少しずつ遅れて響く真冬日の肉体というさびしい音叉
電線を風がなぶっていることを今日の至りとして記憶する
口数のすくない暮らし軒下にひとかたまりの雪腐らせて
睦月尽 負けてひらいた感情のふちに小さな氷柱がさがる
吐く息がまつげを白く飾るまでふゆのいきものたちの集いは
アーモンドグリコひとつぶてのひらにのせてくださる 小さいひとよ
けものけものにんげんけもの唇音をねばらせながらどこへ行こうか
こじらせたままのからだで落下する(ようこそ)冬のボトムに触れる
あたらしいゆきがつむじを濡らすからあなたは先にお帰りなさい
水密扉とざしてすごす一日をHushaby, my dear群青の船