いかりや爆氏の毒独日記

最近の世相、政治経済について「あれっ?と思うこと」を庶民の目線から述べていきたい。

行き詰った政治状況を動かすのは、民衆しかあり得ない

2010-05-12 19:15:41 | 日記

 本日の山崎行太郎氏の毒蛇山荘日記には、沖縄米軍基地移転問題について大変興味深いことが書かれている。最初の部分と最後部分を引用します(太字は筆者)。

””百家争鳴で混迷を深める普天間問題だが、私の考えでは、沖縄県民の大衆蜂起、つまり県民の抗議行動にすべてはかかっていると思われる。鳩山首相は初め、日本政府の担当大臣やその他の政治家達の力は重要だが、しかし彼等の政治力を当てにしていては問題は決して解決しない。アメリカ政府が、住民の反対のあるところには移設しない、と言っている以上、最大の力は住民の意思と住民の烈しい抗議行動にかかっている。沖縄県民が革命的な暴動を引き起こすぐらいの覚悟で臨まない限り、普天間基地を初めとする沖縄米軍基地の全面的な海外移設は実現しない。””

そして最後の部分は、
””・・・「ジャパンハンドラーズ」を総動員して、日本政府を「米軍基地存続」へと向かわせることはアメリカ政府にとって容易ではあろうが、しかしアメリカ政府や米軍関係者といえども、沖縄県民を説得することも脅迫することもできない。今、フィリピンでは大統領選挙が行われているようだが、かつてマルコス大統領が、民衆の蜂起によって、マラカニアン宮殿から追い出されていった時の映像が目に浮かぶ。””

 沖縄米軍基地移設問題は沖縄県民だけの問題ではない、日本人全体の問題であるが、残念ながらこれまで直接利害関係のない県以外での反対運動は盛り上がっていない。政治家たち(自民、公明も含め)は、日米同盟や米軍の抑止力を説く者はいても、真剣に海外移設を米側に申し入れて交渉した話は聞いたことがない。

 結局は、行き詰った政治状況(この場合沖縄基地移転問題)を打破するのは民衆の力である。何も基地問題だけに限らない。
 戦後60数年経過して、政治状況を大きく回転させたのは、昨年の8月30日の総選挙である。そういう意味で昨年の8月30日は歴史的意義がある。民主党議員のなかには、その歴史的意義を自覚していない者が多いが・・・。旧体制維持に汲汲(きゅうきゅう)とする自民党・検察(背後にいる米・CIA?)・マスコミのゆりもどしも、ほぼ決着がついたかにみえる。マスコミの捏造された内閣支持率20.7%、不支持率64.4%という世論調査もあるが、多くの民衆はもはや旧自民党体制を望んではいないはずである。

 繰り返すが、行き詰った政治状況を打破するのは民衆の力である。そうでなければ、現状維持に甘んじるしかない。少々大袈裟だが、フランス革命、ロシア革命も民衆の蜂起なくしてアンシャンレジーム(旧体制)の打破はありえなかったし、明治維新もそうであった。

 現在、NHK大河ドラマでは、坂本龍馬をヒロイックに描いているが、明治維新の最初の原動力となったのは士農工商の枠を超えた長州の領民たちの蜂起があったからである。長州の農民、漁民、商人、医者、神主、僧侶など領内各地に150を超える人民諸隊が生まれ、高杉晋作率いる騎兵隊をバックアップしたからである。

 「竜馬がゆく」や(「翔ぶが如く」、「坂の上の雲」など明治のロマンを描きつづけた司馬遼太郎は昭和の時代を、「この国のかたち」のなかで、昭和の軍部の横暴(統帥権を盾にした軍部)と暴発を厳しく批判しています。そして彼は、「昭和の初年から太平洋戦争終了までの日本は、長い歴史のなかで、過去とは不連続な異端の時代」だと言っています。
 しかし、平成の時代こそ、夷狄(いてき)に屈した異端の時代といわねばならない。為政者たちは、そういう認識が極めて希薄である。

 今の時代は、幸いなことに国民が選挙によって政治家を選ぶことができることである。自公政権が倒れたのも、民衆の怒りの発露だったと思う。しかし新たな政権が、夷狄に屈せず真に国民のためになる政治を行うかどうか極めて疑問である。
 今後は民衆が政治家のお仕着せの洋服、つまり彼らのマニフェストを着用させられるのではなく、民がつくった洋服(マニフェスト)を着用させて彼らが行動する時代が来ないものかと思うが、夢?幻?

参考:
高杉晋作と攘夷:今のニッポンは・・・(2009-11-19)
http://blog.goo.ne.jp/ikariyax/d/20091119

高杉晋作と攘夷:今のニッポンは・・・続き(2009-11-21 )http://blog.goo.ne.jp/ikariyax/d/20091121

高杉晋作と攘夷:今のニッポンは・・・続き2(2009-11-22)
http://blog.goo.ne.jp/ikariyax/d/20091122

高杉晋作と攘夷:今のニッポンは・・・続き3(2009-11-23)
http://blog.goo.ne.jp/ikariyax/d/20091123