体からうすくこぼれて草笛は終の一音までみどりいろ
家族だから くるしい声を出さないで馬鈴薯を鍋ごとゆさぶって
古賀さんがくれた木耳ぎゅるきゅると泣いてばかりだな、ろくがつは
離りながら親しみながら雨の日は雨にかなっている柳の木
羅紗紙にとどめをさして折りたたむ 大丈夫、鶴にはしないから
体からうすくこぼれて草笛は終の一音までみどりいろ
家族だから くるしい声を出さないで馬鈴薯を鍋ごとゆさぶって
古賀さんがくれた木耳ぎゅるきゅると泣いてばかりだな、ろくがつは
離りながら親しみながら雨の日は雨にかなっている柳の木
羅紗紙にとどめをさして折りたたむ 大丈夫、鶴にはしないから
よく怒るひとの体はあたたかい五月の匙をきれいに磨く
おさまりの悪いこころを割くように白木蓮は白を乱して
おまえたち、の「たち」に加わる花の下 この世の膝をそろえて座る
酢の中でかわいいものになっている野菜のことを思う一日は
息をもっと吸いな 小さく呪われて蟻が運んでいる花の種