写真日記

彼岸に咲く花

あまりこの写真を見てはいけないはず

バランスが崩されて
酔ってむこうの世界に引き込まれてしまうから

回転軸の中心から

さびしいボール

雨は降らないはず

僕は誰もいないグラウンドで
闇の中でボールを蹴る
すべて蹴り尽くしてしまいたい
ぬかるんだグラウンドを僕の足跡で覆い尽くし
ボールを自分の足が壊れるように強く強く蹴りこむ
軸足は皮膚が破けるくらい地面に食らいつき
身体がバラバラになるくらい走り回る
雨がさらに激しくなる

雨は降らないはず

１戯言

もうなにがなんだかやすらぐことがなくて
狂っていることばかり
耳はあいかわらずよくならないし
顔中に湿疹が出始める
仕事はひどくつまらないし
しゃしんも下手になりそうで
体力も気力も奪われ
休みはなくて
私生活もうまくいかず

ならばボクはイキタクナイ

闇の部屋の隅っこに隠れていたい
ほんとうにほんとうは

２空

写真はすぐに古くなり
古い写真はつまらない
思い出なのよと誰かが言うけど
僕には声が聞こえない


３喜劇

よわねをはきたくはないが
なみだがでる
まくらにたらたらとたれるので
ふとんにくるまった
まどをぜんかいにして
あめをあびる
つたわらないおもい
ことばはうそ
しんじることでしつぼうして
しにたくなるのだ
ぼくははれためで
あしたのしごとにむかう
まあどうだっていいのさと
しぶんをころすこともできるけど
ぼくはしない
ぶっちぎってあたりちらしたり
はめつしたりぱんくしたりする
ぬすんだばいくではしりだしたり
きんぞくばっとでまどがらすをわりまくりたい
ねがまじめなのでしないのだけど

すべてぶっちぎってしまおう

かこのしゃしんにいみはない


４今夜

今夜
昔からのグラウンドで
球を蹴った
台風だというので
誰も来なかったけど
照明もつけてもらえなかったけど
闇の中でひとり
球を蹴った
すべてを蹴り飛ばしてしまうように
球を壁に蹴り込む
壁を倒すくらいに
跳ね返った球の音
まるで銃声のようで
遠くで犬が吠えている
グラウンドはぬかるんでいて
僕は座り込んで雨にウタレタ
雨が激しくなってきて
僕はまだ闇の中にいる

AM8:05那覇発の飛行機で
東京に帰ってきた
ひさしぶりの東京にいる

東京はなんだか肌寒いくらいと
誰かが言っていたけど
まったく蒸し暑くて
沖縄よりもべとべとしている空気

戻ってきて早々に
秋葉原に行った
長い撮影で疲労し
割れてしまったカメラの修理
あと10日後くらいから
今度はシンガポールに行かなくてはならないので
修理の人にプレッシャーをかけて
なんとか間に合わせるように圧力

バイクで東京を走ると
さっきまで沖縄にいたので
なんだかその変な感覚で
少し興奮して
ビュンビュン飛ばす
信号無視を繰り返す
秋の交通安全月間なので
白バイがたくさんいるので
注意が必要です

さっき水道の水を飲んだら
金魚の味がした

明日からも休みなく
早朝から仕事の嵐で
僕はあいかわらず

さっき沖縄
いま東京

Naha tollgate of a highway

黄光灯

蛍光灯

夜、西町、路上

着陸の問題