写真日記

本日、無事帰国することができました

本来なら20日に日本に帰ってくる予定だったのですが
アイルランド火山噴火の影響で
ヨーロッパ中の空港が閉鎖されて
飛行機が飛ばずに
ようやく10日間も遅れて
無事に飛行機が飛んでくれました

約1ヶ月ぶりに我が祖国の地に降り立ったとき
何とも言えない感慨深い思いがしました
おおげさではなくて
いつ帰れるかわからなかったから

永久凍土の大陸の上を
飛行機が朝に向かって飛んでいるとき
日の出の瞬間に出会いました

なんだか不安な夜が
明けていくような感じがしました

それにしても
仕事関係の人にはご迷惑をかけてしまいました
いくつかの素敵な撮影の仕事を
飛ばしてしまいまして
悔しい思いです

本日無事に帰国しましたので
明日からまた通常通り業務を行って参ります
よろしくお願いします

と、
さっそく仕事の方々に
ただいまの電話を入れたら
それじゃ明日撮影頼むねーって言われたので
おお素晴らしいなぁって感じ
帰ってきたからゆっくり休めよーじゃなくて
撮影してよーって頼まれるのは
なんともカメラマン冥利に尽きるというものです

それと友達
たくさんメールを頂きましてありがとうございます
どうしようもない異国の夜に
友達のことを想いました

i love U

小さな飛行機は東へ東へと少しずつ進んでいく

フライトマップを眺めては
窓の外の遠くの赤い光を眺めている
空はもう青く深く
空の下には雲が連なっていて
永久凍土の大陸の大地は見えない
きっと氷の川が流れているだろうけど
朝を伝えるように飛行機は朝に向かって飛ぶ
僕は眠れないので、小さな画面で映画を観ている
頭が冴えているわけでもなく
つかれているのに眠れないのだ
日本にもどるということがうれしいようなのだけど
なんとなく不安もある
いや、僕には場所もないのだろう
じぶんがだれかわからなくなる
さっき飛行機のトイレで鏡をみた
僕は赤い顔をしている
なにか不安だから、わざわざmacbookを鞄から取り出して
闇の中で文字を打っている
みんな眠っている
日本の時間でAM4:41
いまフライトアテンダントのフィンランド人が
オレンジジュースをくれた

キエフの空港で長時間待っているとき
宮沢賢治の銀河鉄道の夜を読んだ
とぎれとぎれに読んだ
鳥捕りの話のところで
心が揺れた
ポケットに入っていた
残り全部のグリーブナーで
マトリョーシカのキーホルダーを買った
売店のジェーバシカは笑いもしなかったけど

それにしても、火山灰のせいで
日本にいつ帰れるかわからない状態だったので
日本にカエルのが待ち遠しいのだけど
なぜかものすごく不安がある
帰ったら休もうかと思うけど
どうなるかはわからない
いろんな人に会いたいような気がする
なんだろう、遺伝子的なシグナル？

ああ
いま朝日が生まれたのだ
この赤い光のうつくしき
光を僕はあびる
目から脳みそに突き刺さる
ああ、よかった
朝になる
僕は生きよう
ああすばらしい　日の出
ありがとう
すこしあんしん
またやってけばいいのだ
心を込めて一生懸命生きればいいのだ
愛だ愛だ
生きよう
とりあえず、日本に向かっている
我が祖国
帰ったらお風呂に入ろう
それでまた考えよう
love

飛行機が朝にむかって飛んでいるのだ

2010 4 30 am454

帰国予定を
一週間以上overしているのだけど
ようやく
帰れる方向に向かっていく
今、夜の12時で
これから帰路に着くのだけど
まずはbusに乗って7時間くらい走って
飛行場を目指します
それで飛行機に乗って
フィンランドに向かいます
乗り換えをして
東へ東へ
２日間くらい移動しているのだろうな
とりあえず
飛行機が飛べばいいけど
もしダメなら
ムーミン谷でも見に行くことになるようです

火山灰に巻き込まれないように
祈り願い

それにしても
たくさんの人と出会って別れた日々
笑っている人もいたし
泣いている人もいた
言葉が通じなくても
笑ってくれればいいなと思う
すこしでも心に触れることができれば
なるべくなら気持ちよく
楽しい思い出になってくれればいいなぁと
自分勝手な淡い期待だけど

すべての出会いに感謝
スパシーバ

С.МАРЩАК

市場で埃まみれに積まれていた
古本の中から見つけ出して
CCCPという記号と
1964という年号に引かれて買いました
マルクスだったらいいかなーと思ったけど
たぶんマルシャクと読むのだろうな

意外といい値段だったので
ちょっと迷っていたけど
決め手になったのは
その本をペラペラと捲ってみていると
一葉の葉書が挟まっていたのを発見したからでした
CCCPの消印が押してある絵葉書で
宛先も内容も理解出来ないけど
なんだかとても物語的な展開で
心地よく嬉しくなりました

世界は日々を旅をしているのです

茶色く焼けた小さな本を
鞄に詰め込んで
現実に戻れば
押し流されて忘れてしまうのだろうから
僕は写真を撮りました

光は脳まで突き刺さるような気がした

疲れが溜まっていたのか
変な時間に眠ったので
変な時間に目が覚めてしまった

ヘッドフォンで
古い歌を聴いた
時代のカリスマの言葉が気持ちよかった
ますます眠れなくなった

目で見ている光は
たぶん脳ミソまで届いているんだろうなと
なんとなく思った
当たり前と言えばそうなのだけど

言おうとしていることはというと
なにをみているの？ってこと

ちがうな

言葉も難しい

おばあさんとおじいさんが
家の前で花を売っていました
ちょうど光の中で
チューリップ綺麗ですねと笑うと
笑い返してくれたので
写真を撮らせてくださいと言うと
また笑っていました
撮った写真を見せてあげると
これをいくらで売ってくれるのですか？と言うので
とんでもない、差し上げますというと
とても喜んでくれて
紙に住所を書いてくれました

僕の写真の原点的な作業
写真を仕事にすると忘れがちだけど

チューリップが咲いています

アプリコットの花

桜にとてもよく似ているので
なんとなくセンチメンタルな気持ちで眺めています。
たぶん日本人しかわからないだろう感覚。

それにしても
ヨーロッパからみると
日本という国は端っこにある小さな島で
とても遠い存在に感じます。
そんな小さな国で小さなことを気にしながら
毎日を忙しく生きているのだと思うと
ちょっと世界観が変わるような気もします。

不思議なものです。

花は咲き
やがて
散り

嗚呼華恋

暇つぶしのヒヤカシで
マトリョーシカの値段を聞いて回るのも飽きたので
ヘアメイクのNさんに
写真を撮って貰った
写真を撮ることばかりで
写真を撮られることが
なかなかないのだけど
撮ってもらうと
撮られる気持ちがわかるので
なんだか面白かった

もっとカッコよくなりたいなと思うのだなとわかった
整形したほうがいいかもしれないけど

それにしても
最近、鏡をあまり見なくなったので
写真を見て気がついたのだけど
すごい髪の毛だな
あと顔も

まあそれにしても

写真を撮るもの面白いけど
撮られるのもかなり面白い