改造内閣全容決まる 小沢グループからの入閣なし 2010年9月17日 朝日夕刊
http://www.asahi.com/politics/update/0917/TKY201009170106.html
菅直人首相は、17日夕に発足させる改造内閣の全容を決めた。外相に就任する前原誠司国土交通相の後任に馬淵澄夫国土交通副大臣を昇格させるとともに、農林水産相に鹿野道彦・衆院予算委員長、厚生労働相に細川律夫・厚労副大臣をそれぞれ起用する。代表選で首相に敗れた小沢一郎元代表の議員グループからの閣僚、党幹部への登用はゼロだった。
留任する仙谷由人官房長官が17日午後、首相官邸で閣僚名簿を発表した。
経済産業相に大畠章宏・衆院国家基本政策委員長、法相に柳田稔・参院幹事長、文部科学相に高木義明・元党国会対策委員長、環境相に松本龍・党両院議員総会長、消費者・少子化担当相兼国家公安委員長に岡崎トミ子・参院災害対策特別委員長の各氏を起用する。
北沢俊美防衛相は留任。幹事長を退任した枝野幸男氏は幹事長代理に就任し、岡田克也・新幹事長を補佐する。
菅内閣は17日午前の閣議で閣僚の辞表をとりまとめた。首相は「本日、内閣改造を行うこととした。昨年の歴史的な政権交代から1年、菅内閣が発足して3カ月となる。経済財政、社会保障、外交・地域など、行政の分野全般にわたって、改革の成果を上げることができた」と述べた。
その後、民主党は国会近くの憲政記念館で両院議員総会を開催。党役員人事が正式提案され、岡田幹事長、玄葉光一郎政策調査会長、鉢呂吉雄国会対策委員長の就任が承認された。岡田氏は「公平で透明な党運営を目指したい」とあいさつ。小沢氏は姿を見せなかった。
党役員人事が正式に決まったのを受けて、菅首相は17日午後、新閣僚を官邸に呼び込む。皇居での認証式を経て菅改造内閣は同日夜、初閣議を開く。首相はその後に記者会見を開き、改造内閣の基本方針や今後の政権運営について考えを述べる予定だ。
首相は内閣の方針を徹底させるため、20日に全閣僚を集めた勉強会を開催する。
馬淵氏は、当選3回での異例の登用。沖縄・北方相も兼務する。党内では前原氏や野田氏らに次ぐ中堅・若手のホープと目されており、首相が強調する世代交代を印象づける狙いがある。
古川元久、福山哲郎の衆参両官房副長官と、事務の滝野欣弥官房副長官は留任する。
閣僚人事ではこのほか、行政刷新相に留任する蓮舫氏が公務員制度改革担当相を兼務する。野田佳彦財務相と国民新党の自見庄三郎金融・郵政改革相は留任する。玄葉政調会長は国家戦略相として入閣する。前原国土交通相を外相、海江田万里・衆院財務金融委員長を経済財政担当相、民間から片山善博・慶応大教授を総務相に起用する。
菅改造内閣の18人の顔ぶれ 2010年9月17日 朝日夕刊
http://www.asahi.com/politics/update/0917/TKY201009170228.html
総理 菅直人(かん・なおと) 63 衆(10)東京18
総務・地域主権推進 片山善博(かたやま・よしひろ) 59 民間
法務・拉致 柳田稔(やなぎだ・みのる) 55 参(3)広島
外務 前原誠司(まえはら・せいじ) 48 衆(6)京都2
財務 野田佳彦(のだ・よしひこ) 53 衆(5)千葉4
文部科学 高木義明(たかき・よしあき) 64 衆(7)長崎1
厚生労働 細川律夫(ほそかわ・りつお) 67 衆(7)埼玉3
農林水産 鹿野道彦(かの・みちひこ) 68 衆(11)山形1
経済産業 大畠章宏(おおはた・あきひろ) 62 衆(7)茨城5
国土交通、沖縄・北方 馬淵澄夫(まぶち・すみお) 50 衆(3)奈良1
環境・防災 松本龍(まつもと・りゅう) 59 衆(7)福岡1
防衛 北沢俊美(きたざわ・としみ) 72 参(4)長野
官房 仙谷由人(せんごく・よしと) 64 衆(6)徳島1
国家公安、消費者・少子化 岡崎トミ子(おかざき・とみこ) 66 参(3)宮城
郵政改革・金融 自見庄三郎(じみ・しょうざぶろう) 64 参(1)比=国
経済財政・科学技術 海江田万里(かいえだ・ばんり) 61 衆(5)東京1
国家戦略・「新しい公共」 玄葉光一郎(げんば・こういちろう) 46 衆(6)福島3
行政刷新、公務員制度改革 蓮舫(れんほう) 42 参(2)東京
=カッコ内の数字は当選回数
首相、小沢氏支持議員は副大臣などで登用 2010年9月18日 日経
菅直人首相は17日の記者会見で、消費税増税議論に関して「超党派の(協議の)場をつくることが可能なら他党と話し合いたい」と野党に協議機関設置を呼びかける考えを示した。そのうえで「誠心誠意話をする中から、個別的な合意が生まれることも十分ある。それが積み重なって、もう少し幅広い共通のテーブルができることもあるかもしれない」と野党との連携は個別の政策ごとの部分連合から始めると強調した。
民主党代表選で党を二分した選挙戦を争った小沢一郎元幹事長を支持した議員の処遇については「全体の人事も含めて見てほしい。一部のグループを外す行動をとったことはない」と、中堅・若手が多い小沢氏のグループは副大臣や政務官に登用する考えを示唆した。副大臣・政務官人事は21日までに決定する。
23日で調整しているオバマ米大統領との首脳会談に関しては「沖縄の米軍普天間基地の移設問題よりも幅広い、将来を見通した議論ができればいい」と、今後の日米同盟のあり方などを主要課題とする考えを示した。日中関係では「基本的な日中の友好関係は継続しているし、今後も継続できると思う」と述べた。
第二次菅内閣の人事が発表されましたが、ものの見事に小沢グループからの起用は見送り。しかも厚生労働大臣に就任する細川律夫氏などは、(ひょっとしたら長妻氏への配慮から単に演技をしただけかもしれませんが)どうやら就任そのものを知らず驚いている光景も見られるなど、『おいおい 本当に大丈夫かよ!』と思える人事配置となりました。
(長妻氏の場合、国民の人気は高かったものの、部下とのコミュニケーションの悪さは有名で、更迭人事は十分予想ができましたし、当然候補者数人に事前に打診したと考える方が妥当かと思います)
まあ、民間から総務大臣に登用された片山善博氏の場合は、民間出身と言っても鳥取県知事を2期8年務めるなど政治家としての実績は十分あり、民主党政権のブレーンとして事業仕訳に関わるなど、実務を知らない大物大臣をポストありきで就任させるよりは余程即戦力として貢献してくれるのかな…とも思いますが、気になるのは小沢グループからの起用が見送られたこと。
代表戦で小沢氏を支持した大畠章宏衆院国家基本政策委員長は経済産業大臣、旧民社党系の高木義明衆院議員も文部科学大臣に就任したとはいえ、この両名は鳩山グループで管氏とも近いことから任命されたと考えるのが妥当ですし、さすがに小沢氏当人の就任や小沢一派の切り込み隊長的存在の原口氏の再任はないだろうな…と予測していたものの、それ以下の下っ端まで冷遇するようでは、負けた小沢グループが不満をため込みかねませんし、個人的には例えば少子化担当大臣といったお世辞にも権力があまりないポストに当選2.3回目の小沢派の若手を充てることで、万が一小沢氏が袂を放つようなことになっても、若手の取り崩しを狙ってくるのではないかと予測していたのですが、ここまで小沢グループをないがしらにするのも党の運営を考えるとちょっと…。
まあ、副大臣の任命がまだですから、小沢グループに対しては、まずは何名かを副大臣に就任させた上で、現政権への忠誠を誓うかどうかの踏み絵でも行うつもりなのかな…とも思わなくもないのですが、人事というものは単なる人間の好き嫌いといった論功行賞だけで行うと、内部で派閥競争が起こってしまい、職場全体の機能も崩壊してしまう(あるいは経営破綻する組織に見られがちな権力者が暴走してしまう)リスクもあるだけに、(私自身はどちらかと言うと小沢氏よりも管氏の考え方に近いものの)ここはもう少しバランスを考えて慎重に人事配置して欲しかったと思いますし、今後順次決めていく副大臣については、もし小沢氏が離党するといった最悪の事態になっても、若手が党に残りたくなるインセンティブを与えるような、多少の価値観の違いを乗り越えても、能力のある方ならば正当に評価されるような人事を行って欲しいものだと思います。
http://www.asahi.com/politics/update/0917/TKY201009170106.html
菅直人首相は、17日夕に発足させる改造内閣の全容を決めた。外相に就任する前原誠司国土交通相の後任に馬淵澄夫国土交通副大臣を昇格させるとともに、農林水産相に鹿野道彦・衆院予算委員長、厚生労働相に細川律夫・厚労副大臣をそれぞれ起用する。代表選で首相に敗れた小沢一郎元代表の議員グループからの閣僚、党幹部への登用はゼロだった。
留任する仙谷由人官房長官が17日午後、首相官邸で閣僚名簿を発表した。
経済産業相に大畠章宏・衆院国家基本政策委員長、法相に柳田稔・参院幹事長、文部科学相に高木義明・元党国会対策委員長、環境相に松本龍・党両院議員総会長、消費者・少子化担当相兼国家公安委員長に岡崎トミ子・参院災害対策特別委員長の各氏を起用する。
北沢俊美防衛相は留任。幹事長を退任した枝野幸男氏は幹事長代理に就任し、岡田克也・新幹事長を補佐する。
菅内閣は17日午前の閣議で閣僚の辞表をとりまとめた。首相は「本日、内閣改造を行うこととした。昨年の歴史的な政権交代から1年、菅内閣が発足して3カ月となる。経済財政、社会保障、外交・地域など、行政の分野全般にわたって、改革の成果を上げることができた」と述べた。
その後、民主党は国会近くの憲政記念館で両院議員総会を開催。党役員人事が正式提案され、岡田幹事長、玄葉光一郎政策調査会長、鉢呂吉雄国会対策委員長の就任が承認された。岡田氏は「公平で透明な党運営を目指したい」とあいさつ。小沢氏は姿を見せなかった。
党役員人事が正式に決まったのを受けて、菅首相は17日午後、新閣僚を官邸に呼び込む。皇居での認証式を経て菅改造内閣は同日夜、初閣議を開く。首相はその後に記者会見を開き、改造内閣の基本方針や今後の政権運営について考えを述べる予定だ。
首相は内閣の方針を徹底させるため、20日に全閣僚を集めた勉強会を開催する。
馬淵氏は、当選3回での異例の登用。沖縄・北方相も兼務する。党内では前原氏や野田氏らに次ぐ中堅・若手のホープと目されており、首相が強調する世代交代を印象づける狙いがある。
古川元久、福山哲郎の衆参両官房副長官と、事務の滝野欣弥官房副長官は留任する。
閣僚人事ではこのほか、行政刷新相に留任する蓮舫氏が公務員制度改革担当相を兼務する。野田佳彦財務相と国民新党の自見庄三郎金融・郵政改革相は留任する。玄葉政調会長は国家戦略相として入閣する。前原国土交通相を外相、海江田万里・衆院財務金融委員長を経済財政担当相、民間から片山善博・慶応大教授を総務相に起用する。
菅改造内閣の18人の顔ぶれ 2010年9月17日 朝日夕刊
http://www.asahi.com/politics/update/0917/TKY201009170228.html
総理 菅直人(かん・なおと) 63 衆(10)東京18
総務・地域主権推進 片山善博(かたやま・よしひろ) 59 民間
法務・拉致 柳田稔(やなぎだ・みのる) 55 参(3)広島
外務 前原誠司(まえはら・せいじ) 48 衆(6)京都2
財務 野田佳彦(のだ・よしひこ) 53 衆(5)千葉4
文部科学 高木義明(たかき・よしあき) 64 衆(7)長崎1
厚生労働 細川律夫(ほそかわ・りつお) 67 衆(7)埼玉3
農林水産 鹿野道彦(かの・みちひこ) 68 衆(11)山形1
経済産業 大畠章宏(おおはた・あきひろ) 62 衆(7)茨城5
国土交通、沖縄・北方 馬淵澄夫(まぶち・すみお) 50 衆(3)奈良1
環境・防災 松本龍(まつもと・りゅう) 59 衆(7)福岡1
防衛 北沢俊美(きたざわ・としみ) 72 参(4)長野
官房 仙谷由人(せんごく・よしと) 64 衆(6)徳島1
国家公安、消費者・少子化 岡崎トミ子(おかざき・とみこ) 66 参(3)宮城
郵政改革・金融 自見庄三郎(じみ・しょうざぶろう) 64 参(1)比=国
経済財政・科学技術 海江田万里(かいえだ・ばんり) 61 衆(5)東京1
国家戦略・「新しい公共」 玄葉光一郎(げんば・こういちろう) 46 衆(6)福島3
行政刷新、公務員制度改革 蓮舫(れんほう) 42 参(2)東京
=カッコ内の数字は当選回数
首相、小沢氏支持議員は副大臣などで登用 2010年9月18日 日経
菅直人首相は17日の記者会見で、消費税増税議論に関して「超党派の(協議の)場をつくることが可能なら他党と話し合いたい」と野党に協議機関設置を呼びかける考えを示した。そのうえで「誠心誠意話をする中から、個別的な合意が生まれることも十分ある。それが積み重なって、もう少し幅広い共通のテーブルができることもあるかもしれない」と野党との連携は個別の政策ごとの部分連合から始めると強調した。
民主党代表選で党を二分した選挙戦を争った小沢一郎元幹事長を支持した議員の処遇については「全体の人事も含めて見てほしい。一部のグループを外す行動をとったことはない」と、中堅・若手が多い小沢氏のグループは副大臣や政務官に登用する考えを示唆した。副大臣・政務官人事は21日までに決定する。
23日で調整しているオバマ米大統領との首脳会談に関しては「沖縄の米軍普天間基地の移設問題よりも幅広い、将来を見通した議論ができればいい」と、今後の日米同盟のあり方などを主要課題とする考えを示した。日中関係では「基本的な日中の友好関係は継続しているし、今後も継続できると思う」と述べた。
第二次菅内閣の人事が発表されましたが、ものの見事に小沢グループからの起用は見送り。しかも厚生労働大臣に就任する細川律夫氏などは、(ひょっとしたら長妻氏への配慮から単に演技をしただけかもしれませんが)どうやら就任そのものを知らず驚いている光景も見られるなど、『おいおい 本当に大丈夫かよ!』と思える人事配置となりました。
(長妻氏の場合、国民の人気は高かったものの、部下とのコミュニケーションの悪さは有名で、更迭人事は十分予想ができましたし、当然候補者数人に事前に打診したと考える方が妥当かと思います)
まあ、民間から総務大臣に登用された片山善博氏の場合は、民間出身と言っても鳥取県知事を2期8年務めるなど政治家としての実績は十分あり、民主党政権のブレーンとして事業仕訳に関わるなど、実務を知らない大物大臣をポストありきで就任させるよりは余程即戦力として貢献してくれるのかな…とも思いますが、気になるのは小沢グループからの起用が見送られたこと。
代表戦で小沢氏を支持した大畠章宏衆院国家基本政策委員長は経済産業大臣、旧民社党系の高木義明衆院議員も文部科学大臣に就任したとはいえ、この両名は鳩山グループで管氏とも近いことから任命されたと考えるのが妥当ですし、さすがに小沢氏当人の就任や小沢一派の切り込み隊長的存在の原口氏の再任はないだろうな…と予測していたものの、それ以下の下っ端まで冷遇するようでは、負けた小沢グループが不満をため込みかねませんし、個人的には例えば少子化担当大臣といったお世辞にも権力があまりないポストに当選2.3回目の小沢派の若手を充てることで、万が一小沢氏が袂を放つようなことになっても、若手の取り崩しを狙ってくるのではないかと予測していたのですが、ここまで小沢グループをないがしらにするのも党の運営を考えるとちょっと…。
まあ、副大臣の任命がまだですから、小沢グループに対しては、まずは何名かを副大臣に就任させた上で、現政権への忠誠を誓うかどうかの踏み絵でも行うつもりなのかな…とも思わなくもないのですが、人事というものは単なる人間の好き嫌いといった論功行賞だけで行うと、内部で派閥競争が起こってしまい、職場全体の機能も崩壊してしまう(あるいは経営破綻する組織に見られがちな権力者が暴走してしまう)リスクもあるだけに、(私自身はどちらかと言うと小沢氏よりも管氏の考え方に近いものの)ここはもう少しバランスを考えて慎重に人事配置して欲しかったと思いますし、今後順次決めていく副大臣については、もし小沢氏が離党するといった最悪の事態になっても、若手が党に残りたくなるインセンティブを与えるような、多少の価値観の違いを乗り越えても、能力のある方ならば正当に評価されるような人事を行って欲しいものだと思います。