない
それ以上でありたいから

せめて耳だけでも治るといいのに

僕の住んでいるマンションの
屋上の扉にはいつも鍵がかかっている
でも最近
エレベーター工事をしているので
はじめて扉が開かれているのをみた
屋上の手前には洗濯機があるのだけど
洗濯をするふりをして
開かれた扉から屋上に出てみた
むこうの空に
新宿副都心のビルディングが見える
そういえば
市ヶ谷に住んでいるのだけど
住所は新宿区だった
西新宿は結構好きで
夜に写真などを撮りに行くのだけど
遠くに霞んで見えるビルディングがせつなくていい感じ
中野や高円寺辺りから見える新宿にも似ている
そんなことを考えながら
洗濯をする
あいかわらず
生きているかぎり
洗濯洗濯の繰り返しである
選択選択の繰り返しでもある

耳がふわふわと痛いので
なんだかしっくりこない日々ではある
誰かが歌っていたけど
まったく平和な日々なのかもしれない
円の中で回り回っているだけ
目を閉じて眠ればいいだけ

エレベーター工事をしているので
僕は５階まで階段を上る
こんなことならほんとは奥尻島の山頂でも目指したいけど