北緯43度

村上きわみの短歌置き場です

「未来」6月号(2018)

2018-07-07 | 未来

系譜から逸れたがるひと胸もとに辛夷の花をぼうと灯して

古樹なのか老翁なのか濁り江に身をせり出して影をなすもの

怒りちいさく芽吹く夜半をびらびらとはみだしながら下る坂道

ふゆの根を踏みゆくこども長靴にムーミントロールをねむらせて

爛れつつとどまりながら陽光は今朝みずうみの氷を剥がす


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