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「追湯商法にしてやられた」怒ったり、あきれたり 「ラ王」1か月足らずでリニューアル「復活」

2010-09-05 09:56:15 | Weblog
「ラ王」わずか1カ月で復活のお味 ファン怒りも 2010年8月25日 夕刊フジ
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/business/n_nissinfoods__20100825_10/story/25fujizak20100825000/
 日清食品ホールディングスは24日、今月2日で生産を終了した人気ブランド「ラ王」に代わる新たな「ラ王」を、関東甲信越地域と静岡県で9月6日に発売すると発表した。ラ王は今月に消滅するとして、追悼イベントを大々的に展開していた。早すぎる“復活”にファンはびっくり仰天だ。
 新ラ王は、八角形の容器でデザインも一新。「背脂濃コク醤油」と「旨味豚コク味噌(みそ)」の2種類で各248円。従来の生タイプ麺に代わり、ラーメン専門店の太麺の食感、風味を実現する新技術「3層太ストレート製法」(特許申請中)を採用した。
 旧ラ王は7月30日から8月中旬まで、別れを惜しむファンのための追悼イベント「追湯(ツイートウ)」を特設サイトで展開したばかり。ラ王の“昇天”を追悼したファンの一部は、ネット上などで「閉店商法だ」などと怒っている。
 同社は「不愉快な思いを抱かせてしまい、ファンの方には大変申し訳なく思います」(広報)と平身低頭。それもそのはず、新商品に「ラ王」の名を冠することは、追悼イベントの数カ月前の今年春先には決まっていたというのだ。
 「ブランドは同じでもまったく別商品になることから、旧ラ王の『生タイプ麺』ファンの方々へのお別れイベントを行いました。サイトにも『ラ王生タイプは2010年8月に生産終了致します』と記したのですが…」と弁明。隠していたわけではないことを強調するが、やはりファンは釈然としないだろう。
 ラ王復活を発表前日に知らされていた“日本一ラーメンを食べた女”のカップ麺ブロガー、麻布台綾子さんも「一瞬、怒りがこみ上げた」と本音を明かす。ただし、肝心の中身については、「商品としてはまったく別物で、日清がいう『史上最高傑作』にふさわしいはず」と期待を寄せる。
 「発表前日の23日、新ラ王を“実食”した関係者に取材したところ、まさにラーメン専門店のそれとまったく遜色ない完成度で、非常に驚いていました。特に麺は、もともと強かったコシがさらにアップしていて、相当な食べごたえのようです。ただ、スープは醤油味が濃厚すぎるようで、好き嫌いが別れるかもしれないとのことです」
 同社の安藤徳隆専務は、早すぎるラ王復活について、「その時代の最新の技術を搭載した最もうまい麺につけるブランドがラ王」としている。


「追湯商法にしてやられた」怒ったり、あきれたり 「ラ王」1か月足らずでリニューアル「復活」 2010年8月27日 J-CAST
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/business/n_nissinfoods__20100826_12/story/20100826jcast2010274362/
盛大な「追湯式典」から1か月もたたない、あの「ラ王」がノンフライ麺に姿を変えて復活する。日清食品は2010年8月24日、「生産を打ち切ったラ王に代わる新たなラ王を、9月初旬から関東などで発売する」と発表した。生産終了の大々的PRにつきあわされたラ王ファンからは、「買いだめしたオレは負け組」といったぼやきが聞かれる。

「ショック」と20万件以上のメッセージ
日清食品は2010年7月下旬、同社のカップラーメン「ラ王」の生産を8月末で終了することを明らかにした。
「ラ王」は1992年に、本格的な食感が楽しめる「生タイプめん」カップラーメンの先駆けとしてデビュー。ピーク時の93年度には1億4000万食が売れた。
だが、90年代後半からカップラーメン業界の技術が向上。油で揚げずに熱風で麺を乾燥させる「ノンフライめん」でも十分ラーメンに近い食感を出すことができるようになり「ラ王」の強みが薄れてしまった。近年売り上げが落ちていたという。
同社は7月末からネット上で「ラ王追湯(ツイートウ)式典」なるキャンペーンを実施した。特設ウェブサイトを開設、生産終了に対する感想などをツイッターから投稿してもらった。「追悼」をもじった「追湯」式典に「ツイートウ」文を寄せた人の中から抽選で、ラ王1ケースなどの景品を贈るという企画。8月20日までの期間中、「ファンだったのでショック」といったメッセージが20万件以上寄せられた。

「生めんタイプがなくなることには変わりません」
ところが、生産終了発表から1カ月後の8月24日、新たな発表が…。「ラ王」をノンフライめんタイプに切り替えてリニューアル復活させる。「ラ王 背脂濃コク醤油」など2商品。9月6日から関東甲信越・静岡地区で売り出し、10月4日からは全国で展開するというのだ。
日清食品ホールディングス広報部の担当者によると新しいラ王は「全くの別物」。現在の技術でできる「最高のカップラーメン」だという。「カップラーメンは年間30億円売り上げればヒットと言われますが、その3倍100億円を目指します」と強気だ。価格は248円なので、4000万食以上売れなければいけない計算になる。
生産終了を大々的にPRしていただけに、ツイッターには「買いだめした自分は負け組」「なんのための追湯式典だったんだ」「復活早すぎ」といったつぶやき多数見られる。
同社担当者は、「混乱を招いたことは申し訳ないと思っています。しかし、生めんタイプのラ王がなくなることには変わりがありませんので」
確かに、振り返ってみると「追湯式典」サイトには「ありがとう、ラ王。さようなら、生タイプ」という記述があった。生産を終えるのはあくまで「生めんタイプのラ王」だと言っているようにも見えなくもない。
今回のラ王「復活」はメディアでも大きく取り上げられた。朝日や毎日などの全国紙が報じ、夕刊フジは「『ラ王』1カ月で『復活』に怒りのファンも 『閉店商法だ』」という見出しをうたった。

「別れから…長い時が経った」
ツイッターや2ちゃんねるでも引き続き話題で、「復活するのは分かってたけどこんなに早いとバカにされてるみたい」「リニューアルって最初から言えばいいのに」などのほか、「小沢出馬表明よりも、ラ王復活の方が解せない」といった投稿が寄せられている。
8月24日発表されたリリース文には「弊社の技術イノベーションとマーケティングの総力を注ぎ込み、『日清ラ王』の復活を図ります」と書かれていた。これだけ話題になっているということはみんな「見事なマーケティング」にすっかりやられてしまったということか。
「追湯」締め切りから4日後の「復活」発表。特設サイトを訪れると、こういう文字が目に飛び込んでくる。「あの別れから4日間という長い時が経った。」「王位継承者あらわる!」






 う~ん。結局この騒動は一体何だったんでしょうね…(汗
 私自身、ラ王の買いだめこそしなかったものの、コンビニのご当地ラーメンブームの先駆けを作った、『いかに本物のラーメンに近い味を出すか』に挑戦したラ王にはそれなりの思い入れがありますし、『これだけ知名度の高いブランドを捨て去るなんて、海外では絶対にありえない!!!』とさえ思っていたのですが、果たして今回の騒動は最初から答えありきのやらせだったのか、それとも本当に方針転換だったのか…。
 まあ、二番手・三番手以下の会社が一か八かのカケでやるならともかく、日清食品という日本の中では圧倒的なシェアを誇る会社が行った行為としては、あまりにも軽率と言えるでしょうし、下手をすると今度はラ王どころか日清食品というブランドそのものが棄損することにならないかの方がむしろ心配です。

省エネ性能かさ上げ、エアコン試験見直しへ

2010-09-05 09:49:45 | Weblog
省エネ性能かさ上げ、エアコン試験見直しへ 2010年8月29日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100829-OYT1T00102.htm
 家庭用エアコンの省エネ性能が過大表示されているとの批判を受け、業界団体の日本冷凍空調工業会は28日、エアコンの性能試験を2011年4月をめどに第三者機関に分離する方針を固めた。
 消費者が重視する省エネ性能を高く見せるため、日常生活では通常使わない設定で試験をした例があったためだ。日冷工は、新たに設立する財団法人に性能試験を委嘱し、家庭での使用実態に近い試験を行う体制を整える。
 省エネ性能は、日冷工が日本工業規格(JIS)に基づき、消費電力に対する冷暖房能力を指標化している。ところが、一部メーカーの試験では、消費電力が大きい騒音防止機能を切り、轟音(ごうおん)が出る「爆風モード」で行うなど、省エネ性能のかさ上げが発覚した。



 この「爆風モード」という言葉。私自身、日経ビジネスの2010年6月21日号に載っていた「エアコンに2つの過大表示疑惑 http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100617/215008/」という記事を読んで初めて知り、この事実を知った時の衝撃も大きかったのですが、何でもカタログスペック上の性能を高める等の目的で、温度や風向といった複数のボタンを、普段の生活では絶対にやらないようなパターンで押すことで設定する「爆風モード」というものがあり、この爆風モードでわざわざ測定を行う(但し、通常我慢の限度を超える大音量を出し、暖房の場合は肌寒く、冷房では生暖かい風を連続して吹き出すことで、消費電力を抑えるそうで、このような状況で測定したデーターなど何の役にも立たないことは明らかです)ことで、省エネ性能を実態以上に良く見せているかさ上げ行為が横行しているようですね…(呆れ

 まあ、常識的に考えれば、電気屋さんが利益率の高いエアコンを売りたいと内心では思っていても、(後々のトラブルを避ける意味でも)一応は複数の種類のエアコン(売りたい高い値段のエアコンと家電量販店で安売りされていそうなお手頃な値段のエアコン)を掲示して『あくまでも選んだのはお客さん自身で私が押し売りしたのではありませんよ』というポーズを取りたいでしょうし、私自身、このような手口があるなど知りもせずに、昨年この手口で高い方のエアコン(と言っても、普及価格帯の2倍程の値段でしたが…)を買わされてしまった口(FPを名乗っているのに恥ずかしい話です)なのですが、このようなまやかしを放置すれば、ひいては日本のエアコン業界そのものの信用問題にもなりかねませんし、一歩間違えば日本のエアコン業界の競争力そのものも奪いかねない危険な状態。騙される私達消費者の側にも問題がないわけではありませんが、是正は至極当然の判断だと思います。

帝京大学医学部付属病院の院内感染死亡事故関連報道 5本

2010-09-05 09:38:19 | Weblog
院内感染の疑いで9人死亡 帝京大病院、46人感染確認 2010年9月4日
朝日 http://www.asahi.com/health/news/TKY201009030370.html
 帝京大学医学部付属病院(東京都板橋区)は3日、複数の抗生剤が効きにくい多剤耐性の細菌アシネトバクターによる院内感染が起き、1日までに46人が感染したと発表した。ほぼ全員が血液や腎臓などに重い病気をもっていた。27人が亡くなり、このうち9人は感染と死亡との因果関係を否定できないという。厚生労働省によると、この菌による院内感染では過去最大の規模になるという。
 感染したほとんどの患者の菌は特徴が似ていることから、ほぼ院内感染によるものとみられる。35~92歳の男性27人、女性19人。60代以上が7割を超える。血液や循環器に重い病気を患って免疫力が低下している人が多い。病院の調査では、9人のほか、12人は持病などが原因で死亡。残り6人は因果関係が不明だという。
 病院の説明によると、4月から5月に、内科系病棟で約10人の患者から菌が検出された。病院は、感染者を個室で管理し、病棟を一時閉鎖。部局をまたがるスタッフでつくる感染制御委員会も事態を把握し調査を始めた。
 カルテや保管していた検体を調べ直したところ、昨年8月から今年9月までに46人がアシネトバクターに感染していたことがわかった。患者が確認されたのは11カ所。
 最初の死亡者は昨年10月。感染源は特定できていないが、複数のルートがある可能性が認められるという。
 感染患者のうち近くの医療機関に2人が転院。1人には院内感染の事実は伏せていたという。
 実は2月ごろ、院内で散発的に患者から菌が検出され、病院の感染制御部が「院内感染の可能性に注意を」という警告文書を出したという。しかし、各部からは菌検出の報告はあがらず、病院は集団感染の疑いがあると認識しなかった。一部の抗生剤は効いたため、担当医が報告をあげなかったことが、5月以降の調査でわかった。
 厚生労働省は都道府県に対し、多剤耐性アシネトバクターが病院内で発生した場合に報告を求める通知を昨年1月に出しているが今回、報告は今月2日だ。
 報告の遅れについて森田茂穂院長は「当時は患者への治療に百%専念することを念頭に置いていた」と話した。
 舘田(たてだ)一博・東邦大医学部准教授(微生物・感染症学)は「欧米では院内感染対策上、この菌に注意が必要とされており日本でも怖さが知られている。なぜここまで広がってしまったのか」と指摘する。
 アシネトバクターの院内感染では、2008年秋~09年1月に福岡大病院(福岡市)で26人が感染し4人が死亡した例がある。このときは、韓国で手術を受けた患者から菌が検出され、ここから感染が広がった可能性がある。

菌検出は昨夏、多剤耐性と疑わず 帝京大で感染拡大 2010年9月4日 朝日
http://www.asahi.com/health/news/TKY201009030534.html 
 複数の抗生剤の効かない細菌アシネトバクターによる院内感染の疑いで、わずか1年で少なくとも患者9人が死亡した。帝京大学病院は5月に異変に気づいて内部調査を始めながら、9月まで外部に報告、公表を一切しなかった。3日の会見でその理由は明確にされず、どこからどのように感染が広がったのかもよくわからない。対応が遅れる間に被害はじわじわ広がった。
 「命を守る病院でこのようなことをして申し訳ない」
 会見冒頭、森田茂穂帝京大病院長らはコメントを読み上げると、深々と頭を下げた。
 国や東京都などへの報告や対応が遅いのではないかと問われると、森田院長は「現時点では、公表すべきだったと思う」と述べた。
 病院や都によると、病院が調査と対策に乗り出したのは、今年4~5月に約10人の患者から多剤耐性菌が見つかったことがきっかけだった。その調査で2009年8月に第1号の感染者が出ていた可能性が分かった。
 10月には、耐性菌との因果関係が否定できない最初の死亡者が出ていた。主治医はこの時点で、抗生剤が効きにくかったことを把握しながら、院内感染対策にあたる感染制御部に報告しなかったという。最初の死亡例では、菌の感受性の検査で「多剤耐性」という結果が出た。しかし、主治医はある抗生剤が効いたため、多剤耐性とは認識しなかったという。
 報告がなかったことについて、森田院長は「情報伝達が共有されていないという重大な側面です」と対応の誤りを認めた。
 病院では、この多剤耐性菌が見つかった場合は、感染制御部に報告する決まりがある。
 都などへの報告や公表が遅れた理由を複数回、問われても、院長らは「申し訳ない」「不備があったと認めざるを得ません」と繰り返すだけだった。一方で「当時、患者さんに百%治療にあたることを念頭においていたため」とも述べた。
 また、感染が相次いでいたことを把握していなかったのか、との問いについては、「2月までは月ごとの報告は1とか2、多くて3だったので」と答えるにとどまった。
 都などへの報告も遅れた。板橋区保健所や都への報告は、発表前日の今月2日だった。感染した患者への説明も死亡した患者の遺族以外へは「きょうの会見が終わった後」という。
 都医療安全課の田中敦子課長は「4月だけで約10人の感染が確認されており、その時点で報告があれば、速やかな対応ができた。7月30日に調査委員会を開いた時点では、明らかに集団感染を認識していたと考えられ、遅くとも、その時点で報告があるべきだった」と話した。

■階を超え感染、経路は不明
 感染は15~17階にある内科系の西病棟を中心に広がった。感染者46人のうち25人が集中する。16階の血液・総合内科と17階の腎臓・総合内科の2病棟で特に多かった。
 アシネトバクターは人工呼吸器や点滴の管を介して感染する可能性がある。尿や痰(たん)、膿(うみ)などにも含まれ、トイレが感染原因になることもある。昨年の福岡大病院の例では、人工呼吸器の関連器具の消毒が不十分で菌が残ったのが主な感染源だったほか、血管に入れる細い管や包帯を載せた台車、ベッドなどからも菌が検出された。
 帝京大病院の説明では、医師は複数の病棟の患者を受け持つ。こうした医療従事者が感染を媒介した可能性がある。手術の過程で感染した患者がいることや、人工呼吸器周辺から菌が検出されたことも明かした。
 都の田中課長は3日の記者会見で、「病院スタッフによって菌が運ばれた可能性は否定できない」。中川原米俊医療政策部長は「感染ルート解明が第一。患者がいるので拡大防止が大事だ」と述べ、感染経路を突き止める姿勢を強調した。そもそも菌がどこから院内に持ち込まれたのかもわかっていない。


緑膿菌でも1人死亡、同時期に院内感染か 2010年9月4日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100904-OYT1T00601.htm
 複数の抗生物質が効かない多剤耐性の細菌アシネトバクターによる院内感染が発生した帝京大病院(東京都板橋区)で今年6月以降、患者4人が多剤耐性の緑膿(りょくのう)菌に感染し、うち1人が死亡していたことがわかった。
 報告を受けた都は、多剤耐性アシネトバクターと同時期に、緑膿菌についても院内感染が起きた可能性が高いとみて、同病院の衛生管理について詳しく聞き取りを進める。
 都によると、同病院内で多剤耐性緑膿菌に感染した患者1人が見つかったのは今年6月初旬。さらに8月までに、別の患者3人も感染した。同病院では、その4人について効かない抗生物質のパターンが似ていることから、院内感染の可能性が高いとみている。4人のうち、心臓疾患を持っていた1人は同月24日に死亡しており、感染との因果関係が否定できないという。
 厚生労働省研究班の調査で、多剤耐性の緑膿菌は全国の基幹病院の86%で検出されている。
 アシネトバクターによる院内感染では、がんなどで入院していた46人が感染し、うち27人が昨年10月~今年8月に死亡。このうち、糖尿病や慢性腎不全などの患者9人について、同病院は、死亡と感染の因果関係が否定できないとしている。
 都では、「基本的な衛生管理が行き届いていなかった」としている。

「死者」医師も知らされず…公表遅れに批判の声 2010年9月4日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100904-OYT1T00633.htm
 帝京大病院(東京都板橋区)で入院患者46人が多剤耐性の細菌アシネトバクターに感染していた問題は、4~5月の段階で16人もの感染者を出しながら公表が遅れた事態に、病院の内外から驚きと批判の声が出ている。
 欧米で被害が相次ぎ、日本でも警戒感が高まっていたアシネトバクター。感染症の専門家らは「社会全体での情報の共有化」の必要性を強調している。
 「うちの病院なら、この菌の感染が1件でも疑われれば、まず保健所に連絡する。同時に、すぐに感染状況を調査して拡大防止に取り組むはずだ」。院内感染の研究に力を入れる順天堂大学の堀賢准教授(感染制御科学)はそう指摘する。
 帝京大病院が保健所に状況を報告したのは今月2日で、翌3日に記者会見して報告の遅れを謝罪した。堀准教授によると、院内感染への対応は病院ごとに違いがあるのが実情。堀准教授は「菌が患者とともに病院内に入ることは防げない。だから、散発的に見つかるだけなら動かず、集団感染が起きたら動くという方式と、うちの病院のように1件でも積極的に対応する方式とがある」とした上で、「帝京大病院がどの方式かは分からないが、こうした状況が今回の対応遅れに関係しているかもしれない」と話した。
 厚生労働省の院内感染対策マニュアル作成に関する研究班の委員を務めた朝野和典(とものかずのり)・大阪大付属病院感染制御部長も「多剤耐性アシネトバクターによる院内感染は海外では珍しくなく、日本で抑えられていたのがむしろ不思議」とし、「この菌の感染者がいる医療機関はほかにあるかもしれず、感染が分かった時点で速やかに公表することが大切」と指摘。帝京大病院に対し「感染ルートの特定を急ぐべきだ」と注文した。
 因果関係が否定できないケースだけで9人の死者が出ていたことに対しては、院内からも驚きの声が上がった。帝京大病院に勤務する医師の一人は「死亡者が出ていたということは報道で初めて知った」と話す。
 同病院では6月24日、医師、看護師、事務職員を含めた全職員対象の院内感染予防講習会が開かれ、その後、講習会に参加できなかった人のためのビデオ講習会も開かれたという。この医師は「(自分が出席した講習会で)死者が出ているという説明はなかったと記憶している」という。
 医師は「もっと早く問題の重大さについて、院内に知らせてほしかった」とし、「院内感染の細菌は毒性も弱いため、対策に切迫感が足りない面はあったかもしれないが、死者が出ているのが分かれば、対策を取れたと思う。残念」と語った。

帝京大病院:対策後も4人死亡 専従者不足で拡大か 2010年09月05日 毎日
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100905k0000m040100000c.html
 帝京大病院(東京都板橋区)で発生した多剤耐性菌アシネトバクター・バウマニによる院内感染で、感染との関連が否定できない死者9人のうち4人は、病院が対策に乗り出した今年5月以降に亡くなっていたことが分かった。厚生労働省や都は対策の遅れに加え、専従スタッフの少なさなど体制の不十分さが感染拡大を招いたとみて、感染ルートなどの解明を進めている。
 病院によると、今年4月から5月初めに八つの病棟で、約10人の患者から同菌が相次いで検出されたことから「院内感染」と認識して対策を開始。感染者を個室で管理し、一時的な入院制限や病棟の除菌などの措置を講じた。6月には全職員を対象とした講習会も開き注意喚起した。
 しかし、感染の拡大は止まらず、5月20日に急性骨髄性白血病の男性(56)が死亡。同29日にも糖尿病の女性(55)が亡くなるなど、感染との関連が否定できない死者は8月25日までに4人に上った。感染が確認された患者数も、5月7人▽6月6人▽7月1人▽8月7人--の計21人に達し、全感染者46人の半数近くを占めた。
 同病院はベッド数1154床で、都内でも有数の大規模病院。しかし、都によると院内感染防止対策の専門スタッフは医師1人、看護師1人のみで、同規模の病院に比べて少なかったという。
 都は「4~5月の時点でそれなりの対策は取られたが結果的に不十分だったため、医療従事者などを通じて広がった可能性がある」と指摘している。




 院内感染問題は、その噂が流れるだけでも病院の評判を落とし患者数の激減を招くだけでなく、金銭補償や民事&刑事裁判沙汰にもなりかねないだけに、病院側が隠ぺいを図ることはしばしば起こりうることですが、それにしても院内感染の疑いで死亡者が9人も出ているというのに、国への報告を怠るばかりか、診療に従事する医師にも多数の死者が出るほどの深刻な事態に陥っていることを知らせないなんて、それだけでも管理体制を疑いますし、医師が知らないならば、当然ながら看護師など医療従事者にもこの事実を知らせていなかったと考えるのが妥当かと思いますが、この病院は、病院の社会的責任というものを一体何だと考えているのでしょうか…(激怒!!!

 この病院の場合、一般病床だけでも1100を超える数ある私立病院の中でも有数の大病院だけに、病院経営への影響を考慮して国への報告が遅れた(隠そうとした?)というところまでは(やっていることの是非は別にしても)どの段階で公表すべきなのか逡巡するところもあったのかもしれませんが、医療従事者である医師や看護師・介護師など患者と普段から接する医療従事者にまで隠し通すことは、医療従事者を介して更に多くの入院・通院患者に病原菌をばらまきかねませんし、100歩譲って当面の間かん口令を布くとしても、最低限でも医療従事者や出入り業者には真実を伝えることで、これ以上の感染拡大を防ぐなど 感染拡大のための最大限の努力くらいはすべきだったのではないでしょうか…。
 ひょっとしたら、お見舞い患者を介在して病原菌がその方の家族や知り合いに二次感染し、高齢者など病院とは何の関係もない方が巻き込まれている可能性もあるだけに、この問題は単に病院の経営体質の問題では片付けることができない重大な問題を抱えているように思います。

森元首相が町村派退会届、参院議員会長選で不満

2010-09-05 09:23:22 | Weblog
森元首相が町村派退会届、参院議員会長選で不満 2010年09月03日 
読売 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100902-OYT1T00986.htm
毎日 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100903k0000m010082000c.html 
産経 http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100903/stt1009030021000-n1.htm
 自民党町村派の森元首相は2日の同派幹部会で退会届を提出した。
 8月に行われた同党参院議員会長選を巡り、安倍元首相らが同派の谷川秀善・前参院幹事長を支持しなかったことへの不満が理由だ。会長の町村信孝元官房長官は慰留しているが、町村氏自身が出馬する衆院北海道5区補欠選挙(10月24日投開票)を前に、派内のお家騒動は過熱する一方だ。
 この日の幹部会は、同会長選で谷川氏の対抗馬である中曽根弘文氏の推薦人となった同派議員5人の処分などについて協議した。森氏は、同派が一致して谷川氏を支持しなかったことに不満を表明し、町村氏に退会届を提出した。
 一方、安倍氏は幹部会で、推薦人の1人から相談を受けた際「自分の思うようにしたらいい」と中曽根氏を事実上支援した経緯を認めた上で、「造反組」を処罰する場合は同派の相談役を辞任する考えを伝えたという。

自民、攻勢狙い「攻め手」探し 民主党代表選を注視2010年09月04日 共同
http://webun.jp/news/politics/kyodonews/20100904/63455
 自民党は、民主党代表選で菅直人首相と小沢一郎前幹事長のどちらが当選しても、次期臨時国会で一気に攻勢をかける考えだ。「攻め手」を探し両氏の発言を注視する背景には、民主党分裂の場合はどちらかと組んで政権復帰をとの本音ものぞく。
 「どっちが当選しても自民党に都合がいい」。ある閣僚経験者はほくそ笑む。小沢氏が勝てば国会で『政治とカネ』問題を徹底的に追及し追い詰めることが可能。一方菅氏ならば、財政健全化が公約だけに、思い切った円高対策は打てないと計算しているからだ。
 自民党が「税率10%」を掲げる消費税率引き上げに関して、小沢氏は慎重派で菅氏は推進論者。小沢氏が当選すれば「マニフェスト(政権公約)完全実施は絵空事。財源なきばらまきだ」と追及、菅氏続投なら準備不足を逆手に取り増税論議の主導権掌握を描く。
 臨時国会で追及、最終的には衆院の早期解散に追い込むのが基本方針。特に小沢首相なら「1年間に3人目」となり、解散・総選挙を求める世論の盛り上がりが予想される。「政治とカネの問題の清算を狙い『みそぎ解散』する」(ベテラン議員)ともくろむ。

メディア注目は代表選、埋没・自民に危機感 2010年9月5日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100905-OYT1T00022.htm
 民主党代表選にメディアの注目が集まる中、自民党が危機感を募らせている。
 かつては党総裁選のたびに「メディアジャック」をしては、民主党を悔しがらせたのとは正反対の立場に置かれ、「しばらくは何をやってもだめ」とあきらめムードも漂っている。
 「私も総裁選に出た時、(メディアは)自民党の話題ばかりだった。今注目されないからといって、すねてもしょうがない。その間、どれだけきちんとしたことを発信するかだ」
 自民党の石破政調会長は4日の読売テレビの番組で麻生元首相らと競った2008年の総裁選を振り返りながら、こう語った。
 石破氏の発言は、先の参院選で民主党を上回りながら、党勢が弾まないことへの党内の焦りを踏まえたものだ。3日の党役員と都道府県連幹部との合同会議でも、地方から「政権の敵失がありながら、自民党の姿が見えない」と不満の声が相次ぎ、谷垣総裁が「国会閉会中は、(野党の話題は)メディアに取り上げてもらえない。地道にやっていく」と引き取る場面もあった。



 一方、こんな時だからこそ 一致団結して攻めに転じたいはずの野党第一党の自民党は、森元首相が参院議員会長選で『自派から造反組が大量に発生したあげく、自身が推薦した谷川秀善氏が同数獲得票数でくじ引きで敗れた』ことを根に持って 町村派(旧森派)に退会届を提出。
 派閥を代表し、一度は総理まで経験された方だけに、町村氏も遺留せざるを得ないのだとは思いますが、反抗に出る格好のチャンスに自分の所属する党の邪魔をするような言動を取るなんて、この輩もいよいよ一政治家としての判断能力も衰えてきましたかねぇ…(呆れ
 まあ、森氏が町村派から離脱することで、『古いタイプの政治家が院政を引くことで若手政治家の足を引っ張る悪循環が少しでも減る』ことになれば、これはこれで好ましい兆候なのかもしれませんが、民主に嫌気がさした浮動票を取り込む格好のチャンスに自らが泥を塗るような言動を行って党の足を引っ張るなんて、私情を政治の世界に持ち込むだけでも大迷惑ですし、保守勢力はいっそ安倍氏あたりにでも引き継がせた方が、国民としても選択の幅が広がり好ましいのではないでしょうか…。
 民間の大企業でも ワンマン経営者が引き際を誤り晩節を汚した事例は、それこそ枚挙にいとまがありませんが、政治の世界でそれをやってもらっては日本という国の国際競争力にも影響しかねませんし、実質引退する?にしても静かに引退すればいいものの、ホント『見苦しいにも程がある!!!』としか言いようがないと思います。

民主党代表選の行方は大混戦 ニュース3本

2010-09-05 09:16:53 | Weblog
小沢氏170人、菅氏160人 国会議員票は伯仲 2010年09月03日 共同
http://webun.jp/news/politics/kyodonews/20100903/63256
 共同通信社は、菅直人首相と小沢一郎前幹事長が争う民主党代表選の序盤情勢を探るため党所属衆参両院議員412人の支持動向を探った。3日現在、小沢氏約170人、菅氏約160人で伯仲している。
 ただ、未定、無回答などが約80人と2割弱あり国会議員票だけでも情勢は流動的。投開票は14日で、世論の動き次第で態度が変わる議員もいるとみられる。未定、無回答の半分を占める衆参両院当選1回生や地方議員、党員・サポーター票も含め両陣営の争奪戦が激化しそうだ。
 取材は議員本人からの聞き取りを基本に所属グループの対応なども加味して集計した。代表選はポイント制で総計1224ポイントを奪い合う。国会議員票は1人2ポイントに換算され合計824ポイントで全体の7割弱を占める。単純計算で小沢氏は約340ポイント、菅氏は約320ポイントを確保した計算となる。
 これまで菅陣営の基礎票は、菅首相グループ約50人に加え、前原誠司国土交通相系約40人、野田佳彦財務相系約30人で約120人とみられていたが積み増した格好。対話集会開催などで新人取り込みを狙った効果が表れたようだ

競る国会議員票、党員・サポーターは菅氏先行 2010年9月4日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100903-OYT1T01246.htm
 読売新聞社は3日、民主党代表選(14日投開票)の序盤情勢を調査した。
 再選を目指す菅首相と小沢一郎前幹事長がそれぞれ党所属国会議員160人程度の支持を固め、激しく競り合っている。態度を明らかにしていない国会議員約90人の動向が今後の焦点となる。地方議員票と党員・サポーター票では現時点で菅氏が先行している。ただ、投開票まで10日以上あり、論戦の行方しだいで情勢は変動する可能性がある。
 調査は、民主党の国会議員への取材、都道府県連幹部や地方議員、党員・サポーターへの聞き取りなどで実施した。
 代表選で投票権を持つ国会議員は412人。このうち約半数を占める衆参両院の当選1回議員から、両氏はともに70~80人程度の支持を得て拮抗(きっこう)している。
 菅氏は、自ら率いる菅グループのほか、前原、野田両グループの支持をほぼ固めた。閣僚、副大臣、政務官の「政務三役」でも約7割の支持を獲得した。
 小沢氏は、衆院の比例選出議員の支持で菅氏を上回っている。2009年衆院選で、候補擁立など陣頭指揮をとったことが影響しているとみられる。
 党内最大勢力である小沢グループの支持も、7割強を固めた。ただ、同グループの約2割は態度を明確にしておらず、「菅氏を支持する」とした議員も8人いた。
 一方、党内では、鳩山グループの4割、旧民社党系グループの5割、旧社会党系グループの3割弱が態度を明らかにしていない。
 菅、小沢両陣営は態度未決定の議員への働きかけを強めているほか、相手方を支持する議員の切り崩しを進めている。
 地方議員票と党員・サポーター票では、菅氏が世論の高い支持を追い風に、6割~7割を獲得する勢いを示している。
 小沢氏は地元の岩手県のほか、米軍普天間飛行場移設問題で菅政権への不満を強める沖縄県などで、地方議員や党員らの一定の支持を獲得する見通しだ。
 代表選は、国会議員、地方議員、党員・サポーターの投票結果をポイントに換算し、総計1224ポイントの過半数を獲得した候補が当選する。このうち国会議員票は計824ポイントで全体の約7割を占める。

ネズミ・ゴキブリOK…政界で見慣れた?小沢氏 2010年9月4日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100904-OYT1T00356.htm
 民主党代表選に出馬した菅首相、小沢一郎前幹事長は3日、それぞれの手法で支持を訴えた。
 小沢氏は議員会館で民主党議員の事務所を個別に訪問した。田中真紀子・元外相から「ネズミとゴキブリ、どちらがお嫌い?」と尋ねられると、「どっちも気にならない」と返答。田中氏が「政界でいっぱい見てるから?」と突っ込み、大笑いする場面もあった。
 「マスコミ嫌い」で知られる小沢氏だが、この日は二つのテレビ番組に出演。「女性の支持が低い」と指摘されると、「女性にもてない。強引でおっかないイメージだから」と笑い飛ばすなど、笑顔を増やしてイメージアップに努める作戦だ。3日夜には記者団に「もっと長時間、政策論議ができるよう、新聞、テレビは心がけてもらいたい」と注文を付けた。
 菅氏は同日、都内で開かれたエイズ治療写真展の記念講演会で、「薬害(エイズ)に関しては、厚相の時、責任を国として認め、全員と和解した」と、厚相時代の実績をアピール。態度未定の議員には公務の合間を縫って電話で支持を訴えている。2日夜は首相公邸から、10人以上に電話をかけたという。若手議員の携帯電話の留守電には、「公務が入り、大変遅い時間になりました。よろしくお願いします」とのメッセージが残されていた。




 14日に行われる民主党の代表選ですが、国会議員票は伯仲しているものの小沢氏がわずかにリード、一方の党員・サポーター票は菅氏が先行するという、未だにどちらが勝つのか予想がつけにくい大混戦となっているようです。
 それにしても 庶民を対象に行った世論調査では菅氏を支持する方の比率の方が圧倒的に多かったはずなのに、国会議員は党員やサポーターの2票分の権利を持つことや、前回の小沢チルドレンが大量に発生した影響もあるのか、決戦は前回と異なりまさかまさかの大混戦に…。
 通常は代表選の前に事実上の本命が決められてしまう出来レースの感が強く、これまで党員やサポーター票が注目されることはあまりなかっただけに、こちらは良い兆候と受け止めてもいいのでしょうか…。
 とはいえ、もし小沢氏が勝利することになれば、菅氏も総理大臣のままではいられないでしょうし、かといって菅氏が勝利しても僅差の勝利だと、小沢一派が党を割る最悪のシナリオも招きかねないだけにマスコミ報道はどうしても民主党が中心になりそう。まあ、雨降って地固まるとなればいいのですが、さてさてどうなることでしょうか…。

 一方、小沢氏は、田中真紀子氏と中々シュールな会話をしていたようで…(苦笑
 この方(田中真紀子氏)の影響力も決して無視できないだけに、両陣営とも何とか取り込もうと必死なのでしょうが、大切なのはどちらが勝利しても遺恨を残さず、今後の日本の立て直しに全力を尽くしてもらうこと。その当たり前で肝心のことを決して忘れないで欲しいと思います。