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労相「麻生政権で新制度」 後期高齢者医療

2008-09-21 15:57:54 | Weblog
労相「麻生政権で新制度」 後期高齢者医療 2008年9月20日
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20080920AT3S2000420092008.html
読売 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080920-OYT1T00122.htm
朝日 http://www.asahi.com/health/news/TKY200809200065.html
 舛添要一厚生労働相は20日朝、出演したTBS番組で「後期高齢者医療制度に代わる新しい医療制度を創設する」と語り、後期高齢者医療制度を維持する政策からの方針転換を打ち出した。同相はこの考えを自民党総裁選での勝利が有力視される麻生太郎幹事長にも伝えたことを明らかにし、「麻生政権ができれば政策として実現する。所信表明演説にも盛り込まれる」と述べた。
 後期高齢者医療制度は75歳以上の高齢者を若い世代から切り離し独自の保障をする制度。だが年金からの保険料天引きなどが感情的な批判を呼んでいる。同相は新たに検討する医療制度は(1)年齢のみで対象者を区分しない(2)年金からの保険料天引きを強制しない(3)世代間の反目を助長しない仕組みを財源などで工夫する――という三原則に基づいて設計することを強調した

厚労相の高齢者医療見直し発言、根回し不足で与党に波紋 2008年9月21日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080921-OYT1T00010.htm
 舛添厚生労働相が突然、75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度(長寿医療制度)の見直しを打ち出したことが、政府・与党に波紋を広げている。
 事前の根回しがなかったためで、衆院選へのプラス効果を疑問視する声も少なくない。
 舛添氏は20日のテレビ番組で、「国民が支持しないような制度は大胆に見直すべきだ」と述べ、新制度創設の必要性を強調した。〈1〉加入者を年齢で区分しない〈2〉現役世代と高齢者世代の保険料負担の不公平感を助長しない〈3〉年金からの保険料の天引きを強制しない――との3原則で構築するとの構想も示した。
 これまで「加入者を75歳で区切るのは、医学的な意味がある」と擁護してきた舛添氏が主張を百八十度転換した形だ。19日夜には記者団に対し、自民党総裁選で選出が確実視される麻生太郎幹事長から「賛同を得た」ことも明かした。
 与党は「10月14日公示―26日投開票」の日程で衆院選準備を急いでいる。ところが、公示日の翌日にあたる10月15日に支給される年金で保険料が天引きされる。与党には、4月の衆院山口2区補欠選挙で天引きが告示日と重なり、同制度への批判が逆風となって自民党候補が民主党候補に敗れた苦い記憶が残っている。
 このため、自民党内には「10月の天引きは凍結すべきだ」「いっそ制度の廃止を打ち出して衆院選を戦う方がいい」との声が出ていた。舛添氏の発言も同じ流れのものとみられる。
 ただ、衆院選への効果については、「これでは廃止だけを主張している野党を攻撃しにくい」「ようやく制度への理解も浸透していたのに、寝た子を起こすようなもの」との声もある。 20日、熊本県など九州で行われた自民党総裁選の演説では、与謝野経済財政相が、舛添氏の発言について、「言っていることがふらふらふらふら毎日変わるんじゃだめだ」と厳しく批判。舛添氏が「賛同」を得たとする麻生氏は、後期高齢者医療制度には触れなかった。
 露骨に不快感をあらわにしたのは公明党の山口政調会長だ。支持団体の創価学会会員からの批判に制度導入の意義を繰り返し説明してきただけに、山口氏は舛添氏と同じテレビ番組で、「今までいい制度だからと大臣がおすすめになるから、与党は大臣を支えて国民のみなさんに説明してきたわけですよ」と舛添氏に不満をぶつけた。
 一方、野党は格好の攻撃材料を得た形だ。民主党の鳩山幹事長は20日、東京都内での街頭演説で、「選挙直前に党利党略で発想を変えること自体、大変いかがわしさを禁じ得ない」と批判した。

小沢氏、厚労相の医療新制度「まやかし」  2008年9月21日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20080920AT3S2001420092008.html
 民主党の小沢一郎代表は20日、松山市内で記者会見し、舛添要一厚生労働相が後期高齢者医療制度に代わる新たな制度の創設に意欲を示したことについて「政府・与党のまやかしの宣伝に、本当に痛めつけられている大多数の国民がごまかされるとは思わない」と批判した。

窓口負担3割の夫婦、1割負担に戻す 後期高齢者医療で厚労省 2008年9月6日
日経夕刊 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080906AT3S0502J05092008.html
朝日夕刊 http://www.asahi.com/health/news/TKY200809060187.html
 厚生労働省は75歳以上が対象の後期高齢者医療制度で、夫婦の一方が同制度の対象者となることで、今年8月から医療費の窓口負担が1割から3割に増えた一部の高齢者について、元の1割負担に戻す方針を固めた。政令を改正し、来年1月から実施する。対象は全国で1万数千人とみられ、必要な財源は数億円の見通し。
 対象は夫婦のいずれかが75歳以上で後期高齢者医療制度に移り、一方が74歳以下で国民健康保険など既存制度に残ったケースのうち、夫婦のどちらかが「現役並みの所得」と判定されて3割負担に変更された人。与党からも「世帯全体の所得は変わらないのに、負担が増えるのはおかしい」との批判が出ており、見直すことにした。




 ん…。私は、どんな副作用が出てくるかをロクにシミュレーションもしないで、理論だけで独立した保険制度を作り、あげく75歳以上の高齢者を強引に一まとめにしたことで、これまで受けられた人間ドック補助などの独自給付が受けられなくなったり、あるいは、高額療養費の算定において不利益を蒙る家庭が増加したため、国民からの余計な感情的反発を招いてしまったのだと思いますが、各誌の報道を見る限りでは、「後期高齢者医療制度に代わる新しい医療制度を創設する」の詳細がわからないだけに、一概には言えないのですが、それでも『窓口負担3割の夫婦を1割負担に戻す』といった継ぎはぎだらけのマイナーチェンジを行い、更に複雑怪奇な制度になっていくことを考えれば、枡添氏が言うような、一度根本的な見直しをした方が良いと私も思うのですが、枡添さんも、まだ厚生労働大臣としての留任が決まったわけでもない(まあ、民主党のミスター年金の長妻さんに対抗できる人材が他にいないのも事実ですが…)のに、随分大胆な発言をしたようですね。
 もっともいかにも枡添氏らしく、同じ与党の公明党にさえ根回ししていなかったようで、公明党は反発。果たして制度の見直しはどうなってしまうのでしょうか…。

 ちなみに、私は高齢者の比率が増えて、その一方で現役世代の比率が減り続ける現状では、今のような現役世代だけに負担を押し付けるような仕組みは成り立たなくなってしまうと考えますし、消費税を増税して国庫負担を増やす形で財源を補填するのか、それとも高齢者から徴収する保険料で賄うにしろ、負担のバランスの見直しは避けられないと見ていますが、最初から制度の導入ありきでは国民の反発を招くだけ。
 むしろ国民に対して、『将来の医療費総額の推移がどうなっていくのか』、『ジェネリック医薬品などを使うことでどれだけ医療費の増加幅を抑えることができるのか』、『制度の見直しをしないままだと現役労働力の社会保険料負担がどう推移していくのか』、『国庫負担を増加させるとして、その財源を消費税で賄おうとすれば、どの位の税率が必要なのか』といった情報を、きっちり国民に公開し、国民自らにどのような医療保険制度にして行きたいのかを考えさせるように仕向けていく必要があるのではないかと思います。

年金改ざん6万9000件「実際は数倍も」 第三者委員会の支給認定も1万件を超す

2008-09-21 15:52:26 | Weblog
年金改ざん6万9000件「実際は数倍も」…社保庁幹部 2008年9月19日
読売 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080919-OYT1T00096.htm
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080918AT3S1800D18092008.html
 厚生年金の記録の改ざんが6万9000件にのぼるとされる問題で、社会保険庁幹部は18日、「今回の調査方法には限界があり、実際の改ざん件数は、この数倍にのぼる可能性がある」ことを明らかにした。
 今回の調査が、「標準報酬月額」を実際より引き下げたケースに限られているためで、厚生労働省は同日、近く設置する弁護士ら外部有識者による調査チームで、他の手口により改ざんされた記録も含め、実態解明に乗り出す方針を決めた。
 舛添厚生労働相が18日の国会答弁で表明した「6万9000件」は、加入者の月収に基づく「標準報酬月額」を改ざんした記録の数。舛添厚労相は、社会保険庁がオンラインで管理している1億5000万件の記録を対象に ▽標準報酬月額が5等級以上引き下げられている ▽半年以上さかのぼって後から記録が訂正されている――などの条件を満たす件数を調べた結果だと述べた。
 ただ、総務省の年金記録確認第三者委員会がこれまでに認定した改ざんについて社保庁が調べたところ、加入期間を実際より短縮する手口が約7割を占め、標準報酬月額を引き下げる手口は3割弱に過ぎない。
 また、今回の調査方法では、オンライン化された1986年より前の改ざんは発見できない。標準報酬月額の引き下げが4等級以下など、条件に当てはまらない改ざんも相当数にのぼると見られる。

消えた年金問題、第三者委の支給認定1万件超す 2008年9月19日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080919-OYT1T00015.htm
 「消えた年金」問題をめぐり、総務省の年金記録確認第三者委員会がこれまでに支給を認定した件数が、18日現在で1万296件に上ったことが、同省のまとめで明らかになった。
 昨年7月に、初めて記録訂正の必要があるとあっせん案を決定して以来、約1年2か月で1万件の大台を突破した。
 第三者委には都道府県ごと(北海道は4か所)に置かれた全国50の地方委と、総務省に置かれた中央委があり、弁護士や社会保険労務士などが委員となっている。これまで支給を認めたのは、「保険料を納めたのに、記録が残っていないと社会保険庁に言われた」として審査を申し立てた人が、給与明細などの物的証拠を保管していた場合のほか、物証がなくても申し立てが「明らかに不合理ではなく、一応確からしい」と同委が判断したケース。一方、申し立てを却下した件数は1万3983件と、認定件数を約4割上回っている。

厚生年金改ざん、民主が記録サンプル調査を要請 2008年9月20日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080920AT3S1902219092008.html
 厚生年金の支給額の算定基礎となる標準報酬月額(月給水準)の改ざん問題を巡り、民主党は19日の厚生労働部門・総務部門合同会議で、社会保険庁にコンピューター記録のサンプル調査を実施するよう要請した。社保庁は改ざんの疑いのある記録が約6万9000件と公表したが、従業員を偽装して脱退させるなど多くの改ざん事案が調査の網にかかっていないことが発覚。調査手法への批判が強まっている。
 社保庁が18日に発表した調査手法は、標準報酬月額の引き下げ処理がどのくらいあったかを見つけられるようにしたもの。そのため、社保庁が勝手に脱退させた事案が調査の対象外になる。そのほか、標準報酬月額の引き下げ幅が小さい改ざん事案も6万9000件から漏れている。
 民主党は19日の部会で社保庁に対し、改ざんの真相を調べるため、1億5000万件のコンピューター記録をサンプル調査するよう求めた。だが社保庁はすべて調べるのは「時間とコストがかかり過ぎる」(年金保険課)と否定的な考えを示した。



 で、その年金の改ざんですが、厚生年金の標準報酬月額を不正に引き下げた記録の改ざんが6万9千件にも及ぶことがわかりました。
 もっとも、この6万9千件というのは、『標準報酬月額が5等級以上引き下げられている』『半年以上さかのぼって後から記録が訂正されている』といった、明らかに改ざんの疑いが強いケースに絞られ、改ざん度合いの低いケースは含まれていませんし、改ざんの手口自体が加入期間を実際より短縮する手口が約7割を占め、標準報酬月額を引き下げる手口は3割弱に過ぎないことから、実際にはその数倍の改ざんが疑われているそうです。

 また、「消えた年金」問題をめぐり、総務省の年金記録確認第三者委員会がこれまでに支給を認定した件数が、18日現在で1万296件と1万件を超えたことも判明。
 もっともこの件について、民主党は全件の記録を調査するように求めていますが、社会保険庁は「時間とコストがかかり過ぎる」と否定的な考えを示しているようで、国民の年金不信はますます強まることになりそうな気がしてなりません…。

厚生年金の改ざん対策 ニュース2本

2008-09-21 15:44:28 | Weblog
厚生年金の改ざん調査 標準報酬が急減なら本人通知 2008年9月8日 朝日
http://www.asahi.com/national/update/0907/TKY200809070155.html
 厚生年金の支給額の算定基礎となる標準報酬月額の改ざんが相次いで発覚していることから、社会保険庁は7日、コンピューターで管理する厚生年金の全記録を調べる方針を固めた。標準報酬がある時点で半分以下に引き下げられるなど、改ざんの可能性がある不自然な訂正が見つかった場合、本人に通知する。
 9日に開かれる政府の「年金記録問題に関する関係閣僚会議」で報告する。厚生年金の加入者は3380万人、受給者は1200万人。通知する対象者は検討中だが、標準報酬が下がると年金額が減るため、受給者を優先させる方針。通知を始める時期は未定だ。
 これまで明らかになった標準報酬の改ざんでは、保険料を滞納した会社が、過去にさかのぼって従業員の標準報酬を引き下げ、支払うべき保険料額を少なくして滞納分を解消していた。
 仙台市の元会社員の女性の場合、90年代に勤務していた都内の会社で、標準報酬が30万円だったのを1年半さかのぼって最低ランクの8万円(当時)に減額された。
 年金記録の訂正申し立てを審査する年金記録確認第三者委員会などで確認された標準報酬の改ざん17件について、厚生労働省が調べたところ、同じ事業所に勤務していた他の従業員157人の記録改ざんが確認された。このほか、第三者委員会では、同様の改ざんが疑われる事例約160件が審査されている。
 現在も社保事務所の窓口に行けば、標準報酬を確認することができるが、高齢の受給者には容易ではない。来年度は、加入者には過去のすべての標準報酬が記載された「ねんきん定期便」が送付されるが、受給者は対象外だ。

年金改ざんで社保庁、2500万人に記録通知へ 2008年9月10日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080909-OYT1T00662.htm
 厚生年金の記録改ざん問題で、社会保険庁は、約2500万人の受給者に対して、標準報酬月額などの記録を来年中に郵送で通知する。
 関連情報をインターネットで確認できる仕組みも、今年度中にスタートする予定。社保庁職員の記録改ざんへの関与が判明したため、受給者に改めてチェックを呼びかけることにした。
 記録が改ざんされていると、老後の年金が本来の額よりも少なくなることがある。このため、保険料算定の基準となる標準報酬月額や、加入時期などの記録に間違いが見つかった場合は、社会保険事務所側の処理や事業主の対応について、社保庁が調査を行う。
 標準報酬月額の記録は、来年度から現役加入者に送付される「ねんきん定期便」にも記載されることになっている。
 社保庁ではこのほか、オンライン上のすべての厚生年金記録のうち、標準報酬月額が不自然に引き下げられている記録や、制度から脱退した時期がさかのぼって訂正されている記録などを抽出し、該当者に通知して確認を促す方針も決めている。



 いずれも少し前の報道になるのですが、労働者本人が正しい社会保険料を天引きされているにも関わらず、事業主が書類上より低い標準報酬等級で届出を行い、本来納めなければならない社会保険料を納めずに、労働者当人が将来受け取る年金額が少なくなってしまう『年金改ざん』を防ぐ目的で、
1) 標準報酬がある時点で半分以下に引き下げられるなど、改ざんの可能性がある不自然な訂正が見つかった場合、本人に通知する制度
 及び
2)来年度から現役加入者に送付する「ねんきん定期便」に標準報酬月額の記録を記載する制度
 を社会保険庁が取り入れるようです。

 ただ、単に標準報酬月額だけ通知されたところで、厚生年金保険料の計算式を知らない大半の方から見れば、一段階や二段階等級を誤魔化されたところで気がつくとはとても思えませんし、改ざんを効率的に見つけようと思うならば、働き手にも簡単にチェックができるように労働者負担分の厚生年金保険料(厚生年金基金に加入している場合は、合算した保険料)の金額も合わせて表示するくらいのことはして欲しいもの。
 もし労働者負担分の厚生年金保険料を記載してくれれば、社会保険に対する知識があまりない方でも、お給料明細と照らし合わせることで簡単にチェックができますが、果たして社会保険庁はそこまで気を回してくれるのでしょうか…。
 社会保険庁には、なぜわざわざそのような通知を行うことになったのかかをよく考えた上で、『年金特別便で読み方がわからなかった』という苦情が殺到した失敗を教訓に、今度こそお役所仕様のわかりにくい通知書ではなく、誰が見てもわかりやすい通知書を作成して欲しいものだと思います。

もし麻生氏から入閣打診されたら…小池氏「辞退」の考え

2008-09-21 15:38:22 | Weblog
もし麻生氏から入閣打診されたら…小池氏「辞退」の考え 2008年9月19日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080919-OYT1T00504.htm
 自民党総裁選に立候補している小池百合子・元防衛相は19日、総裁選で選出が確実とみられている麻生太郎幹事長から入閣を打診された場合の対応について、「(麻生氏との)政策の違いは大きいと思う。一つの内閣の中でやっていくのは極めて難しいのではないか」と述べた。
 小池氏は経済成長重視の「上げ潮派」の立場で、景気対策優先の麻生氏との政策面での隔たりを理由に、入閣を要請されても辞退する考えを示したものだ。東京都内での街頭演説会の後、記者団の質問に答えた。

小池「入閣拒否」広がる波紋…中川ともども孤立 2008年9月20日 夕刊フジ
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/society/n_koike_yuriko__20080921_13/story/20fuji320080920017/
 自民党総裁選に立候補している小池百合子元防衛相(56)が早くも次期内閣での入閣拒否を表明した。麻生太郎幹事長(68)の優勢が伝えられる選挙戦で、他候補との政策の違いを強調することを狙った発言とみられるが、小池氏が所属する町村派内からは、首相になれなかった場合でも入閣要請があることを前提とした発言への反発も出ている。
 小池氏は19日、記者団に対し、他候補が首相になった場合の対応について、「(他候補とは)政策の違いが大きいので、ひとつの内閣のなかでやっていくのは極めて難しい。私はポストのためにやっているのではない」と話した。同日の街頭演説でも「ほかの候補とは覚悟が違う。ジャンヌ・ダルクは最後は火あぶりになるが、それでも結構です」と強調。小泉純一郎元首相(66)からお墨付きを得た改革の後継者としての立場をアピールした。
 しかし、小池氏の「入閣拒否」発言を聞いた町村派内からは「入閣するとかしないとか、こんな時期に話があるのがおかしい。戦う気持ちがないのかと言われてしまう」「入閣することなんてないんだから、わざわざ入閣しませんなんて言う必要はない」といった批判が噴出。総裁選敗北や、次期首相からの入閣要請を前提としている発言だけに、総スカンをくらっている。
 小池氏は上げ潮派としてタッグを組む中川秀直元幹事長(64)とともに、派閥内での孤立を深めているようだ。



 ん…。実際問題、経済成長を求める上げ潮派の小池氏と、景気対策派の麻生氏とでは、政策の違いがあり、相容れないことも事実だとは思いますが、一旦重要閣僚として起用することを打ち出し(http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080913-OYT1T00840.htm)ながら、その後の続報でトーンダウンしていたので、おかしいな?とは思っていたのですが、どうやら麻生氏が作ると思われる新政権に、小池氏は参加を辞退する考えを示したようですね。

 もっとも、小池さんから見れば、所属する町村派の長老である森元首相から、同じ派閥であるにもかかわらず、野田聖子消費者行政担当相を総裁候補に推され支持を得られなかったどころか、その案が流れたと思ったら今度はその森元首相に麻生氏支持に回られるという屈辱的な行動をとられたあげく、一時は推薦人集めまで危うくなるまで追い込まれたわけですから、森元首相が支持する麻生氏の軍門に素直に下れるわけがありません(麻生氏が第二次福田政権に入閣したのは、政権がすぐに終わり、次は自分だという思惑があったから、あえて受けたと考えるのが妥当でしょう)し、麻生氏自身が(小池氏を起用しない建前を作るために)、あえて小池氏に踏み絵を迫ったのではないかとさえ勘ぐりたくなるのですが、これで町村派の分裂の確立はほとんど避けられなくなったと思いますし、そうなると小池氏を担ぎ上げた小泉氏を中心とした上げ潮派が総選挙後(ひょっとすると総選挙前?)にどう動くかが注目されそうですね…。
 まあ、上げ潮派が新党を作ったところで、増税に否定的な民主党と組む可能性はないと思いますが、別の党になれば、連立与党として自民党に圧力をかけることもできそうですし、別の意味で自民党が面白くなりそうな気がします。

民主・国民新が合併断念 党名など調整できず

2008-09-21 15:33:48 | Weblog
民主・国民新が合併断念 党名など調整できず 2008年9月20日
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080919AT3S1902019092008.html
読売 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080919-OYT1T00488.htm
 民主党の小沢一郎代表と国民新党の綿貫民輔代表は19日、電話で協議し、次期衆院選前の両党の合併を見送ることで一致した。政権交代にかける小沢氏が主導して合併構想を一気に進めたが、民主党が解党しなければ国民新党の一部議員が合流できないなどの準備不足が露呈。期待していた郵政団体も難色を示し、破談に終わった。
 「民主党の解党、党名を変えない限り(合併話は)のめない」。綿貫氏は19日、国民新党両院議員総会の冒頭に強調した。合併推進派の糸川正晃国会対策委員長、下地幹郎衆院議員は発言せず、亀井静香代表代行は姿を見せなかった。

民主と国民新、党名変更合意も「衆院選準備に支障」と断念 2008年9月21日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080920-OYT1T00509.htm
 民主党の小沢代表が、国民新党の亀井静香代表代行と会談し、両党が合併して党名を「民主・国民連合」、略称を「民主」とする案でいったん合意していたことが20日、明らかになった。
 関係者によると、両者の会談は19日、都内のホテルで行われた。亀井氏は両党がともに解党して新党を作る「対等合併」を求めたが、小沢氏は拒否し、国民新党だけが解党して民主党に合流する「吸収合併」を主張した。亀井氏が「対等なイメージでの合併」に強くこだわったため、吸収合併とするものの、党名を変更することで折り合った。略称を「民主」とすれば、次期衆院選での影響はほとんどないと判断したという。
 しかし、会談後、党名を変更すると、全国の支部名の変更手続きなど事務作業が膨大になり、「衆院選の準備どころではなくなる」(党幹部)ことが分かり、結局、断念したという。
 合併協議の開始を了承した18日の常任幹事会では、党名変更はないことを確認していただけに、党内には「代表選で無投票3選を決め、小沢氏の独断専行が強まるのではないか」との声も出始めている。

国民新党、鈴木宗男氏と統一会派 2008年9月19日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20080919AT3S1900W19092008.html
 国民新党は19日、新党大地の鈴木宗男代表と衆院で統一会派を組む方針を決めた。同日中に衆院事務局に届け出る。会派名は「国民新党・大地・無所属の会」とし、所属議員数は7人となる。



 民主党と国民新党の合併問題ですが、主義・主張との関係で合併できないのならばまだしも、国民新党側が『対等合併に拘るあまり、民主党に一旦解党することを求めた』という、実にくだらない理由で破談になってしまったようです。
 ちなみに、衆議院では民主党が114人に対して国民新党は4人、参議院は民主党が109人に対して国民新党は4人。この勢力差で(建前上はともかく)本気で『一旦解党して対等合併を!』などと考えていたのだとしたら、救いようのないおバカさんですし、常識的に考えても、国民新党側が『やっぱり、やめた~』となったのだと思いますが、民主にも自民にもつかない弱小勢力のままでは、政治色の違いを十分に打ち出すことができず、最後は実質吸収される形になってしまった新自由クラブの二の舞になりかねませんし、国民新党のお偉いさん達も一体何がしたいのか…(汗
 国民新党は、『新党大地の鈴木宗男代表と衆院で統一会派を組む方針を決めた』との報道も入ってきていますが、衆議院議員の鈴木宗男氏しか所属議員がいない新党大地と組んだところで、どれ程の選挙協力が得られるかは未知数(というより、氏地元の北海道以外では、期待するだけムダ?)ですし、私には悪循環の道を辿っているようにしか見えないのですが、ひょっとしたら国民新党に愛想をつかした若手議員が離脱する可能性さえあるのではないかと思います。

独政府系金融機関、リーマンに460億円誤送金 国内で厳しい批判 

2008-09-21 15:30:05 | Weblog
独政府系金融機関、リーマンに460億円誤送金 国内で厳しい批判 2008年9月21日
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080920AT2M2002320092008.html
読売 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080920-OYT1T00539.htm
朝日 http://www.asahi.com/business/update/0920/TKY200809200171.html
 米証券大手リーマン・ブラザーズが破綻した15日に、ドイツの政府系金融機関である復興金融公庫(KfW)が誤って約3億ユーロ(約460億円)強を送金したことが明らかになった。KfWは返金を求める方針だが、多額の損失が生じる見込みという。これを受け、KfWは理事2人を停職処分にした。
 独大衆紙「ビルト」は「最も愚かな銀行」と酷評。ドイツで厳しい批判にさらされている。
 KfWは経営難に陥ったIKB産業銀行の筆頭株主で、このほどIKBを米投資会社に売却することを決めたばかり。IKBの支援過程でも膨大な資金支援を繰り返し、管理能力を問う声が高まっていた。



 これって、『愚か』呼ばわりとか、理事を停職処分にするとか、そんな簡単なレベルで済む話ではなく、全額が焦げ付く覚悟はすべきでしょうし、善管注意義務違反で、被害額全額を2人相手に損害賠償請求できるケースではないかと思うのですが、なんでよりによって460億円もの巨額な金額を誤送金(ひょっとしたら、違法送金?)などしたんでしょうね…???
 誤送金されたお金は、多分単なる預かり金扱いとなり、返還優先順位も一般債権よりも低い最下位扱いとなるでしょうし、リーマンを引き受ける新会社が素直に返還など認めるわけがなく、金融機関としては全額を損失確定せざるを得ないと考えるのが妥当ですが、KfWだって経営が苦しいだけに、下手をすれば税金投入の事態に…。
 理事の2人には、私財を全てはたいてでも返せるだけ返してもらうことになると思いますが、全額を返済できるはずがありませんし、460億円ものキャッシュを稼ぎ出すのに、これから先どれだけの時間と融資量が必要か…。ホント冗談じゃないと思いますね(怒!!!

日雇い派遣の禁止、例外は18業務 厚労省方針

2008-09-20 14:26:12 | Weblog
日雇い派遣の禁止、例外は18業務 厚労省方針 2008年9月12日
朝日夕刊 http://www.asahi.com/national/update/0911/TKY200809110252.html
産経夕刊 http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080913/biz0809130004000-n1.htm
読売 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080911-OYT1T01096.htm
 厚生労働省は11日、原則禁止する予定の日雇い派遣について、例外的に認める業務を秘書や通訳など専門的な知識が必要な18業務に限る方針を固めた。12日の労働政策審議会の部会で提示する。ただし、使用者側は引っ越し業や貨物運送などの追加を求めており、最終決定まで労使の綱引きが続きそうだ。
 厚労省の原案によると、雇用期間30日以内の日雇い派遣を例外的に認めるのは、「日雇い派遣が常態であり、労働者の保護に問題ない業務」としている。具体的には、ソフトウエア開発や機械設計、通訳、秘書、広告デザインなど、専門性が高く、労働条件や賃金に関する労働者側の交渉力が強いとされる18業務に絞った。
 日雇い派遣の原則禁止を柱とした労働者派遣法の改正案を検討している労政審の部会では、使用者側から、引っ越し業や貨物運送、倉庫作業、製本作業、イベントなど、現在、日雇い派遣を多用している業務については例外として認めてほしいという要望が出ていた。
 しかし、厚労省案ではこれらの業務は認められなかった。18業務については、「適宜見直す」といった内容を加えることで、使用者側にも配慮する方針だ。
 労使代表らでつくる部会は、労働者派遣法改正案の骨格となる意見書を今月中にまとめる予定。厚労省はそれをもとに労働者派遣法の改正案を秋の臨時国会に提出する予定だったが、福田首相の辞任表明に伴い、先行きは不透明になってきた。日雇い派遣禁止の例外業務は、法改正後に政令で定める。



 少し前の記事になるのですが、原則禁止する日雇派遣の例外業種の選定がほぼ決まったようですね。
 日雇い派遣の原則禁止を巡る例外業種の選定については、朝日や産経では『ソフトウエア開発や機械設計、通訳、秘書、広告デザインなど、専門性が高く、労働条件や賃金に関する労働者側の交渉力が強いとされる18業務』、読売では20業務とされているようですが、『建物の清掃やビルメンテナンス、駐車場管理、電話で商品販売などを行う「テレマーケティング」などの業務』『放送機器等の操作やテレビ番組の演出、放送番組での大道具・小道具の設置や調達といった業務』は例外扱いしない方向で議論が進められているようです。(当初は法改正前の26業務に戻るのでは…と言われていましたが、更に厳しくなったようです)
 経営側は、製造業や運送業は例外として認めて欲しいと反発していますが、労働者側は例外の全廃を要求。果たして最終的には、どのあたりで折り合うことになるのでしょうか…。

 ちなみに、法人からの引越し依頼では、100人を超えるスタッフを臨時に募集することも決して珍しくないそうですし、コンサートや展示会などのイベントスタッフを1日単位で募集するようなケースでは、多い時には数百人単位の臨時スタッフが必要なのだとか…。
 一般的な製造業は、労災事件の多発を考えれば、仮に許可するとしても『一定経験以上(例えば5年以上)の実務経験者で専門資格の保有者に限る』など、全面的な許可は出来ないと思いますが、問題は臨時に急激な人手を必要とする業種の労働力をどう確保するかでしょうし、下手に規制を強化し過ぎて、マンション市場にように官製不況を招いてしまっては意味がないと思うのですが、与野党や労使でこういった業種を認めるのかどうかでも、もう一波乱ありそうですね。

<参考>日経ビジネス定期購読者専用メニュー
派遣禁止で「日雇い不況」も 引っ越し、イベント運営…中小企業が悲鳴 はこちら
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20080717/165631/
*日経ビジネス2008年7月21日号(ドル凋落金本位制再び)でも読むことができます

ユニマット山丸の証券事業、ばんせい証券が買収

2008-09-20 14:17:17 | Weblog
ユニマット山丸の証券事業、ばんせい証券が買収 2008年9月19日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080918AT3S1702P18092008.html
 京都が地盤のばんせい証券(東京・中央、藤井史郎社長)は東京を地盤とするユニマット山丸証券(同、元久存社長)の証券事業を買収する。創業がともに80年を超える老舗同士の合併・買収は初めて。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を背景に日本株相場の低迷が長引くなか経営の厳しさが増す中小証券にも再編の波が及んできた。
 22日に合意契約書を交わす。ユニマット山丸が証券業務を切り離した上で、ばんせいに事業譲渡する。ユニマット山丸は日本株相場の低迷に伴い、株式取引が急減。2008年3月期まで2期連続の赤字となり、年初から証券事業の売却先を探していた。



 ん…。京都の地場証券が東京の地場証券の証券事業を買収すると聞くと、一瞬『一体何のメリットが?』と思うのですが、老舗と言っても山丸証券はユニマットグループ入りしてからは、事実上レバレッジ取引を中心に行う会社に変貌してしまいましたし、ばんせい証券も、98年に商品先物取引会社の傘下に入ってからは、地場証券とは名ばかりで、実質はレバレッジ取引が中心の会社になり、顧客の苦情が急増。(社名も、別の会社と合併したわけでもないのに、98年から06年のわずか8年の間に萬成証券→萬成プライムキャピタル証券→入や萬成証券→ばんせい証券と頻繁に変更しています)
 記事にあるような日本株相場の低迷による中小証券の再編というよりは、証券事業が赤字で売却先を探していたユニマット山丸証券と、新しいシステムと既存顧客を手に入れたいばんせい証券との利害が一致したというのが真相ではないでしょうか。

 かっては、小規模な証券会社同士が一緒になって総合証券入りしたり、総合証券同士が合併して準大手証券入りする合併が目立ちましたが、顧客に利便性を提供するシステム投資というのは思いのほかお金がかかるものですし、今後もレバレッジ取引をメインに取引を行い、支店はほとんど持たないネット取引が中心な地場証券?同士の経営統合や事業譲渡の動きが出てくるかもしれませんね。

日本電産、東洋電機に買収提案 TOBで子会社化目指す

2008-09-20 14:11:45 | Weblog
日本電産、東洋電機に買収提案 TOBで子会社化目指す 2008年9月17日
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080916AT1D160CK16092008.html
産経 http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080916/biz0809161931002-n1.htm
 日本電産は16日、鉄道用機器メーカーで東証1部上場の東洋電機製造に買収を提案したと発表した。TOB(株式公開買い付け)により子会社化し、モーターなど鉄道機器分野に進出する狙い。日本電産は多くのM&A(合併・買収)を手掛けてきたが、相手企業の同意を得ずに買収提案を公表するのは初めて。東洋電機は「対応を検討中」としており、買収が成功するかは流動的な面がある。
 日本電産の永守重信社長が同日、東洋電機の大沢輝之社長に会い、「資本・業務提携に関する提案書」を手渡した。TOB価格は1株635円で先週末12日の終値(305円)に約108.2%上乗せした。



 日本電産の永守重信社長といえば、優れた技術を持っているものの、経営不振に陥ってしまった会社を子会社化して、何社も見事なまでに建て直した企業再建人としても非常に有名で、相手企業の同意を得ない敵対的TOBを仕掛けることが大好きな、どこかの投資ファンドさんとは対照的な態度をとり続けている、尊敬する経営者としてもよく名前が挙がる方の1人ですが、同じ東証1部の上場企業にTOBをかけてくるとは吃驚しましたね…。
 いずれ、主要経済誌に、TOBをかけた理由を語る永守氏のインタビューが載るとは思いますが、氏のホンネが気になるところです。

 参考までに東洋電機製造は鉄道車両用電気機器、産業生産設備をはじめとする電気機械などの生産を行う企業で、今年の7月14日に買収防衛策の導入を発表(http://www.toyodenki.co.jp/html/images/ir_147_11.pdf)。
 今年5月末時点での主要な大株主リストを見ても、日本生命が6.77%、三菱東京UFJ銀行と日本トラスティ・サービス信託銀行がそれぞれ4.93%、日本マスタートラスト信託銀行が3.42%、横浜銀行が2.33%、従業員持株会が2.30%、月島機械が1.79%、オークラヤ住宅が1.72%、東洋電機協力工場持株会が1.47%、小田急電鉄が1.29%と上位10社だけで3割以上を押さえているだけに、投資ファンドもそう簡単にはちょっかいを出しにくいタイプの企業でしょうし、まして敵対的TOBなど成立しそうにないように思いますが、TOB価格が先週末12日の株価と比べて倍以上(635円というTOB価格も、東洋電機製造の過去10年の株価を見ると、株価が600円を超えていた時期が2006年の一時期しかないだけに、かなり大奮発している印象があります)だけに、個人株主のほとんどはTOBに応じるでしょうし、会社側がどのような態度を取るかにもよりますが、このTOBが成立するかどうかは、非常に注目されそうです。(参考までに19日の株価は525円の値つかず)

 ちなみに鉄道会社を主要なお客様としている会社では、日本車両製造が、JR東海が日本車両製造の50.1%の株式を保有することで連結子会社化する友好的TOBを先月発表。今後もこういった特定の分野に強い会社を取り組む形の再編劇が広がっていくことが予想されます。

NY原油、105ドル台 今年2番目の上昇幅

2008-09-20 14:05:26 | Weblog
NY原油、105ドル台 今年2番目の上昇幅 2008年9月20日 共同通信
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/080920/fnc0809200848005-n1.htm
 19日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は3日続伸し、指標となる米国産標準油種(WTI)10月渡しが一時、前日比7ドル超も急騰、1バレル=105ドル台をつけた。終値は6・67ドル高の1バレル=104・55ドルで、上昇幅は6月6日(10・75ドル)に次いで今年2番目。
 米政府による金融市場対策が景気を下支えし、需要が安定するとの見方から買いが膨らんだ。メキシコ湾を襲ったハリケーンによる石油関連施設の操業停止などの供給懸念も買い材料視された。市場関係者は「今後も金融市場の動向が焦点になる」(米アナリスト)としている。



 一方、19日のNY原油は、金融市場対策が景気を下支えすることで原油の需要も安定するとの思惑から、一時前日比7ドル超も急騰し、終値ベースでも前日比6.67ドル高の1バレル104.55ドルで終了。
 まあ、こちらも実需に基づく上昇ならば仕方ないのですが、16日のNY原油の終値が91.15ドル(一時90.51ドルまで下落 http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=ATQ2INYPC 17092008&g=MH&d=20080917)で、わずか3日間で13.4ドルも急騰するという異常事態ですし、投機資金の流入はかなり規制強化はされているはずですが、それでもここまで上げ幅が大きいと、投機資金が再び上手く紛れ込んでいると考えるのが妥当ではないでしょうか…。

 まあ、原油価格も当面1バレル110ドルくらいまでで落ち着いてくれるならば、お仕事でガソリンや原油を使う業界への影響もそれ程緊迫しないと思いますが、もし灯油需要が増える冬場を迎える前に、再び原油価格が1バレル140ドル台、150ドル台にまで上昇するようなことがあったら、本格的な需要を迎える冬場などは、プライベート需要ばかりでなく、ビジネス現場まで直撃しかねないだけにこの動きは少し心配ですし、OPECの減産主張派に対する牽制も、原油価格の上昇幅次第では必要になってくるのかもしれませんね。

総資産124億円の米地銀が破綻、ロス氏は米中小銀行が100単位で破綻する発言

2008-09-20 13:56:34 | Weblog
米ウエストバージニア州の地銀が破綻 08年で12件目 2008年9月20日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080920AT2M2000R20092008.html
 米連邦預金保険公社(FDIC)は19日、米ウエストバージニア州の地方銀行、アメリバンクの業務停止を発表した。米銀の破綻は今年12件目。FDICは同州のパイオニア・コミュニティー・バンクなど2行を受け皿銀行に選定。両行が預金などを承継する。
 アメリバンクの総資産は6月末時点で1億1500万ドル(約124億円)。預金保護にFDICが投入する資金は約4200万ドル(約45億円)にのぼる見通し。

「米国の中小銀行は100の単位で破綻する」 ウィルバー・ロス氏講演 2008年9月19日 産経
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/080918/fnc0809182044019-n1.htm
 米資産運用会社インベスコグループで投資業務を手がけ、企業再生の手腕で知られるウィルバー・ロス氏は18日、都内で講演し、「米国の中小銀行は100の単位で破綻(はたん)する。リーマン・ブラザーズ破綻による損失も広がる」と語り、米国の金融危機が一段と深刻化する懸念を指摘した。
 ロス氏は「金融全体が破綻する危険性はもうない」とする一方で、リーマン破綻とAIG救済について、「(米政府は)すべての金融機関を救済できないというメッセージを発信した」として、淘汰が進むとの見方を示した。さらに、「商業銀行と投資銀行の統合の動きが加速する」として、大型の金融再編が相次ぐとの見方も示した。
 ロス氏は米国で「再生王」と呼ばれており、日本でも平成11年に破綻した第二地銀の幸福銀行を買収し再生した実績がある。



 日本時間で言えば土曜日、現地時間で言えば金曜のNY市場が終了後の、ほとんど恒例の行事と化しつつあるようですが、毎週末のように続いていた米地銀の破綻は、先週こそなかったものの、それ以上に強烈な金融不安を引き起こすリーマン・ブラザースの経営破綻とメリルリンチの救済合併が月曜日にあり、そして、残念ながら今週末もウエストバージニア州の資金量124億円の(日本で言えば信用金庫クラスの)地方銀行が破綻してしまいました。
 ここまでくると、小さな地方銀行を少しずつ目立たないように潰しているのではないかとさえ疑いたくなるのですが、先週はリーマンとメリル・AIGの処理と仕事が山積で、地銀の処理どころではなかった…と処理も1週間遅れになったのでは?…と捉えるのはさすがに勘ぐり過ぎでしょうか…。

 一方、米国の中小銀行については、企業再生の手腕でも有名で、日本でも経営破綻した幸福銀行(現関西さわやか銀行)の再生の実績のあるウィルバー・ロス氏が日本時間18日に、「米国の中小銀行は100の単位で破綻(はたん)する。リーマン・ブラザーズ破綻による損失も広がる」と随分物騒な発言をしたそうです。まあ、この発言はタイミング的にも、整理信託公社構想が出てくる前なので、氏の発言は多少割り引く必要もありそうですが、いくら整理信託公社を作ると言っても、全ての金融機関を新組織送りにするとは限りません(公的資金が膨らみすぎないためにも、一定の線引きは行うのではないでしょうか…)し、100単位とまではいかなくても、その何割かは整理の対象になりそう。
 別にそうなることを求めているわけではありませんが、まだしばらくは、この週末の米地方銀行の破綻は続きそうですですね…。

中国(9.45%高)、英国(8.84%高)、ドイツ(5.56%高)株式が堅調、アジア株式市場も堅調

2008-09-20 13:42:45 | Weblog
ロンドン株19日 431.3ポイント高の5311.3で終了 2008年9月20日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/market/20080919c9ASB7IIAA6190908.html
 19日のロンドン株式相場は急反発。FTSE百種総合株価指数は前日終値に比べ431.3ポイント(8.84%)高の5311.3で引けた。1日の上昇率としてはブラックマンデー直後の1987年10月21日(7.8%)を上回り、過去最高になった。
 金融関連株を中心に買いが集まり、4銘柄を除く98銘柄が上昇した。米政府が検討している金融安定化について、金融機関から不良債権を買い取る公的機関の設立が報じられたことが買いを促した。英金融監督当局の金融サービス機構(FSA)が、金融株を対象に株式を保有しないまま売り注文を出す「空売り」を一時的に禁止するとの対策を発表したことも買い安心感につながった。
 銀行のロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)とバークレイズ、HBOSは30%前後の大幅高となった。生命保険のプルーデンシャルとリーガル・アンド・ゼネラル(L&G)はそれぞれ20%超、金融取引ブローカーのICAPと資産運用のマン・グループはそれぞれ15%超上がった。
 原油価格の上昇を受けて、石油のタローオイルとケアン・エナジーもそれぞれ10%前後上昇した。
 半面、食品・日用品のユニリーバとたばこのブリティッシュ・アメリカン・タバコは下がった。

ドイツ株19日 DAXは326ポイント高の6189 2008年9月20日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/market/20080919c9AS2R1900H190908.html
 19日のフランクフルト株式相場は大幅続伸。ドイツ株式指数(DAX)の終値は前日比326.11ポイント(5.56%)高の6189.53だった。
 米政府が総合的な金融安定化対策を打ち出したことで安心感が広がり、前日までに大幅下落していた金融株を中心に買い戻された。
 コメルツ銀行が20.0%、ドイツ銀行が18.4%、保険のアリアンツが12.4%それぞれ上昇。ドイツポストやミュンヘン再保険も高かった。
 鉄鋼のティッセン・クルップは18.4%、商用車のMANは15.0%、BMWは12.9%、半導体のインフィニオンは10.2%それぞれ上げた。
 一方、VWは13.8%安と急落。流通のメトロ、透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケア、タイヤ大手のコンチネンタルも下げた。

上海株急反発、9.45%高 全銘柄ストップ高 2008年9月19日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080919AT3L1905O19092008.html
 19日の中国株式市場で上海株式相場は大幅に4営業日ぶり反発。上海総合指数は前日比179.254ポイント(9.45%)高の2075.091と、前週末12日(2079.673)に近い水準まで戻した。上げ幅は4月24日(304ポイント)以来、上昇率としては2001年10月23日(9.85%)以来の大きさだった。全銘柄が値幅制限の上限(ストップ高)を付けた。中国政府が前日の大引け後に株式相場の支援策を発表したことを好感。幅広い銘柄に買いが殺到した。
 中国政府は前日に株式購入時の印紙税の免除や、国有投資会社による国有商業銀行大手3行の株式買い増しなどの相場支援策を発表。中国株の先高観が急速に強まった。10月に開催が予定されている中国共産党の第17期中央委員会第3回全体会議(三中全会)に向け、「中国政府が早期に景気対策を発表するのではないか」との期待も根強く、支援材料となった。
 中国株式市場では、値幅制限の上限が前日比10%(日本の監理ポストに相当する銘柄など一部銘柄は5%)に設定されている。

中国利下げ「第2次、3次も」 社会科学院の金融研究所長指摘  2008年9月19日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080919AT2M1803118092008.html
 中国社会科学院の李揚金融研究所長は国営の中央テレビのインタビューで、中国人民銀行(中央銀行)が16日に実施した利下げについて「景気減速が続けば第2次、3次の利下げも当然あり得る」と語った。中国のマクロ政策運営で「持続的な安定成長の重要性が高まっている」とも指摘し、政策の軸足がインフレ抑制から成長維持に移ったことを強調した。
 李氏は人民銀の金融政策委員を務めた経験があり、今も金融政策の決定に影響力を持つ。
 人民銀は15日、商業銀行の貸出基準金利を期間1年物で0.27%引き下げ、7.20%にすると発表した。利下げは6年7カ月ぶり。市中銀行から吸い上げる資金量の比率を示す預金準備率も、一部の大手行を除き25日から1%引き下げる。

インド株が急騰、5.5%高 上海・香港などの株価回復を好感   2008年9月20日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080919AT3K1901019092008.html
 インド・ムンバイ証券取引所の主要30社株価指数SENSEXは19日、前日比726.72ポイント(約5.5%)高の1万4042.32に急騰した。上海や香港などほかのアジア各国・地域での株価の急回復を好感し、全面高の展開となった。SENSEXが1万4000台に戻したのは5営業日ぶり。
 30社すべての株価が前日終値を上回った。IT(情報技術)サービス大手のサティヤム・コンピュータ・サービスは前日比10.5%高と急伸。民間商業銀行最大手のICICI銀行の上げ幅も9%を超えた。

シンガポール株19日・急反発 米・中の株高好感、中国系銘柄が大幅高  2008年9月20日 日経
http://markets.nikkei.co.jp/kaigai/summary.aspx?site=MARKET&genre=d4&id=AS3L1906H 19092008
 19日のシンガポール株式相場は急反発した。ST指数の終値は前日比139.86ポイント(5.78%)高の2559.07で前週末12日(2570.67)の水準近くまで戻した。上げ幅は1月10日に指数算出方法が変更されて以降で最大。米政府による不良資産の買い取り機構の設立検討報道で前日の米株式相場が大幅高となったことを好感した。中国政府が18日大引け後に株価対策を発表し、19日の中国株が急伸したことも支援材料になった。
 中国系不動産会社のヤンロード・ランドが30%高となるなど、中国系銘柄が軒並み急伸した。19日の上海市場で全銘柄が値幅制限の上限(ストップ高)に上昇。中国株の先安観や中国経済の先行き不透明感が薄れ、中国系銘柄に買いが膨らんだ。シンガポール市場に上場する中国系銘柄で構成する「FTSE・ST中国指数」は9.4%高となった。
 米国発の世界的な金融危機への不安が後退し、銀行株が大幅に上昇。不動産株にも買いが膨らんだ。19日の欧州株式市場で主要な株価指数が上昇していることが好感され、ST指数は後場に一段高となった。
 揚子江シップ・ビルディングは17%近く上昇。22日から適用されるST指数構成銘柄の入れ替えで除外が決まっているが、これを嫌気した売りは限られた。同じくST指数から除外される予定のタイ・ビバレッジも上昇した。COSCOシンガポール、NOLが大幅に上昇し、DBS、UOB銀行、OCBC銀行、キャピタランドが堅調に推移した。半面、SプレスH、ウィルマー、F&Nが下げた。

香港株大引け・急反発 「上げ幅過去3番目」・前週末近辺まで戻す  2008年9月20日 日経
http://markets.nikkei.co.jp/kaigai/summary.aspx?site=MARKET&genre=d4&id=ASS0IHK03 19092008
 19日の香港株式市場でハンセン指数は急反発した。終値は前日比1695.27ポイント(9.61%)高の1万9327.73。8営業日ぶりに上昇し、前週末12日(1万9352.90)水準近くまで戻した。上げ幅、上昇率ともに米緊急利下げを受けて急伸した1月23日(2332ポイント、10.72%)以来8カ月ぶりの大きさ。香港取引所が公表している統計によると、上げ幅は過去3番目の大きさだった。中国政府が中国株式相場の支援策を発表したことを好感した。米政府による不良資産の買い取り機関の設立検討報道も支援材料となった。
 中国政府は前日、中国での株式購入にかかる印紙税の免除など相場支援策を発表。中国本土系銘柄全体に買いが膨らんだ。相場支援策の一環として中国国有投資会社による株式買い増しの対象となった中国国有商業銀行大手3行が急伸。19日後場の上海株式市場で全銘柄が値幅制限の上限(ストップ高)を付けると、香港市場でもハンセン指数は後場に一段高となった。
 19日の欧州株式市場で主要な株価指数が堅調に推移したことも、後場の香港株に支援材料となった。前場に下げる場面があった香港系不動産株は、自律反発を期待した買いで後場に軒並み大幅高となった。香港のメーンボード(東証一部に相当)の売買代金は概算で1245億香港ドルと、4月24日(1302億香港ドル)以来の大商いだった。
 ハンセン指数を構成する43銘柄のうち40銘柄が上昇。中国工商銀行、中国銀行は上昇率が15%を超えた。中国神華能源は30%近く上昇し、中国石油化工(シノペック)、中国海洋石油、中国移動、中国平安保険が急伸した。半面、公益株の中電控股、香港電灯、香港中華ガスが下げた。
 中国関連株ではH株(香港上場の中国本土企業株)指数は8営業日ぶりに急反発し、上昇率は15%を超えた。レッドチップ(中国本土系香港企業株)指数は大幅に続伸し、約13%高だった。

韓国株、大引け63ポイント上昇の1455 2008年9月19日 日経夕刊
http://markets.nikkei.co.jp/kaigai/summary.aspx?site=MARKET&genre=d4&id=NSB2IDE22 19092008
 韓国株式市場19日大引けの総合株価指数は、前日終値比63.36ポイント上昇の1455.78ポイントだった。売買高は4億5635万6000株。




 英国・ドイツと上海・香港・シンガポールでは株価の上昇理由が若干違うのですが、19日の海外市場は各地で大幅上昇で終了しました。
 まず、19日のロンドン市場ですが、米政府が不良債権を金融機関から買い取る公的機関の設立が報じられたことや、アメリカ以上に厳しいレベルの空売りの一時禁止を求める規制を導入したこともあり、前日比8.84%と過去最高の上昇率を記録。イギリスの場合、ドイツと比べても、リーマンショック以降の株価下落のピッチが早かっただけにその反動もあったように思います。
 また、19日のドイツ市場も、米政府が総合的な金融安定化対策を打ち出したことで5.56%の急上昇となりました。

 一方、中国の上海市場では、『株式購入時の印紙税の免除や、国有投資会社による国有商業銀行大手3行の株式買い増しなどの相場支援策』や更なる利下げの期待が高まっていることなどを受けて、全銘柄がストップ高となる珍現象が見られたようで、前日比179.254ポイント(上昇率9.45%)高の2075.091で終了。インド市場もアジア各地の市場の急回復を好感して5.5%の急上昇、シンガポールも5.78%の急上昇、香港も9.61%の急上昇。韓国も4.5%の上昇となったようですね。

 ウエストバージニア州の総資産124億円の地方銀行が破綻したという、ちょっと気になる報道も入ってきているようですが、金融関係者は先週はリーマンショックで休日を楽しむ余裕もなかったでしょうし、今度の連休は久しぶりに安心しながら、休日を過ごすことができそうですね。

NYダウは今日も368ドル高→11388ドル、2日間で778ドル78セントの上昇

2008-09-20 13:35:53 | Weblog
NYダウ急伸、終値368ドル高の1万1388ドル 2008年9月20日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080920AT3L2000120092008.html
 19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は急伸。前日比368ドル75セント高の1万1388ドル44セント(速報値)で終えた。米政府が金融機関からの不良債権買い取りの検討などを発表したことを受け、金融システム不安が後退するとの期待感から買いが優勢となった。米証券取引委員会(SEC)が株式市場安定化の緊急対策として、金融株799銘柄の空売りを一時、禁止すると発表。金融株が全面大幅高となり、相場を押し上げた。
 一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は同74.80ポイント高の2273.90(同)で終えた。前日夕発表した決算が好感されたデータベースソフト大手のオラクルが大幅高だったほか、政府の金融安定化策への期待からも幅広い銘柄に買いが入った。

米SEC、空売りを一時禁止 799金融機関の株式が対象 2008年9月20日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080919AT3K1901619092008.html
 米証券取引委員会(SEC)は19日、株価の急激な変動を防止するため、株式の空売りを一時的に禁止すると発表した。799の金融機関の株式が対象。即日適用する。期間は10月2日までの10営業日としているが、30日間まで延長の可能性もあるという。

米、金融安定へ総合対策 公的資金「数十兆円」、貯蓄型投信を保護  2008年9月20日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080919AT1C1900M19092008.html
 米政府は19日、金融危機の拡大を防ぐための総合金融安定化対策の大枠を固めた。(1)公的資金を使った不良資産の買い取り機関を創設する(2)貯蓄性の高い投資信託MMF(マネー・マーケット・ファンド)の保護に政府基金最大500億ドル(約5兆4000億円)を使う(3)金融機関株式の空売りを全面禁止する――などが柱。投入する公的資金の規模は数千億ドル(数十兆円)にのぼる見込み。焦点の金融機関の不良資産買い取り策は来週中の決定に向け議会と最終調整を急ぐ。
 ブッシュ米大統領は同日午前記者団に「現在の不安定な状況を考えると、政府介入は必要。(システム安定化へ)多額の公的資金を用意している」と語った。これに先立ち記者会見したポールソン財務長官は公的資金の投入規模は「数千億ドル(数十兆円)の議論をしている」と語った。

米財務省、MMFで保険制度導入 払い戻しを保証 2008年9月20日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080919AT3K1901919092008.html
 米財務省は19日、金融市場の混乱で清算などが相次いでいるMMF(マネー・マーケット・ファンド)について、払い戻しを保証する臨時の保険制度を導入すると発表した。期間は来年まで。同制度の適用を受けるには、ファンドが手数料を支払う必要がある。

FRB、新たな資金供給策を発表 2008年9月20日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080919AT3K1901A19092008.html
 米連邦準備理事会(FRB)は19日、市場に流動性を供給する新たな対策を発表した。質の高い資産担保コマーシャルペーパー(ABCP)の買い取りを支援するため、金融機関に公定歩合での貸出を広げる。プライマリー・ディーラーからも、住宅公社などが発行する短期証券などを買い取る見通しであることも発表した。




 19日のNYダウですが、前日(18日)は、ポールソン財務長官の『不良債権買い取りへ1990年代に使われた整理信託公社(RTC)のような組織の設立を検討している』発言で410ドルの急上昇、そして本日(19日)は、その具体案の一部(MMFなど貯蓄型投信の保護など)が発表されたことや、799の金融機関を対象とした空売りの一時禁止の導入(空売り規制を導入することで、ヘッジファンドなどが極端な空売りをしかけることで、金融機関の株が急落するスピードを抑えることができると言われています)を好感して、一時450ドルを超える上昇幅を記録。終値ベースでも368ドル75セントも上昇し、11388ドル44セントで終了となり、わずか2日間で780ドル近い上昇となりました。

 それにしても、日本人視点で見ると、元本割れしたMMFを保護するばかりか、払い戻しを保証する臨時の保険制度まで作るという感覚が、フェア精神を尊重したがるアメリカ人の感覚とは大幅にずれて映り、どうしても理解しがたいのですが、米国のMMF(マネー・マーケット・ファンド)と言うのは、日本のMMF(マネー・マネージメント・ファンド)よりは、MRF(マネー・リザーブ・ファンド)に近い感覚で活用されており、小切手も振り出せる当座預金の機能も持ち合わせているため、おそらくは、決済が滞ることを防ぐための意味合いもあり、ここまでして保護するんでしょうね…。

 とはいえ、元本割れした米リザーブ・マネジメントが運用するMMFは、『1口当たりの純資産が0.97ドルと基準価格(元本)の1ドルを割れた』、つまり3%の元本割れになったわけで、三洋投信のMMFが元本割れを起こした時(あの時は金利が急上昇し、間の悪いことにそのタイミングで、三洋投信委託のオーナー(当時)であるクレアモントキャピタルが詐欺疑いで強制捜査を受けたため、換金売りが大量に出る予測から大半の資産を途中換金せざるを得ないという不幸がありました)でさえ、『元本1円あたり0.9984円まで基準価額が下落(1万円あたり16円の元本割れ)』と、その元本割れの水準はリザーブ社の20分の1の水準。
 日本人の私などは、投資信託である以上、どんなに小さくても元本割れの可能性は想定すべきだし、『特定の投資対象に集中投資し過ぎない』という基本を守っていなかった米MMF(マネー・マーケット・ファンド)の元本を国が保証する必要があるのかな…などと(日本のMMF(マネー・マネージメント・ファンド)が元本割れする光景を見てきた身としては)どうしてもそんなことを考えてしまうのですが、このあたりはお国の金融事情の違いというものを、きっちり説明しないと、『同じMMFという商品なのに、アメリカは保護したのに、日本ではなぜ行わなかったのか?』などと、おかしな?不公平感が出てくるかもしれませんね。

茨城県医師連盟、7選挙区すべてで民主候補を推薦 上部団体は他支部に向けて釘刺し発言

2008-09-19 16:36:14 | Weblog
茨城県医師連盟、7選挙区すべてで民主候補を推薦 2008年9月18日 朝日
http://www.asahi.com/politics/update/0917/TKY200809170238.html
 後期高齢者医療制度に反対し、次期衆院選で民主党を支援する方向で検討していた茨城県医師会の政治団体・茨城県医師連盟は17日、県内7選挙区すべてで同党から立候補を予定している7人の推薦を決めた。自民党の支持組織が反旗を翻した形で、同党や組織内に動揺が広がっている。
 日本医師連盟によると、次期衆院選で民主党推薦を表明したのは、都道府県医師連盟では茨城県が初めてという。
 同県医師連盟は、次期衆院選で県内の選挙区から立候補を予定している16人にアンケートを実施。後期高齢者医療制度の存廃や社会保障費の確保策などを尋ねた。回答を寄せた自民3人、民主系7人、共産1人の計11人について内容を検討し、全会一致で民主系の立候補予定者7人の推薦を決めた。今後、協定を結び、病院や診療所にポスターを張るなどして支援する。
 同医師会は後期高齢者医療制度の施行前から、「高齢者の医療費負担が増加する」などと批判的な立場を貫いてきた。同県医師会長でもある同連盟の原中勝征委員長は17日に記者会見し、「医療崩壊をどうするか、具体的に(医師が)発表していかないと取り返しがつかなくなる。この辺が分岐点になるという思いから決定した」と説明した。
 同連盟の会員約1350人の大半は自民党員。強力な同党の支援組織の一つとして、過去の選挙では丹羽雄哉元厚生相(茨城6区)や赤城徳彦元農水相(1区)、額賀福志郎・元財務相(2区)ら自民党公認候補を支援してきた。
 それだけに、会員の一部からは、自民党とたもとを分かつことへの不安の声が出ているほか、上部団体の日本医師連盟からは再考を求める声も寄せられている。一方、丹羽氏の事務所のスタッフは「従来通り支援をお願いしてきたので非常に驚いている」と困惑していた。

日本医師連盟:次期衆院選で与党候補を推薦…方針決定 2008年9月19日 毎日
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080919k0000m010103000c.html
 日本医師会の政治団体、日本医師連盟(委員長、唐沢祥人日本医師会長)は18日、次期衆院選で自民党を中心とする与党候補を推薦する方針を決めた。
 茨城県医師連盟(委員長、原中勝征県医師会長)が17日、後期高齢者医療制度への反対を理由に県内全7小選挙区で民主党候補を推薦する方針を発表しており、ほかの地方連盟への波及を警戒し、上部団体としてくぎを刺した形だ。医師連盟の羽生田俊常任執行委員は「政権与党とのつながりを絶ち、民主党を支援することは望んでいない。(茨城の決定は)容認しないが、それぞれ独立した政治団体なので面と向かって反対はしない」と述べた。
 また、羽生田氏は12日に自民党関係者から麻生太郎幹事長の意向として、社会保障費の伸びを毎年2200億円圧縮してきた政府方針について「2010年度予算では凍結したい」と伝えてきたことも明らかにした。



 ほほぉ…。日本医師連盟といえば、日本医師会の掲げる理念と政策を実現するために政治活動を行う政治組織であって、その日本医師会は自民党とべったりなことでも有名だったのですが、茨城県の日本医師連盟が、後期高齢者医療制度の導入に反発したこともあり、今回は県内7選挙区すべてで民主党から立候補を予定している7人の推薦を決めるという吃驚する決断を17日に下しました。
 もっとも、日本医師連盟に限らず、政治組織が特定の政党を応援する目的は、特定候補を当選させて、要望を法案にして議員経由で通してもらい、国会を通過させることが目的ですし、組織の上層部から見れば、このような裏切り?行為を容認していては、その政党に政治的圧力をかけることができなくなるだけに、翌18日には、早速上部団体が『政権与党とのつながりを絶ち、民主党を支援することは望んでいない。(茨城の決定は)容認しないが、それぞれ独立した政治団体なので面と向かって反対はしない』と、他の都道府県支部が追従しないように、釘を刺すかのようなコメントを出しました(当然、各支部団体の上層部の自宅充てには、これ以上に厳しい表現で、追従しない旨の通知の1本くらいは送っているでしょうね…。)

 現実問題としては、いくら県支部が民主党候補を支持しても、これまでの自民党候補に不満がなければ、大半のドクターはそれまで支持していた候補を引き続き応援すると思いますが、もしこの動きが、自民と民主など野党の勢力が拮抗している他の都道府県にも広がれば、民主が議席を奪還する可能性もあるだけに、上部団体としては、これ以上の勢力取り崩しを防ぐために、すぐに動いたと見てよさそうですが、もし他にも茨城県に追従するところが出れば、与野党の議席数にも影響しかねないだけに、自民党支持から離脱するのが茨城県だけで済むのか、それとも他の地域にも広まるのか、非常に注目されることになりそうです。

金融商品「MMF」が異例の元本割れ リーマン債保有で

2008-09-19 16:28:02 | Weblog
米金融商品「MMF」が異例の元本割れ リーマン債保有で 2008年9月18日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080918AT2M1801018092008.html
 現金に準じる安全な金融商品とされる米国のMMF(マネー・マーケット・ファンド)で、破綻した米証券リーマン・ブラザーズの社債に投資して損失を出し、元本割れしたファンドが発生した。運用会社が資金を投入して額面割れを防ぐケースも出ており、一連の金融危機がMMFを保有する米国の家計に影響を及ぼす可能性が出てきた。
 元本割れしたのは米資産運用会社リザーブ・マネジメントが運用するMMF。額面で7億8500万ドル相当のリーマン債を保有していたが、その価値が事実上ゼロになり、同ファンドの1口当たりの純資産が0.97ドルと基準価格(元本)の1ドルを割れたとしている。
 MMFは通常、1ドルを維持することが規定されている。基準価格を割るおそれがある場合は、運用会社が自己資金を投入して1ドルを保つのが普通。しかし、資金力に乏しい資産運用会社が額面割れを余儀なくされる可能性はある。米国でMMFが1ドル割れを起こしたのは過去に1例のみだ。



 日本では、エンロンが破綻したときに、日興アセットマネジメント、UFJパートナーズ投信、日本投資信託委託、スミセイグローバル投信の4社でMMFが元本割れになり、その当時のマネー雑誌で『MMFや中期国債ファンドと一言に言っても、各社によって運用方針が異なるため、分配率が極端に高い会社の場合、資産配分に留意する必要がある』といった内容の記事が載っていた記憶があるのですが、残念ながらその教訓がアメリカで生かされることはなく、今回のリーマン破綻により、リザーブ・マネジメント社が運用するMMFが元本割れを起こしてしまったようです。
 ところで、1口当たりの純資産が0.97ドルということは、3%の元本割れということですが、安全性の高い資産で運用するMMFにとって、これだけ大きな水準の元本割れをすれば、その元本を回復するまでにはかなりの時間がかかります(大和證券のHPを見るとドル建てMMFの実績分配率が課税前で年2%ちょっと)し、単純にこのペースで運用成績が回復するとしても、元本に戻すまで1年半…(汗
 アメリカの場合は、基準価格を割るおそれがある場合は、運用会社が自己資金を投入して1ドルを保ってもよいという、なぜか今の日本基準よりもいい加減?な制度(日本では元本を回復するまで新規募集ができないルールだったはず…)のようですが、資金力に乏しい資産運用会社の場合、補え切れずに元本割れを余儀なくされる可能性もあるそうですし、もし現実に元本割れのままの運用となれば、(日本では実際に元本回復までそれなりの時間がかかり顧客に迷惑をかけたわけですが…)現金に次いで安全な金融商品と信じて元本割れしたMMFを購入した顧客から見れば、まさに裏切られた思いでしょうし、運用会社や商品を販売した会社からの迅速かつ誠実、そして定期的な運用状況をもし怠るようなことでもあれば、資金の大量流出という最悪の事態もあり得るかもしれません。おそらく、今後保有債券の詳細な開示など、現ルール以上に情報公開が厳しくなっていくことになるではないでしょうか…。

 ちなみに、このMMFの元本割れに関するニュースでは、アメリカの大手資産運用会社のパトナム・インベストメンツが、18日に資金を引き出す圧力が上昇したとして、運用している機関投資家向けのMMFを閉鎖したとの報道も入ってきています。