北緯43度

村上きわみの短歌置き場です

「未来」7月号(2017)

2018-07-07 | 未来

心根を推しはかられる三月のみどりみだれるランチプレート

弥生から卯月へわたる素はだかのパンをしずかに呑みこみながら

うす紙に草をつつんで帰り来る春はてしない弟たちよ

にほんごがくるしい胸に蜜蜂をとまらせたまま笑い死ぬ夢

水際はみだりがわしくつま先にからむ銀杏草のむらさき

土を恋うほどのさみしさ濡れ雪に鼻をさしいれながらおまえは

ふゆの死の上にひろがる春の香をいえば小さく尾をふるばかり


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