北緯43度

村上きわみの短歌置き場です

「未来」05月号(2015)

2015-06-06 | 未来

さらされて泡立つ声のなかほどに濡れはきている(ひどすぎないか)

発熱を下部階層におきながら夜の真水をつぎ足している

渇きからくる混乱のうわごとの、きさらぎぎかいせいみんしゅしゅぎ

うわずみのような暮らしに飽きながら惹句いくつも書き直す日は

説くひとと問うひとがいて遠浅の管理フロアを統べる波音

喫水に濡れるくるぶし こらえてもこらえてもあなたは泣くだろう

暮れやすいからだを深くおりたたみ冬の底方をただいざりゆく