猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

PSEなし中古家電販売を事実上容認へ―電気用品安全法移行措置終了問題

2006-03-25 15:40:43 | 社会問題全般
 電気用品安全法は、電気用品取締法を1999年に改正して、2001年から施行されているもので、同法に適合し安全が確認された電気用品にPSEマークを付けて製造・販売するように規定されている。この法律の目的は、言うまでもなく「電気用品による事故を防止するため」であり、概要と趣旨はは経産業省のHPに『電気用品安全法に基づいて、電気用品の製造事業者又は輸入事業者は、安全を確保するために必要な技術基準に適合した電気用品を製造又は輸入しなければならず、技術基準に適合した電気用品については、その安全性が消費者の皆様から見ても分かりやすいよう、PSEマークを付して出荷することとなっています。また、小売店等の販売事業者は、PSEマークが付され安全性が確保された電気用品以外は販売してはいけないこととなっています。これらの規制を通じて、我が国の電気用品市場から危険な電気用品を排除し、消費者の皆様が、安全性が確保された電気用品を購入し使用いただくことが可能となっています。』とあるとおりである。
 一見すると、ややこしい規制を増やしただけのように見えるが実はそういうわけでもない。それまでは『特定電気用品』とそれ以外のうち、前者のみ行政機関(代行機関も含む)による流通前の検査を受ける必要があり、それに応じて『特定電気用品』のみに検査済みマークがあったのだが、新法ではこの部分が民間の検査機関に委託できるようになった。これは規制緩和の方向に他ならない。一方で『特定電気用品以外の電気用品』の方には、検査済みを表わすマークがなかった。しかし、規制緩和の流れの中で政府の関与を極力減らし自己責任に基づく製品流通を促進するとなれば、こちらにも自主検査と検査済みマークの貼付を義務付けるのが政府の関与の減少に繋がる上に消費者保護にも資するだろうというのが、法の趣旨である。大体、自主検査といっても(1)外観検査(2)通電検査(3)絶縁耐力検査の三つだけで、外観検査は目視、通電検査は使用される状態にして異状がないことを確認、というだけのことである。多少ややこしいのが絶縁耐力検査で、電気用品の絶縁性を検査するものだが、これは専用の機械が必要になってくる。それを考えると経済産業省が移行措置の期間中に周知徹底に手抜かりがあったことは確かに大いに批判されるべきであろう。お役所仕事の極みであり論外である。しかし、だからといって、電気用品安全法自体が悪法であるなどということにはならない。
 経産省は、リサイクル業者などの強い反発を受け、結局、漏電の有無など安全性の自主検査体制が全国で整うまでの暫定的な措置として、PSEマークのない中古品の販売を容認する方向に転じてしまったが、これは首を傾げざるを得ない判断である。リサイクル業者などが中古品を販売した後、自主検査でマークを付けるまでの間について、同マークを義務づけた電気用品安全法の対象外となっている「レンタル」とみなすことでPSEなし中古家電販売を事実上容認することになる。「検査体制が整うまで」などと曖昧な条件がついているものの、レンタルする際に契約書を交わす義務もなければレンタル終了後に自主検査を実施したかどうかも販売業者の一存に委ねるなど、まさに骨抜きである。この対応は、朝令暮改であるうえに、政府自らが「脱法行為」を奨励しているようなものである。正直に法律に遵った業者との間で不公平である。どう考えても、周知期間の延長が筋であった。そうすると「役所のメンツに関わる」そうだが、そんな馬鹿な話はない。
 最後にひとこと苦言を呈しておきたいのは、「ビンテージものの楽器が売り買いできなくなる」などと大騒ぎをして圧力団体と化した一部ミュージシャンである。確かにビンテージものの楽器云々は彼らにとって死活的に重要な問題だろうし、そういう特殊な製品は「家電」として一般消費者を保護する趣旨には馴染まず、電気用品安全法の例外として自己責任でやってくれればよいのだが、*あたかも電気用品安全法自体を廃止すべきであるともとれる主張をしていた(*後日訂正:正確には「中古家電全体を適用除外せよと、いつの間にか主張が拡大した」)のは筋違いであり如何なものかと思う。もっとも、それに便乗して大々的に取り上げた一部マスコミはさらに批判されるべきだろうが…。



(経済産業省HP)
『経済産業省 > 消費者政策 > 製品安全のページ > 電気用品安全法のページ > 経過措置の対策』

(参考記事)
<PSE>マークなしでも販売認める 経産省が4月以降も
 国の安全基準に適合していることを示す「PSE」マークがない一部家電製品の販売が4月から禁止される問題で、経済産業省は24日、4月以降も当分の間はPSEマークがない中古家電製品の販売を事実上認めることを決めた。リサイクル業者などが中古品を販売した後、自主検査でマークを付けるまでの間について、同マークを義務づけた電気用品安全法の対象外となっている「レンタル」とみなすことで従来方針を転換する。
 経産省は、リサイクル業者などの強い反発を受け、漏電の有無など安全性の自主検査体制が全国で整うまでの暫定的な措置として、PSEマークのない中古品の販売を容認せざるをえないと判断。同日行われた全国の中古品販売業者で作る「PSE問題を考える会」(小川浩一郎代表)との会談で説明した。
 マークなしで販売した中古家電について、経産省は「検査機器が行き渡った段階で安全性を業者が点検してPSEマークを付ける」と説明。業者は検査機器を持参して販売先を訪ねたり、販売先から中古品を持ち込んでもらって検査する手間がかかる。このため、検査体制が整っても負担を嫌って自主検査をせずマークを付けない業者が出てくる可能性もあり、安全対策が骨抜きになる懸念もある。マークなしの販売を容認する期間についても、経産省は「数カ月程度」と明確には定めていない。
 同会は「経産省の周知不足で、4月までにPSEマークを付ける余裕がない」などとし、同法見直しや4月以降もPSEマークがない中古家電を販売できるよう猶予期間を延長することを求めていた。経産省は当初、漏電などの検査機器を全国で無料で貸し出したり、検査代行などを請け負う対策を公表していた。しかし、検査機器が全国的に不足していることを重視し、同法の対象外であるレンタルの形式が整っていればPSEマークがなくても事実上の販売を認めることにした。
 同会の小川代表は同日、経産省とともに会見し、「実質的に猶予期間の延長を勝ち取ったと理解している。法自体の見直しは引き続き求める」と述べた。経産省消費経済政策課の福田秀敬課長は「(暫定措置は)あくまで検査機器が行き渡るまでの間のこと」と、同法改正などは考えていないことを強調した。【宇田川恵】
 【PSEマーク】 家電製品などの安全確保のための電気用品安全法(01年4月施行)で、メーカーや販売業者が製品に付けることを義務づけられた、国の安全基準に適合していることを示すマーク。マークのない製品の販売を禁止したが、品目ごとに法律の施行から5年、7年、10年の猶予期間を設けた。テレビや冷蔵庫、洗濯機など259品目については、マークのない製品販売を認めた猶予期間が31日で切れる。
(毎日新聞) - 3月25日0時49分更新


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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ビジター)
2006-03-25 22:13:34
 はじめまして。

 こういうニュースが出ると、日本は過保護だなという気がします。新製品ははともかく、中古にまでPSEマークをつけるとは。

たいがいの人は、中古品を買った時点で、もしものトラブルはある程度覚悟しているはず。PSEマークを付ける事で国の安全基準を満たしているということなら、もし事故が起こった場合誰が責任を取るのでしょうか。国、メーカー、それと販売店でしょうか。

 また、仮にPSEマークのない電気製品が原因で起こった事故は誰が責任を取るのでしょう。この場合は、国が関与しないという事になるのでしょうか。それとも、メーカー、販売店とも関与しないということなのでしょうか。一般的な常識としては、メーカー、販売店ともに責任を負うと思います。

 つまり、PSEマークを付ける事で国まで責任を負う事になるような気がする。これだと、国の関与は大きくなっているわけで立法の趣旨に反するのではないでしょうか。

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ビジターさまへ (猫研究員。(高峰康修))
2006-03-25 23:59:35
はじめまして。コメントありがとうございます。

適正にPSEマークが付けられた家電製品が事故を起こした場合には、メーカーが製造物責任を問われることになるでしょう。マークを付した販売店は基本的には責任を問われません。

PSEマークのないものが原因で事故になった場合は、販売者には民法上の損害賠償責任が生じるはずです。しかし、PSEマークがないことを承知で購入する消費者にも責任はあるので相当程度過失相殺ということになるでしょう。この点が自己責任の原則に資するわけです。メーカーの製造物責任はやはり問われるでしょう。。

「自主検査をしろ」ということですから、PSEマークを付ける事で国まで責任を負う事になるわけではありません。

それから、中古品販売業者を対象から除外していない理由は、新品で製造したもので安全基準をみたしていない製品を闇的に中古として流通させるという行為を許さないためというのもあります。

とりたてて素晴らしい法律というわけでもないのですが、朝令暮改はよくないというのが私の考えです。
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Unknown (ビジター)
2006-03-26 00:58:51
返信ありがとうございます。

説明いただいたのですが、よく分かりません。

国内メーカーに関しては、PL法だけで足りるような気がします。ただ、最近は海外メーカーの製品が多く輸入されるようになったので、こういう規制も意味があるのかな、という気がします。ところで海外メーカーにもPL法は適用になるのでしょうか。もし、ならないとすれば、役人が規制を増やし、仕事を増やし、その上責任逃れまでしているような気もします。

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ビジターさまへ (猫研究員。(高峰康修))
2006-03-26 14:27:17
輸入品だったらPL法上の責任は輸入業者が負います。

PSEマークは検査済みであることを消費者に証明するというものなので、「規制を増やし、仕事を増やし」というのとは少し違うような気がしますがいかがでしょう。



>その上責任逃れまでしているような気もします



裏を返せば「自己責任」ということになりませんか?
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Unknown (ビジター)
2006-03-27 02:38:56
 私が疑問に思うのは電気安全法自体の存在です。こんなものがなぜ必要かということです。

 安全であることは性能云々以前の問題であり、メーカー及び輸入業者は当然そのことについては十分配慮して製造なり輸入しているはず。

 消費者が家電製品を買ったが、なんらかの故障でショートして火事になった。この責任を誰が取るのかというと、メーカー及び輸入業者ということになる。それはPL法でも規定されているはずです。まさか、そこまで国は責任を取らないでしょう。

 専門家からみて必要だから電気安全法が新たに作成されたのでしょうが、単に安全のマークを貼る事でメーカー及び輸入業者の責任が増えるわけでも減るわけでもない。単なる気安めに過ぎないと思ってしまうのです。そのために特定家電以外の全商品及び中古品にまでPSEマークを貼ることを義務づける必然性が薄いような気がします。

 このような法律を強化することが、小さな政府や行革につながることとはどうしても思えません。むしろ役所の関与を増大させるだけで、首相の基本方針とは逆行する動きのような気がします。
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ビジターさまへ (猫研究員。(高峰康修))
2006-03-27 17:59:45
電気安全法は、新たに作成されたわけではなくて改正されたんです。旧法の下で行政機関による出荷前検査が義務付けられていた特定電気用品に関して、それを民間委託してよいという風に改めたのが第1点。それから、「特定~」以外にもPSEマークを付すことにして整合性をとったというのが第2点。役所の関与はほとんど増大しません。(まあ、講習会を行うとかそんなバカな話になって増大してないこともないですが…)

それを踏まえて「いや、『特定~』以外は検査なしでも構わない、責任は自分で負う」と大多数の消費者が言うのであれば、そういう方向で議論して一向に構わないと思いますよ。その際には、雰囲気とか流れではない真っ当な議論をやっていただきたいと思うだけです。
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Unknown (naka)
2006-04-05 00:32:47
はじめまして。

絶縁耐力検査について

> 多少ややこしいのが絶縁耐力検査で、電気用品の絶縁性を検査するものだが、これは専用の機械が必要になってくる。

と記載されていますが、検査機器の取り扱いは専門に行われている方でも注意が必要で検査自体かなり危険を伴うものである事はご存知でしょうか。又それ以前に販売業者が製造業者として登録しなければいけない事、旧法から安全基準は全く変わっていない事については、どのようにお考えでしょうか。



それから「圧力団体と化した一部ミュージシャン」が「あたかも電気用品安全法自体を廃止すべきであるともとれる主張をしていた」とありますが、主張は「ビンテージ音響機器を対象除外に」→「音響機器全てを除外に」→「中古品全てを対象除外に」と変化たのは事実ですが、「電気用品安全法自体を廃止すべき」と読み取れる発言が見つけられませんでした。どのようなソースに基づいたご発言なのでしょうか。



是非お教え頂ければと思います。
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コメントありがとうございます (猫研究員。=高峰康修)
2006-04-05 07:03:43
>nakaさま

はじめまして。まず私が一番主張したかったことをまとめると、



・経済産業省が移行措置の期間中に周知徹底に手抜かりがあったことは大いに批判されるべき

・周知期間の延長が筋



要するに、法律の趣旨には反対ではないが、運用が稚拙極まりなかったということです。





貴ブログも拝見しましたところ、PSE関連は集中的に取り上げておられるようで、むしろこちらが勉強させていくことも多いのではないかと思いながら、ご質問に回答いたします。



>(絶縁耐力)検査自体かなり危険を伴うものである事はご存知でしょうか。



1000ボルトの電圧を1分間かけ続けるというものでしたよね。実際の作業に立ち会ったことはありませんが、資料をみただけで、その危険性は十分に認識できました。したがって、個人業者が行うには負担が大きすぎて、5年間もの猶予期間に通産省は無料又は低コストでできる検査体制を確立しておくべきだったのであり、その間一体何をやっていたのかと疑問に思っています。



>販売業者が製造業者として登録しなければいけない事



それはちょっと正確ではないのではありませんか?



第十条  届出事業者は、その届出に係る型式の電気用品の技術基準に対する適合性について、第八条第二項(特定電気用品の場合にあつては、同項及び前条第一項)の規定による義務を履行したときは、当該電気用品に経済産業省令で定める方式による表示を付することができる。



第二十七条  電気用品の製造、輸入又は販売の事業を行う者は、第十条第一項の表示が付されているものでなければ、電気用品を販売し、又は販売の目的で陳列してはならない。



この両者から、販売業者は製造業者として登録しなくてもPSEマークつき製品に限り販売できると規定しているわけでしょう。

そして、販売業者が製造業者として登録することにより自らPSEマークを付することができるってことですね。本来の意図では「5年もすればPSEマークのない旧法下での製品は市場から一掃されて困ることはないだろう」という見通しだったのでしょう。もっとも、中古家電業者の取り扱いに関して確固たる方向性を打ち出せていなかったのではないかという疑問が残るのは事実です。



>旧法から安全基準は全く変わっていない事について



質問の意図がよく分からないのですが、安全基準自体の是非を問題とされているのであれば、専門家の意見をよく聞きたいとしか申し上げようがありません。

どうせ基準が変わらないのだから旧法下での安全性を表すマークをそのまま流用してもよいのではないかという指摘であれば、特定電気用品に関してはその通りなのですが、特定以外では旧法の下ではマークがそもそも存在しないのだから、改めて検査してマークを付けるしかないだろうという考えです。



>「電気用品安全法自体を廃止すべき」と読み取れる発言が見つけられませんでした。



これは、私の不正確極まりない記述で、率直に訂正してお詫びします。真意は、ご指摘のように主張が変化したことへの疑問と、家電製品に関してはリサイクル業者が前面に出るべきであって、事のついでにというと語弊がありますが、ミュージシャンが消費者代表のような言動をとるのはおかしいではないかという思いです。私は、家電製品を知悉しているリサイクル業者の地味ではあるが堅実な議論が、激情の後ろにかすんでしまうような構図に大変違和感を覚えたというわけです。
返信する
返信ありがとうございます。 (naka)
2006-04-06 14:48:45
猫研究員。さま



> はじめまして。まず私が一番主張したかったことをまとめると、

>

> ・経済産業省が移行措置の期間中に周知徹底に手抜かりがあったことは大いに批判されるべき

> ・周知期間の延長が筋

>

> 要するに、法律の趣旨には反対ではないが、運用が稚拙極まりなかったということです。



大筋では同意ですが、周知期間の延長は、その間に運用方針の見直し、法文の変更が前提となっているべきだと思っています。



> >販売業者が製造業者として登録しなければいけない事

>

> それはちょっと正確ではないのではありませんか?



これについては言葉足らずでした。コメントが「自主検査」についての関連事項だったのですが、販売についての記述であるかのような誤解を与えてしまったようです。すいません。



> 本来の意図では「5年もすればPSEマークのない旧法下での製品は市場から一掃されて困ることはないだろう」という見通しだったのでしょう。もっとも、中古家電業者の取り扱いに関して確固たる方向性を打ち出せていなかったのではないかという疑問が残るのは事実です。



いえ、法制定時、中古品、中古品市場についての議論が一切無かった事が経産委員会での答弁で明らかになっています。その後の市場拡大により法文上対象であった事を認識したため拡大解釈や迷走と呼ばれる運用になってしまった。これが事実だと思っています。



> >旧法から安全基準は全く変わっていない事について



> 質問の意図がよく分からないのですが、



経産省によると、なんら安全基準が変わっていない状態でPSE マークに統一する理由は、「複数のマークが混在する事はまぎらわしい」これだけです。経年変化による危険性についてはマークによって異なるものではありませんし、旧法マークだけが著しく経年変化による事故が多いとの実例もありません。マークによる経年変化の危険や中古品事業者を経由する事による危険が立証されていない限りは、最初の販売時に(同程度の他検査も含め)検査合格し安全確保が為されている製品については、PSE マークを付する事で新たな安全が確保されるとする事には無理があります。仮に経年変化を問題とされるのであれば、PSEマークにより販売されたものも一定の期間後再検査を行う必要があるのでは無いでしょうか。



> 真意は、ご指摘のように主張が変化したことへの疑問と、家電製品に関してはリサイクル業者が前面に出るべきであって、事のついでにというと語弊がありますが、ミュージシャンが消費者代表のような言動をとるのはおかしいではないかという思いです。



主張が変化したことについては賛否両論があります。当方は署名を募るのであれば問題があると感じています。又「ミュージシャンが消費者代表のような言動」と感じられた事には、マスコミの報道姿勢が大きな要因だったのでは無いでしょうか。話題性、視聴率、購買率の為にはキャッチ―な内容を求められているとして、地味な事業者より知名度の高いミュージシャン中心の報道に偏っていたと思います。その後地味な事業者等が積極的な活動を開始すると、今度はそちらばかり。ですがPSE 法がマスコミで大きく取り上げられたのは最初にミュージシャンの存在があったからだとは思っています。



「リサイクル業者が前面に出るべき」とのご意見には若干違和感を感じます。販売事業者として多大な影響を受けることは事実ですが、流通が制限される事による影響は思いの他広範囲で多大です。販売事業者とその他の方々の利害が必ずしも一致するわけではありませんので、其々が其々の立場から活動する事が望ましいと考えています。もちろん一致する部分については共闘する事がより望ましいとは思っていますが。



> 私は、家電製品を知悉しているリサイクル業者の地味ではあるが堅実な議論が、激情の後ろにかすんでしまうような構図に大変違和感を覚えたというわけです。



これは先に書いた様に、報道のあり方に問題があるように思います。

ただ「知悉」について言えば、流通そのものについては仰るとおりでしょうが、同時に古物商そのものについては警察庁の所管になり、流通制限により起こり得るであろう不法投棄等の問題については地方自治体、税制については国税局や税理関係者、融資担保としての問題については金融関係も含まれてきます。



広範囲に於多大な影響を及ぼす問題である事から、「リサイクル業者の地味ではあるが堅実な議論」は重要ですが、それだけではカバーしきれない部分が多々あるように感じています。
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nakaさまへ (猫研究員。=高峰康修)
2006-04-07 00:35:10
>その後の市場拡大により法文上対象であった事を認識したため拡大解釈や迷走と呼ばれる運用になってしまった。これが事実だと思っています。



その後もう少し丹念に調べましたら、それが真相のようですね。従って、周知徹底不足という次元ではなくて、純然たる「不意打ち」になったこと、従って猶予期間5年というのは意味のないものになったことは手続論として間違いない。



>旧法から安全基準は全く変わっていない事について



問題意識がどこにあるかは、よく分かりました。



>PSE マークを付する事で新たな安全が確保されるとする事には無理があります。



新たな安全の確保ではなく、危険の排除という意味でしょう。危険度は、経年による劣化よりも使用の仕方によるところが大きいのではないかと思いますよ(単なる印象ですが…)。PSEマークを義務付けることは、リサイクルの過程でそういうものを排除できるという意味合いはあるんじゃないですか?また、不適合の製品を「旧法下の製品だ」と偽装してノーマークで販売する脱法行為を防ぐ機能もあるのでしょう。



>「リサイクル業者が前面に出るべき」とのご意見には若干違和感を感じます。



まあ、「相対的に」という意味です。報道のせいなんじゃないかというご指摘は、その通りかもしれません。

それから、不法投棄の問題なども総合的に勘案すべきというご意見には賛成です。欧州では全部の電化製品にこういうマークが義務付けられているわけでしょう。だからといってリサイクルに支障を来たしているのではなく、むしろ循環型社会ですよね。その仕組みなんかは、もっと学ぶ点が多いのではないかと思います。



>法文の変更が前提となっているべきだと思っています。



話が前後しましたが、どういう変更が望ましいと考えていらっしゃるのか、よかったらお聞かせくださいませんか?

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