つれづれなるままに

日々の思いついたことやエッセイを綴る

劇団若獅子「荒木又右衛門」を観劇

2008年06月07日 | 芸能
           劇団若獅子「荒木又右衛門」公演舞台挨拶(浅草公会堂)

劇団若獅子公演「荒木又右衛門 鍵屋の辻」を観劇した。
浅草公会堂の前には、新国劇ファンの人たちも並んでいた。
新国劇では辰巳柳太郎が演じていた。
今回は石川耕士が脚本・演出を担当して若獅子の魅力を引き出していた。

「荒木又右衛門 鍵屋の辻の決闘」は、「赤穂浪士」「曽我兄弟」と並ぶ日本三大仇討ちの一つである。
寛永11年(1634年)11月7日、伊賀上野の鍵屋の辻で、荒木又右衛門(笠原章)が36人斬りをしたといわれている。
義弟の渡辺数馬(新田純一)が、弟を殺した仇の河合又五郎(森田優一)を討ち、本懐を遂げる話である。

第一幕の前半は、物語の進行で進む。
だれ気味になる内容を、荒木家と隣家の河合家の垣根を越えて手っ取り早く近回りをする話を三回入れて可笑しさを表現していた。
荒木家小者の六助(野上大樹)と河合家下女のふみ(根本亜季絵)とのからみがとてもいい。二人ともしっかりした芝居をしているので安心感が漂う。

やはり最後の決闘の舞台はさすが新国劇の精神を継承しているだけあり、見ごたえがある。
場内からは「待ってました!」「新国劇!」「笠原!」の声掛けが飛んできた。
くさり鎌、長い槍、弓もはいる殺陣は、身を乗り出して観ていた。
額の鉢巻に差し入れた手裏剣を取り出して、遠方からの攻撃を制御する。
刀と刀が接近する立ち回りは迫力がある。
最後は笠原章が得意とする殺陣の一つ、上空に高く飛び上がり左右の相手を同時に仕留めて着地するところは圧巻である。

劇団若獅子も21年を迎えて更に飛躍している。
今秋(11月2日~7日)には、三越劇場で、藤沢周平の「山桜」と「時雨みち」を上演する。
そして来年の4月(17日・18日)には国立大劇場で「王将 坂田三吉の生涯」がある。
今からとても楽しみにしている。

(6月7日記 池内和彦)
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