北緯43度

村上きわみの短歌置き場です

「未来」01月号(2014)

2014-01-31 | 未来

裂けたままゆたかに実るさびしさを見ている(そうか、あなたがまゆみ)

うつむいてこぼす桃色そのように鳥を幾羽も招くのだろう

ひとしきり翳りを舐めて舐め飽きて黒猫はひなたへ身をのばす

真夜中に飲む青汁のすこやかな濁り いつまで未来だろうか 

はつあきの外側にからだを置いて火を継ぎ足せば爆ぜる心葉

ひとのこころのしくみあやうくごふごふとマンホールから水は溢れて

出て行けと叫び続けるひとたちの そのかたまりの声の寸寸      ※ルビ「叫び」おらび 

燃えているものを見たくて検索の窓に「ジミヘン 火」と入れてみる

怒りさえやがて古びてゆくけれどYouTubeにはなんでもあるね

サッチモにあわせてそっと歌うときWhat a “ fuckin' ” Wonderful World