(誰よりもむごい手順で)恋人よわたしのSIMカードを抜きなさい
日毎夜毎たましい売りがやってきて囁く「如何程さしあげましょう」
早春の深みにはまる遊びからはじめたい泥とひかりを混ぜて
驚いているのか、お前泣きたいか? 傷から蜜がしたたっている
母の母の母をかなしむ鴇鼠の時代絹はつかに瀞むまで
花に似た深い亀裂を抱いている(おわり、はじまり)点炭をつぐ
果て口に立てかけられた一本の斧がうつくしい 加わろう
散りましたねえと囁く声がして捲っても捲っても雪月花
あかるい釘と暗い釘とが隣り合うこの塀はたいへん真摯です
今様の歌にうぇいうぇい遊ばれて真夜中の舌ったらうれしそう