安物の箸でくずせば卵黄のあまい嘆きは粘りをおびて
朝な朝な綻びながら綴じながらただ負けたくてここにいること
分かつまでどれほどの雨 街路樹の枝の傷みにふれることなく
搗色に深まりながら手荷物のツバメノートをひらく男よ
裂け目から鮮やかな香がたつことの、木のかなしみを言わせたいのか
眉尻をあげて遮る一瞬を驟雨のように性はよぎって
白湯で溶く蜜のぬめりのどんなにかくるしいだろう ふゆがはじまる
安物の箸でくずせば卵黄のあまい嘆きは粘りをおびて
朝な朝な綻びながら綴じながらただ負けたくてここにいること
分かつまでどれほどの雨 街路樹の枝の傷みにふれることなく
搗色に深まりながら手荷物のツバメノートをひらく男よ
裂け目から鮮やかな香がたつことの、木のかなしみを言わせたいのか
眉尻をあげて遮る一瞬を驟雨のように性はよぎって
白湯で溶く蜜のぬめりのどんなにかくるしいだろう ふゆがはじまる