労相「麻生政権で新制度」 後期高齢者医療 2008年9月20日
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20080920AT3S2000420092008.html
読売 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080920-OYT1T00122.htm
朝日 http://www.asahi.com/health/news/TKY200809200065.html
舛添要一厚生労働相は20日朝、出演したTBS番組で「後期高齢者医療制度に代わる新しい医療制度を創設する」と語り、後期高齢者医療制度を維持する政策からの方針転換を打ち出した。同相はこの考えを自民党総裁選での勝利が有力視される麻生太郎幹事長にも伝えたことを明らかにし、「麻生政権ができれば政策として実現する。所信表明演説にも盛り込まれる」と述べた。
後期高齢者医療制度は75歳以上の高齢者を若い世代から切り離し独自の保障をする制度。だが年金からの保険料天引きなどが感情的な批判を呼んでいる。同相は新たに検討する医療制度は(1)年齢のみで対象者を区分しない(2)年金からの保険料天引きを強制しない(3)世代間の反目を助長しない仕組みを財源などで工夫する――という三原則に基づいて設計することを強調した
厚労相の高齢者医療見直し発言、根回し不足で与党に波紋 2008年9月21日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080921-OYT1T00010.htm
舛添厚生労働相が突然、75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度(長寿医療制度)の見直しを打ち出したことが、政府・与党に波紋を広げている。
事前の根回しがなかったためで、衆院選へのプラス効果を疑問視する声も少なくない。
舛添氏は20日のテレビ番組で、「国民が支持しないような制度は大胆に見直すべきだ」と述べ、新制度創設の必要性を強調した。〈1〉加入者を年齢で区分しない〈2〉現役世代と高齢者世代の保険料負担の不公平感を助長しない〈3〉年金からの保険料の天引きを強制しない――との3原則で構築するとの構想も示した。
これまで「加入者を75歳で区切るのは、医学的な意味がある」と擁護してきた舛添氏が主張を百八十度転換した形だ。19日夜には記者団に対し、自民党総裁選で選出が確実視される麻生太郎幹事長から「賛同を得た」ことも明かした。
与党は「10月14日公示―26日投開票」の日程で衆院選準備を急いでいる。ところが、公示日の翌日にあたる10月15日に支給される年金で保険料が天引きされる。与党には、4月の衆院山口2区補欠選挙で天引きが告示日と重なり、同制度への批判が逆風となって自民党候補が民主党候補に敗れた苦い記憶が残っている。
このため、自民党内には「10月の天引きは凍結すべきだ」「いっそ制度の廃止を打ち出して衆院選を戦う方がいい」との声が出ていた。舛添氏の発言も同じ流れのものとみられる。
ただ、衆院選への効果については、「これでは廃止だけを主張している野党を攻撃しにくい」「ようやく制度への理解も浸透していたのに、寝た子を起こすようなもの」との声もある。 20日、熊本県など九州で行われた自民党総裁選の演説では、与謝野経済財政相が、舛添氏の発言について、「言っていることがふらふらふらふら毎日変わるんじゃだめだ」と厳しく批判。舛添氏が「賛同」を得たとする麻生氏は、後期高齢者医療制度には触れなかった。
露骨に不快感をあらわにしたのは公明党の山口政調会長だ。支持団体の創価学会会員からの批判に制度導入の意義を繰り返し説明してきただけに、山口氏は舛添氏と同じテレビ番組で、「今までいい制度だからと大臣がおすすめになるから、与党は大臣を支えて国民のみなさんに説明してきたわけですよ」と舛添氏に不満をぶつけた。
一方、野党は格好の攻撃材料を得た形だ。民主党の鳩山幹事長は20日、東京都内での街頭演説で、「選挙直前に党利党略で発想を変えること自体、大変いかがわしさを禁じ得ない」と批判した。
小沢氏、厚労相の医療新制度「まやかし」 2008年9月21日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20080920AT3S2001420092008.html
民主党の小沢一郎代表は20日、松山市内で記者会見し、舛添要一厚生労働相が後期高齢者医療制度に代わる新たな制度の創設に意欲を示したことについて「政府・与党のまやかしの宣伝に、本当に痛めつけられている大多数の国民がごまかされるとは思わない」と批判した。
窓口負担3割の夫婦、1割負担に戻す 後期高齢者医療で厚労省 2008年9月6日
日経夕刊 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080906AT3S0502J05092008.html
朝日夕刊 http://www.asahi.com/health/news/TKY200809060187.html
厚生労働省は75歳以上が対象の後期高齢者医療制度で、夫婦の一方が同制度の対象者となることで、今年8月から医療費の窓口負担が1割から3割に増えた一部の高齢者について、元の1割負担に戻す方針を固めた。政令を改正し、来年1月から実施する。対象は全国で1万数千人とみられ、必要な財源は数億円の見通し。
対象は夫婦のいずれかが75歳以上で後期高齢者医療制度に移り、一方が74歳以下で国民健康保険など既存制度に残ったケースのうち、夫婦のどちらかが「現役並みの所得」と判定されて3割負担に変更された人。与党からも「世帯全体の所得は変わらないのに、負担が増えるのはおかしい」との批判が出ており、見直すことにした。
ん…。私は、どんな副作用が出てくるかをロクにシミュレーションもしないで、理論だけで独立した保険制度を作り、あげく75歳以上の高齢者を強引に一まとめにしたことで、これまで受けられた人間ドック補助などの独自給付が受けられなくなったり、あるいは、高額療養費の算定において不利益を蒙る家庭が増加したため、国民からの余計な感情的反発を招いてしまったのだと思いますが、各誌の報道を見る限りでは、「後期高齢者医療制度に代わる新しい医療制度を創設する」の詳細がわからないだけに、一概には言えないのですが、それでも『窓口負担3割の夫婦を1割負担に戻す』といった継ぎはぎだらけのマイナーチェンジを行い、更に複雑怪奇な制度になっていくことを考えれば、枡添氏が言うような、一度根本的な見直しをした方が良いと私も思うのですが、枡添さんも、まだ厚生労働大臣としての留任が決まったわけでもない(まあ、民主党のミスター年金の長妻さんに対抗できる人材が他にいないのも事実ですが…)のに、随分大胆な発言をしたようですね。
もっともいかにも枡添氏らしく、同じ与党の公明党にさえ根回ししていなかったようで、公明党は反発。果たして制度の見直しはどうなってしまうのでしょうか…。
ちなみに、私は高齢者の比率が増えて、その一方で現役世代の比率が減り続ける現状では、今のような現役世代だけに負担を押し付けるような仕組みは成り立たなくなってしまうと考えますし、消費税を増税して国庫負担を増やす形で財源を補填するのか、それとも高齢者から徴収する保険料で賄うにしろ、負担のバランスの見直しは避けられないと見ていますが、最初から制度の導入ありきでは国民の反発を招くだけ。
むしろ国民に対して、『将来の医療費総額の推移がどうなっていくのか』、『ジェネリック医薬品などを使うことでどれだけ医療費の増加幅を抑えることができるのか』、『制度の見直しをしないままだと現役労働力の社会保険料負担がどう推移していくのか』、『国庫負担を増加させるとして、その財源を消費税で賄おうとすれば、どの位の税率が必要なのか』といった情報を、きっちり国民に公開し、国民自らにどのような医療保険制度にして行きたいのかを考えさせるように仕向けていく必要があるのではないかと思います。
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20080920AT3S2000420092008.html
読売 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080920-OYT1T00122.htm
朝日 http://www.asahi.com/health/news/TKY200809200065.html
舛添要一厚生労働相は20日朝、出演したTBS番組で「後期高齢者医療制度に代わる新しい医療制度を創設する」と語り、後期高齢者医療制度を維持する政策からの方針転換を打ち出した。同相はこの考えを自民党総裁選での勝利が有力視される麻生太郎幹事長にも伝えたことを明らかにし、「麻生政権ができれば政策として実現する。所信表明演説にも盛り込まれる」と述べた。
後期高齢者医療制度は75歳以上の高齢者を若い世代から切り離し独自の保障をする制度。だが年金からの保険料天引きなどが感情的な批判を呼んでいる。同相は新たに検討する医療制度は(1)年齢のみで対象者を区分しない(2)年金からの保険料天引きを強制しない(3)世代間の反目を助長しない仕組みを財源などで工夫する――という三原則に基づいて設計することを強調した
厚労相の高齢者医療見直し発言、根回し不足で与党に波紋 2008年9月21日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080921-OYT1T00010.htm
舛添厚生労働相が突然、75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度(長寿医療制度)の見直しを打ち出したことが、政府・与党に波紋を広げている。
事前の根回しがなかったためで、衆院選へのプラス効果を疑問視する声も少なくない。
舛添氏は20日のテレビ番組で、「国民が支持しないような制度は大胆に見直すべきだ」と述べ、新制度創設の必要性を強調した。〈1〉加入者を年齢で区分しない〈2〉現役世代と高齢者世代の保険料負担の不公平感を助長しない〈3〉年金からの保険料の天引きを強制しない――との3原則で構築するとの構想も示した。
これまで「加入者を75歳で区切るのは、医学的な意味がある」と擁護してきた舛添氏が主張を百八十度転換した形だ。19日夜には記者団に対し、自民党総裁選で選出が確実視される麻生太郎幹事長から「賛同を得た」ことも明かした。
与党は「10月14日公示―26日投開票」の日程で衆院選準備を急いでいる。ところが、公示日の翌日にあたる10月15日に支給される年金で保険料が天引きされる。与党には、4月の衆院山口2区補欠選挙で天引きが告示日と重なり、同制度への批判が逆風となって自民党候補が民主党候補に敗れた苦い記憶が残っている。
このため、自民党内には「10月の天引きは凍結すべきだ」「いっそ制度の廃止を打ち出して衆院選を戦う方がいい」との声が出ていた。舛添氏の発言も同じ流れのものとみられる。
ただ、衆院選への効果については、「これでは廃止だけを主張している野党を攻撃しにくい」「ようやく制度への理解も浸透していたのに、寝た子を起こすようなもの」との声もある。 20日、熊本県など九州で行われた自民党総裁選の演説では、与謝野経済財政相が、舛添氏の発言について、「言っていることがふらふらふらふら毎日変わるんじゃだめだ」と厳しく批判。舛添氏が「賛同」を得たとする麻生氏は、後期高齢者医療制度には触れなかった。
露骨に不快感をあらわにしたのは公明党の山口政調会長だ。支持団体の創価学会会員からの批判に制度導入の意義を繰り返し説明してきただけに、山口氏は舛添氏と同じテレビ番組で、「今までいい制度だからと大臣がおすすめになるから、与党は大臣を支えて国民のみなさんに説明してきたわけですよ」と舛添氏に不満をぶつけた。
一方、野党は格好の攻撃材料を得た形だ。民主党の鳩山幹事長は20日、東京都内での街頭演説で、「選挙直前に党利党略で発想を変えること自体、大変いかがわしさを禁じ得ない」と批判した。
小沢氏、厚労相の医療新制度「まやかし」 2008年9月21日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20080920AT3S2001420092008.html
民主党の小沢一郎代表は20日、松山市内で記者会見し、舛添要一厚生労働相が後期高齢者医療制度に代わる新たな制度の創設に意欲を示したことについて「政府・与党のまやかしの宣伝に、本当に痛めつけられている大多数の国民がごまかされるとは思わない」と批判した。
窓口負担3割の夫婦、1割負担に戻す 後期高齢者医療で厚労省 2008年9月6日
日経夕刊 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080906AT3S0502J05092008.html
朝日夕刊 http://www.asahi.com/health/news/TKY200809060187.html
厚生労働省は75歳以上が対象の後期高齢者医療制度で、夫婦の一方が同制度の対象者となることで、今年8月から医療費の窓口負担が1割から3割に増えた一部の高齢者について、元の1割負担に戻す方針を固めた。政令を改正し、来年1月から実施する。対象は全国で1万数千人とみられ、必要な財源は数億円の見通し。
対象は夫婦のいずれかが75歳以上で後期高齢者医療制度に移り、一方が74歳以下で国民健康保険など既存制度に残ったケースのうち、夫婦のどちらかが「現役並みの所得」と判定されて3割負担に変更された人。与党からも「世帯全体の所得は変わらないのに、負担が増えるのはおかしい」との批判が出ており、見直すことにした。
ん…。私は、どんな副作用が出てくるかをロクにシミュレーションもしないで、理論だけで独立した保険制度を作り、あげく75歳以上の高齢者を強引に一まとめにしたことで、これまで受けられた人間ドック補助などの独自給付が受けられなくなったり、あるいは、高額療養費の算定において不利益を蒙る家庭が増加したため、国民からの余計な感情的反発を招いてしまったのだと思いますが、各誌の報道を見る限りでは、「後期高齢者医療制度に代わる新しい医療制度を創設する」の詳細がわからないだけに、一概には言えないのですが、それでも『窓口負担3割の夫婦を1割負担に戻す』といった継ぎはぎだらけのマイナーチェンジを行い、更に複雑怪奇な制度になっていくことを考えれば、枡添氏が言うような、一度根本的な見直しをした方が良いと私も思うのですが、枡添さんも、まだ厚生労働大臣としての留任が決まったわけでもない(まあ、民主党のミスター年金の長妻さんに対抗できる人材が他にいないのも事実ですが…)のに、随分大胆な発言をしたようですね。
もっともいかにも枡添氏らしく、同じ与党の公明党にさえ根回ししていなかったようで、公明党は反発。果たして制度の見直しはどうなってしまうのでしょうか…。
ちなみに、私は高齢者の比率が増えて、その一方で現役世代の比率が減り続ける現状では、今のような現役世代だけに負担を押し付けるような仕組みは成り立たなくなってしまうと考えますし、消費税を増税して国庫負担を増やす形で財源を補填するのか、それとも高齢者から徴収する保険料で賄うにしろ、負担のバランスの見直しは避けられないと見ていますが、最初から制度の導入ありきでは国民の反発を招くだけ。
むしろ国民に対して、『将来の医療費総額の推移がどうなっていくのか』、『ジェネリック医薬品などを使うことでどれだけ医療費の増加幅を抑えることができるのか』、『制度の見直しをしないままだと現役労働力の社会保険料負担がどう推移していくのか』、『国庫負担を増加させるとして、その財源を消費税で賄おうとすれば、どの位の税率が必要なのか』といった情報を、きっちり国民に公開し、国民自らにどのような医療保険制度にして行きたいのかを考えさせるように仕向けていく必要があるのではないかと思います。