写真日記

夕方
夕日を眺めながら
沖縄に住みたいなと思った
今の仕事を辞めて
カメラを片手に写真を撮りながら
仕事はしないで
気の向くままに
ぶらぶらしていたいような
そんなことを本気で思って
そうしようかと悩んだ

夜
月が出ていて
堤防に上って
海を眺めていた
雲が流れていて
どこからか
沖縄の音楽が聞こえてくる
でも僕はここに住むのもどうかなと
なぜだか思った
ここは沖縄で
美しい海があって
空に雲が流れ
風が吹く

でもここは
イメージされすぎていて
旅の人たちがやってくる
僕はなんだか
島を荒らされているような気分になり
それが僕なんだとも思う

踊りあかす夜を過ごす人もいれば
電気を消して眠る人もいる
さびしくホテルの部屋で
見たくもないTVをつけて
天井を眺め
自分の未来を思沈する人もいる

旅の記憶

僕は窓から外を眺めている

遠い異国をまた思い出す

記憶の断片を拾い集める

ニューヨーク、
空港からマンハッタンに向かうハイウェー

四万十川の沈下橋

ルン村まで１時間の馬上からの草原
タウガ、ニガ、ソウチェの後ろ姿

サイパンのウイングビーチ

台湾の中興新村
倒れた大きなビルディング

佐多岬

鳥取砂丘の疲れた駱駝

チンギスハンホテル

福建省福清

上海第一百貨店の最上階の小龍包

海老名SA

今治の赤い灯台

尾道の渡船

マリブビーチ

武蔵境

小畔川

名護城跡

今日はここににいて

明日はどこにいる

空ばかり

それでいい

がじゅまるを見にいくだけのつもりが

調子に乗って
名護城跡の上の山のテッペンまで上っていた

タクシーのおじさんがずんずん行くから
まあいいかと

名護が見渡せた

海があった

朝
ホテルの横に止まっていた
タクシーに乗り込んで

大きなガジュマルの木を見に行った

道の真ん中に

目隠し

もう古木の大木は
自分だけではその身体を支えきれず
つっかえ棒が幾重にもされていたけど
３００年も生きたんだという

堤防の上を歩く

向こう側の海に飛び込みたい

首の後ろが日焼けで痛い

夜の電球

雨粒

島ぞうりに
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