いかりや爆氏の毒独日記

最近の世相、政治経済について「あれっ?と思うこと」を庶民の目線から述べていきたい。

ギリシャの財政危機と日本の財政赤字について

2010-05-10 19:21:28 | 日記

 財政危機に陥っているギリシャで4日大規模なストライキが発生、暴徒化した群集から火炎瓶が投げられるなど3人の死者が出た。
 ギリシャ国会は6日夜、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)からの総額千百億ユーロ(約13兆円)の金融支援と引き換えに、財政緊縮政策の関連法案を可決した。財政緊縮策は、付加価値税とたばこ税、酒税の増税と公務員賞与の削減などで三年間で300億ユーロの財政赤字を削減するという。しかし、火種を抱えたままの再出発という気がしてならない。

 本ブログ、4月25日「ギリシャの財政破綻と単一通貨の問題点」の最後で、次のように述べた。
 いったん財政破綻に陥ると、単一通貨であるが故に、その国独自の政策は通用し難い。それぞれの国が独自の通貨を保有していれば、その国の通貨が緩衝材(通貨の高低:為替の調整)の働きをする余地があるが、単一通貨の下では、その国が採りうる政策は、ただひたすらコスト削減に努めざるを得ない従って結局は財政の健全化は国民の収入を低下(人件費を低下)させることしかない。従って、それは益々国力の低下を招き、浮かび上がれない。

 ギリシャは今後、厳しい緊縮財政を余儀なくされる。だが緊縮財政からは、有効な景気対策は生まれない、したがって益々の不景気の悪循環となり、ギリシャは受けた金融支援をデフォルト(債務不履行)になる可能性が高い。
 ギリシャには観光産業以外に国際競争力のある製造業がなく、貿易赤字は常態化している。緊縮財政をするだけで、財政赤字を埋める資金源がない。さらにギリシャでは、徴税能力が著しく低く、脱税がGDPの30%を超えるとさえ言われている。

 経済危機に見舞われた国は通常、財政出動か金融緩和で景気回復を図る。しかし、巨額の財政赤字を抱えるギリシャは、景気対策どころか逆に緊縮策を迫られている。

 もともと圏内を単一通貨にすること自体に問題があるうえに、ギリシャのような小国が単一通貨圏のユーロに加盟すること自体が無理だったと言わなければならない。グローバリゼーションの下で、市場競争すればギリシャのような小国が負け組みになるのは目に見えている。ユーロに加盟するときに、国をあげて均衡財政を至上命題として国家運営する覚悟が必要だった。ギリシャの次は、スペイン? ポルトガル?予備軍が控えている。

 ギリシャ発の信用不安は世界を駆けめぐり、ユーロが売り込まれてユーロ安となり、日本などの株価が急落した。ギリシャの財政赤字と日本の財政赤字を重ね合わせ、日本の危機を煽る識者がいる。だが、国際収支(海外とのモノやサービスの取引状況を示す経常収支の黒字幅)は、縮小傾向だが、依然として高い黒字幅を維持している日本とギリシャとでは同じ財政赤字でもその意味するところは天と地ほどの差がある。


魂を売る人々

2010-05-08 20:13:28 | 日記

 昨日(5月7日)の植草氏はブログで、

官房機密費に群がる御用言論人実名が明らかに」と題して「偏向色の強い番組と人物」を列挙しています。彼が挙げているすべての番組をみているわけではないが、偏向の激しい人物として彼が列挙している人物は当方も同感である。ここに、植草氏が挙げた人物を再録しておく。

 爆笑問題、北野たけし、テリー伊藤、三宅久之、みのもんた、辛坊次郎、田勢康弘、古舘伊知郎、宮崎哲弥、財部誠一、田原総一朗、浜田幸一、岩見隆夫、岸井成格、大谷昭宏、星浩など。植草氏は、本日(5月8日)さらに、田崎史郎、渡部恒雄、青山繁晴、池上彰、屋山太郎、橋本五郎 を追加補足として挙げている。

 野中広務氏が自民党政権時代の「官房機密費」の使途について、政治評論家諸氏らにも高額の現生を配っていた事実を生々しく暴露した。上述した人物がすべて「官房機密費」を受け取っていたかどうかはわからない、しかし少なくとも著しく偏った発言を繰り返していたことだけは確かである。

 「官房機密費」は国民の税金である。国民の税金を御用評論家の買収工作費として使用されたことになる。しかも、機密費からの使用となれば、いずれも領収書を必要としないはず、受け取った者も恐らく誰一人として所得として申告していないはず、とすれば脱税の可能性もある。いかがわしい世論操作にうつつをぬかし、魂を売った者たちの二重三重の犯罪行為と言うしかない。

 野中氏の暴露は、彼らの小沢氏に対するしつこすぎる集中攻撃の理由が「やはり、そういうことだったのか」とうなずかしめるものだった。

 小沢幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地取得をめぐる政治資金規正法違反事件は、当初(昨年3月3日小沢氏の公設秘書大久保隆規氏の逮捕)から、国策捜査などと言われ極めていかがわしいものだった。その後の検察の徹底した捜査にもかかわらず、不正はみつからなかった。結局、検察は納得いく説明もしないまま「小沢氏は嫌疑不十分で不起訴」とした。それでも、マスコミ(評論家諸氏)は嫌疑はあるが、証拠が不充分などと、したり顔して解説していた。

 結局本件は、土地取得代金の支払いの記載日の「ズレ」というおよそ罪に問える代物ではないにもかかわらず、検察の面子から犯罪に仕立てあげようとしている本来なら、彼ら(評論家諸氏)こそ、権力(検察)の横暴を暴き、国民の代表たる選挙で選ばれた代議士たちを守るべき立場にある、それが議会制民主主義というものである。それが検察と一体化して国民によって選ばれた国会議員をひきずりおろそうとしている。

 彼らは、この一年間どれほど、小沢氏の「政治と金」について「説明責任」を求めてきたことか。これでも尚、今後も彼らは小沢氏の「政治と金」について多言を弄するのだろうか、それどころではないだろう。今や、彼ら自身こそ「政治評論と金」について「説明責任」を果たすべき時である。


毒饅頭・・・

2010-05-06 18:29:59 | 日記

明け烏:

 この言葉を聞いたときには笑った。ことに野中広務氏があの顔で吐き捨てるように言ったのが最初だったから、大いにピリリが効いて余計におかしかった。ごく幼い頃に野犬狩りのためにこれが使われているということを、ちらりと聞いて以来、久しく記憶から離れていた言葉である。
 それにしても官房機密費から直送の「毒饅頭」をそのまま食っていた政治評論家・マスコミ関係者・テレビタレントがかなりの数にのぼるのには吃驚した。受け取っていたこと自体ではなく無用心にこれを直接、懐に入れていたことへの驚きである。

 さすがの私も彼らは築地から汐留に移った例の広告会社経由で受け取るくらいの慎重さや思慮分別はあるものと考えていたので、秘かにこれを「電気饅頭」と呼んでいたのである。これを食べると痺れてしまうというのと、当該広告会社の最初の文字の掛詞から名付けてみたわけだ。
 その昔、飲むと舌が痺れてしまうので、「電気ブランディー」、略称を「電ブラ」という酒があったということだ。

いかりや:

「毒饅頭」に、「電気饅頭」ですか? これはもしかして「デンツー饅頭」のこと?この饅頭は舌が痺れるというより、頭(脳)が痺れてお金に麻痺するようになるらしい。

 田原総一郎氏が、野中広務氏の官邸毒饅頭を拒否したという話は、「官邸の毒饅頭を受け取らなかった ただ一人のジャーナリスト…」として光栄にも(苦笑)名前があがっています。田原氏は、これに対して「ツィッター」で、「カネは返した・・・」「断るのに苦労した・・・」(山崎氏のブログ)等と言ったという。
 しかし、そもそも野中氏が田原氏に饅頭を渡そうとしたこと自体が、それまでの饅頭配給リストに名前があったからこそ、渡そうとしたのではないでしょうか。
又、デンツーと田原氏のゆるぎない(笑)関係は知る人ぞ知る間柄^^

 話変わって、毒饅頭を食べた身近な人の話です。
連休も終わりました。さっそく散髪屋にいきました。年から年中連休のわてらにとっては直接関係ありませんが、連休あけの本日なら、さぞかし激安散髪店もすいていることだろうと思って出かけました。
ところが、本日はいつも専属のように散髪してくれる店長がいませんでした。
 副店長に聞いたら、「店長は夜逃げした、行き先も不明」だという。よくよく聞いてみたら、「店長は夜遊び上手で、友人知人らに多額?の借金があったのでとんずらこいた」という。普段は散髪しながら、政治談義や人生の機微に触れる話をしていたけれど、人はみかけによらぬもの・・・。どうやら店長と言っても雇われ店長で、実は名ばかり店長、「挟み一丁の渡世人」明日はどこかの街でまたチョキチョキしているのかも。

Drジョー:

いかりやさんと話の合う、ちょっとインテリ風の店長さんが実は借金するほどの遊び人だったわけですか。
人は見かけによらず、人生何が起こるか分からないもの。

 子供時代の娘をかわいがってくれたご近所の上品な初老のご夫妻が、ご主人の借金(仕事がらみ?)のかたに土地を取り上げられ、一夜にして姿を消す場面に遭遇したことがあります。

 やくざ風の地上げ屋が大声で騒ぎながら、ご夫妻の家の扉をこじ開け、パトカーが出動する騒ぎに・・・警官に尋ねると、「土地の権利書を見せられたのでどうしようもないんですよ」
 やがて帰宅した奥さんが地上げ屋に声をかけられて共に家の中に入り、土地の権利がなくなっていることを伝えられた模様で、その日以来姿を見かけなくなりました。

 優しく声をかけてくれるおばさんだったのに・・・と、鍵っ子をさせていた当時小学生の娘が寂しそうでした。
「たとえ親戚・兄弟の間でも借金は禁物」、よく耳にしたものです。

いかりや:

身につまされる話ですね。金 かね かねの世の中、あの泣く子も黙る検察さんも、裏金で脳性麻痺に陥っているらしい。


もう一つの警察裏金事件

2010-05-05 17:28:43 | 日記

 東京新聞には、こちら特報部「へこたれない人々」という特集記事がある。東京新聞の購読者なら読んでいる方も多いと思うが、5月4日の特集の表題は ”裏金告発 のち逮捕”となっている。

 軽トラックの荷台に「裏金告発者」と書いた手作りの看板。「私は冤罪を晴らす」とスピーカーで街宣する。復職目指す元群馬県警警部補、大河原宗平さん(56)である。

 地元の高校を卒業、前橋署、機動隊、高崎署、警備2課、警察学校教官、交通指導などを歴任、剣道六段の猛者である。2004年2月公務執行妨害で逮捕された翌月不倫やナンバー偽造、公務執行妨害を理由に懲戒免職された。監督責任を問われた上司はおらず、大河原だけが処分された。

 「でっちあげ逮捕だ」と同年十月、処分取り消しと損害賠償を求めて県などを訴えた。大河原はこの訴訟を「裏金告発事件」と呼ぶ。訴状では裏金づくりや警部昇格試験の問題漏えい、レッカー業者からの付け届けなど、群馬県警に対する計十六項目の疑問を挙げた。県側は答弁書で裏金問題を含めほぼすべてを「否認ないし争う」か、「不知」とした。
 県広報室は、こちら特報部の取材に対し「係争中の事案なのでコメントできない」とした。

 事件のせいで妻子から離れた(別居?)。「何が真相か、後でわかってもらえる」と信じ、剣道でたたきこまれた「正しい刀筋」で意志を貫く。「警察が嫌いなわけでも、上の者を困らせるためでもない。命を張る警察官の仕事は好きだし必要。・・・警察を正しい姿にするために、警察官に戻って改善する点はたくさんある」。釈放後はアルバイトで生計を立てながら、放置自転車の再生に取り組む。そのために古物商の許可も取った。・・・「放置されていると、少年たちが乗る。そこで職務質問をうければ、占有離脱物横領で補導され、一生の傷になる。放置自転車をなくせば少年たちを守れるし・・・」

 四月、処分取り消しなどを求めた訴訟の公判が前橋地裁であった。約六十人の傍聴席は満員。故郷の村の住民たちが貸切バス片道一時間半かけて来ていた。高齢の実母も証人尋問に耳を傾けた。高校時代の恩師の知人や村民らが昨年十月、「大河原さんを支える会」を結成した。会員約二百五十人、復職を求める署名は三千五百に上る。

 とかくこの世は住みにくい。正しいことを主張すれば、犯罪者に仕立てられる? そう言えば今年2月、群馬県出身の元首相がロッキード事件でアメリカ側に「MOMIKESI」を依頼していたことがアメリカの公文書でみつかったという話を思い出した。彼はそれで罪を逃れることができたのかどうかはわからないが、その後一国の総理大臣にまで上り詰めた。


官房機密費、野中広務氏の真意は

2010-05-04 22:36:20 | 日記

 2003年10月に政界を引退して既に6年以上が経過し、もう過去の人だと思っていた。彼は今年10月には85歳になるという、政治のことから離れて悠々自適の老後を送っているはずの男が突如、官房長官時代の「官房機密費」の使い道を暴露して世間の耳目を集めることとなった。

 しかも、TBSでの放送後も、4月30日、共同通信や朝日新聞などの記者たちにも同様の内容を話し、その前に4月23日那覇市内で開かれたフォーラムの基調講演の中でも話していたことがわかった。彼の度重なる暴露は、かなり用意周到に準備していたものと思われ、彼の執念さえ感じさせる。
 彼のバクロは、少なくとも自民党にとって有利に働く証言ではない。そのことは彼自身が百も承知の上のはずである。
 野中氏はインタビューの後半では、言論活動で立派な評論をしている人たちのところに盆暮れに~百万の官房機密費を配ったことを明らかにし、「日本の政治のむなしさを思う」「私にすべての責任がある」と認めた上で「新しい政権の下でも続けていくことがないように」と述べたという。だがそんなに綺麗ごとではない、引退後5年以上も経過したこの機の暴露の真意は、別のところにある。

 それは彼自身が受けた被差別との戦いが、例えば松本サリン事件の被害者でありながら被疑者扱いされた河野義行氏に対して「人間として政治家として心から申し訳なくお詫びしたい」と謝罪したことや、ハンセン病患者や重度身体障害者療養施設や重度身体障害者授産施設を自ら設立・運営していること、沖縄米軍基地に苦しむ沖縄県民への思いやりなどから、「野中氏の弱者への姿勢」は、単なるパフォーマンスだけでないことを示している。
 過去における小沢氏との確執があっても、そんなことよりもやはりマスコミのいわれなき非難に晒される小沢氏へのやむにやまれぬ
強力な援護射撃だったに違いないと思う。


民主党は独裁化?日本の民主政治は危機?「森田実氏の言わねばならぬ」の荒唐無稽・・・

2010-05-02 21:27:08 | 日記

 政治評論家・森田実氏の「言わねばならぬ」【374】(2010.05.01)の、表題部分は、
””民主党は独裁政党と化した!/小選挙区制と政党助成金制度のもとでは政党は独裁化する/日本の民主政治は危機にある/小沢主導政治を変えなければ日本は危ない””  となっている。

そして、 
”” 昨年8月30日の衆議院議員選挙を機に日本の政治は独裁政治の時代に入った。戦後民主主義の時代は終わった。8.30総選挙は日本の政治の独裁化を完成させた選挙だった。この独裁化の根源は、小選挙区制と政党助成金制度にある。””

 理想的な政治家もいないけれど、理想的な選挙制度もない。現小選挙区制が理想的な選挙制度とは思わない。だが、この制度も紆余曲折を経て成立し、政権交代を可にしたものである。
 2005年9月11日の「郵政民営化」選挙で、まさかまさかの大勝利を納めたのは、ほかならぬこの選挙制度のお陰であった小泉首相が小選挙区制のメリットを存分に発揮して自民を圧勝させたのである。日本の政治の歴史のなかで、たった1案件(郵政民営化)で国政選挙が行われて勝利したのはこの「郵政民営化選挙」くらいである。

そして昨年8月30日の衆院選挙で民主党が大勝した、まさに政権交代可能な2大政党時代の現出である。
 森田先生、何をいまさら選挙区制をぼろくそに言ったところで、仕方がないではないですか。
 自民党が、再生するチャンスはゼロではありません。己らがしでかした愚かな結果を反省し、民主党を凌駕する政策で出直して戦えば、政権交代のチャンスが巡ってくるのではありませんか。

 民主党政権が成立して僅か8ヶ月、戦後65年の政官業癒着と米隷従化自民党政権が行ってきた「その65年の政官業の汚れた垢」を落とすには、2、3年はかかるのと違いますか。

 例の「機密費持ち去り事件」、これなども自民党政権長年の悪弊じゃないですか。河村前官房長官の機密費持ち去り事件はこそ泥みたい。名誉も地位もある人が、日本人として恥ずかしい。

 先週TBSで放送された「官房機密費の真実」について野中氏は、官房機密費の使途をバクロした。「総理の部屋に月1000万円。衆院国対委員長と参院幹事長に月500万円ずつ持って行った」「政界を引退した歴代首相には盆暮れに毎年100万円」「外遊する議員に50万~100万円」「政治家から評論家になった人が、『家を新築したから3千万円、祝いをくれ』と小渕総理に電話してきたこともあった」と次々に明らかに。まさか森田先生のところには、入っていないと思うけれど、「(政治)評論をしておられる方々に盆暮れにお届け」していたという話もある。

「テレビに出ている政治評論家やタレントが数百万円の毒まんじゅうを美味しく食べて、自民党を応援した?そして民主党の悪口を言っているのも「なーるほど」納得したが・・・腹が立つ!

 森田先生!
”小選挙区制と政党助成金制度のもとでは政党は独裁化する/日本の民主政治は危機にある/小沢主導政治を変えなければ日本は危ない” 独裁化?いくらなんでもちょっと言いすぎと違いますか?
 そんな心配ご無用ですよ、国民もそれほど馬鹿ではありませんぞ。民主党がダメになり、自民党が国民に真に期待される政党に生まれ変われば・・・容易に政権交代が可能な制度ですから。