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橋下大阪府知事の評判 内と外では大違い

2008-04-24 18:53:48 | Weblog
橋下知事「リストラ経営者の知恵借りたい」 2008年04月21日 朝日夕刊
http://www.asahi.com/politics/update/0421/OSK200804210023.html
 大阪府の橋下徹知事は21日午前、関西経済同友会の幹部と懇談し、「創業者や強烈なリストラをした経営者の知恵を、ぜひ拝借したい」と述べ、同友会との意見交換会の設置を要請した。1100億円の歳出削減を目指す府の財政再建案が府内の首長などから反発を受けるなどしているが、難局を乗り越えるヒントを少しでも得たいようだ。
 橋下知事は「大きな会社の経営をしたことがないので、リストラをした企業のその後などを勉強させてほしい」と話した。同友会の小嶋淳司代表幹事は「うちにそうした会員は多く、議論や提言は十分にできる。あきらめないことが基本だ」と応じた。他の幹部も「(知事が)四面楚歌(しめんそか)に陥る可能性もあるが、今の姿勢を支援する」と話した。今後、交換会の開催に向けて調整に入る。

橋下知事の支持率75% 前回調査を10ポイント上回る 2008年4月20日 産経
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/080419/lcl0804192004001-n1.htm
 大阪府の橋下徹知事直轄の改革プロジェクトチーム(PT)の財政再建プログラム試案が公表されたことを受けて、産経新聞社が府内の有権者500人を対象に橋下知事に関するインターネットアンケート調査を実施したところ、知事の支持率は75・8%にのぼり、就任1カ月を前に実施した前回の調査(66%)より、9・8ポイント上昇していた。橋下知事の府政改革案が、府民に支持されていることが裏付けられた。
 調査は16~18日の3日間、20~50代以上の各世代を対象に実施した。
 75・8%という高支持率を得たが、「支持しない」「どちらかといえば支持しない」という不支持率も16・6%で、前回の調査(9・8%)より6・8ポイント増加した。
 試案発表前と発表後で知事に対する評価は、52・2%が「変わらない」としたものの、23・8%が「良くなった」と回答しており、「悪くなった」(12・0%)を大きく上回った。
 試案の内容については、「支持する」と「どちらかといえば支持する」を合わせると68・8%となり、「支持しない」「どちらかといえば支持しない」としたのは18・2%だった。
 具体的な試案への問いでは、300~400億円の職員の人件費カットについて、「適当」と「もっと削るべき」を合わせると8割以上に。大相撲春場所が開催される府立体育会館(大阪市浪速区)の廃止案については、「やむを得ない」(67・2%)が「存続すべき」(23・4%)を大幅に上回った。
 その一方で高齢者や障害者、乳幼児の医療費助成の見直や府警の警察官520人の削減案については、反対する人がやや多かった。

思わず、涙もポロリ 橋下知事に府内市町村長から反発相次ぐ 2008年4月17日 産経夕刊
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/080417/lcl0804171317004-n1.htm
 「知事がこだわっている数字は非現実的」「まず、府庁内部で阿修羅のごとく血と汗を流すべき」。17日、橋下徹知事が府内43市町村の首長に財政再建試案を説明した意見交換会では、出席した首長から反発する意見が相次いだ。橋下知事は懸命に理解を求めたが、最後には「大阪を立ち直らせたい」と涙も。試案の前途は多難となりそうだ。
 意見交換会では冒頭から、府市長会会長の倉田薫・池田市長が「今日は思いの丈を述べさせてほしい。時間が限られているので、実のある議論をしたい」と“先制攻撃”。
 これに対し橋下知事は「ご迷惑を掛けて申し訳ない」とあらためて頭を下げた。その上で「府庁だけでなく、市町村におかれても財政再建を果たしてほしい。府が一丸となって少しずつ我慢をして、全国初のモデルとして実現していきたい」と理解を求めた。
 しかし、首長から納得する声は聞かれない。
 平松邦夫・大阪市長は「まず削減ありきで、知事の指示に従って削ることしか見えてこない。具体的な我慢の内容を示して協力を求めないと、後になってこんなはずではなかったということになる」と注文した。
 阪口善雄・吹田市長も「まず府庁内部で阿修羅のごとく血と汗を流したうえでないと、府民に負担をしいることはできない」。さらに「35人学級は『子供の笑顔のために』ぜひとも、残してほしい」と知事選の際の橋下知事の公約を逆手にとって要望した。
 「知事がこだわっている(収支改善の)1100億円という数字は非現実的。あの通りにやれば、5年後には大阪の道路は穴ぼこだらけになる」と指摘したのは、前大阪府教育長の竹内脩・枚方市長。「府民に少しずつの我慢というが、対象者にとっては少しずつではない。そこは論理の飛躍だという認識がないと府政の方向性を誤る」と苦言を呈した。
 その間、橋下知事は反論することもなく、終始うなずきながら聞き入っていた。しかし、最後に自分の意見を述べた際に、ついに感極まった。
 「今がまさに改革の機。来年度になったら府民は我慢してくれない」と、来年度からの改革を求める各首長に反論。最後は頬を紅潮させ、目に涙をためて「一緒になって考えてもらって、ぜひ大阪を立て直したい」と言葉を詰まらせると、一部の首長からは拍手も上がった。
 終了後、取材に応じた倉田市長は「私たちも泣きたい思いはあるが、笑顔で改革を話し合うのがルール。泣いたら話はできない」と諭した。
 一方、橋下知事は「平行線だとは思っていない。今のタイミングを逸しては改革はできない」と強気の発言を繰り返したが、涙の理由を聞かれ「府庁も頑張っているので…」などと明言を避けた。




 う~ん…(苦笑
 まだ就任して間もないというのに、身内(大阪府下の職員)と外(一般市民)とで、ここまで評価がはっきり別れる知事さんも、ある意味非常に珍しいですね。
 もっとも、対個人相手の橋下氏の支持率が前回調査より更に10ポイントも上昇し、75%まで高まったというのも、(1100億円の)収支改善については、かなり厳しく求めながらも、その一方で、「創業者や強烈なリストラをした経営者の知恵を、ぜひ拝借したい」と、時には教えを請う姿勢を見せるなど、拘るところは拘り、その一方で使えると思ったら民間の意見も柔軟に受け入れるといったメリハリのある姿勢を見せていることに好感を持つ方が多いからではないでしょうか。
 ただの言葉倒れに終わるか、それとも本当に改革を成し遂げるのか、その答えは数年経ってからでないとわかりませんが、183万票と、半数以上の得票を集め他の候補を圧倒して当選した以上は、選んだ側も1票を投じた責任を持つべきだと思いますし、どう現実的に改革を進めていくか、既得権益の維持のための反対をするのではなく、いかに行政を効率的に行い、かつ対個人へのサービスの低下を最小限に抑えるかが、今問われているように思います。

健保組合の高齢者医療制度支援金、5094億円の大幅増

2008-04-24 18:49:16 | Weblog
健保組合の高齢者医療制度支援金、5094億円の大幅増 2008年4月22日
読売 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080421-OYT1T00655.htm
毎日 http://mainichi.jp/select/today/news/20080422k0000m010121000c.html
産経 http://sankei.jp.msn.com/life/welfare/080421/wlf0804212303008-n1.htm
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080422AT3S2102M21042008.html
 健康保険組合連合会(健保連)は21日、約1500ある大企業のサラリーマンらが加入する健康保険組合の2008年度予算の集計結果(推計)を発表した。
 高齢者医療制度の制度改正に伴う支援金は計2兆8423億円に上り、前年度比5094億円の大幅増となった。この結果、全組合の赤字額の累計は過去最大の6322億円に上った。
 健保連に所属する1502組合のうち、予算の報告があった1285組合のデータから全体額を推計した。赤字は2年連続で、前年度より3924億円拡大した。赤字の組合は、1502組合のほぼ9割にあたる1334組合に上る見込みだ。赤字の健保組合の大半は、積立金を取り崩すことで対応するが、赤字組合の1割程度は加入者の保険料を引き上げるという。
 支出の内訳をみると、75歳以上の後期高齢者医療制度などへの支援金が、前年度の老人保健拠出金と比べて1039億円増の1兆2874億円だった。また、退職者への拠出金や65歳~74歳の前期高齢者への支援金の合計額は、前年度と比べて4045億円増の1兆5537億円に上った。
 一方、厚生労働省は、新たな高齢者医療制度の導入に伴い、健保側の負担増を総額4300億円と見込んでいる。内訳は、医療費の自然増に伴う負担分が2500億円、制度改正に伴う負担分が1800億円と試算している。



 老人医療費の増加で、健保組合の運営が大変苦しい状況に追い込まれていることは、経済誌の特集記事や新聞報道などでご存知の方も少なくないと思いますが、08年度は全体の88.8%の健保組合(1334組合、前年度より278組合増加)が赤字に陥り、少なくとも141の健保が保険料率を引き上げる模様です。
 また、健保組合の上部団体である健保連からの報告で、高齢者医療制度の制度改正に伴う支援金は計2兆8423億円に上り、全組合の赤字額の累計は過去最大の6322億円に上ることがわかりました。
 しかも、この集計。政府が政管健保の国庫補助を削減し、その分健保組合に肩代わりさせようとしている750億円は今回の集計には含めていないようで、もし法案が成立すれば、組合の負担は更に増加。保険料のうち労働者負担分を増やさざるを得ない健保組合の数が更に増加する可能性もありそうですね。

 また、これも非常に怖い発言ですが、健保連が「赤字分の穴埋めには平均0・8%の料率アップが必要」としており、そうなると健保組合全体の平均保険料率は(政管健保)並みの8・2%程度にアップ。中には政管健保よりも高い保険料率を設定せざるを得ない健保組合も出てくるでしょうし、そうなると、健保組合の存在意義そのものが問われることにもなるのではないでしょうか。
 あまり財政が苦しいようだと、健保組合の解散が再び増加して、結局は政管健保が苦しくなるだけですし、ここまで組合健保の財政状態が悪いようだと、組合健保にだけ総額750億円の負担増を押し付けることも難しくなり、いずれは中小企業の方が主に加入している政管健保の保険料率のアップという話も真剣に議論される可能性が非常に高くなったと思います。

ガソリン税「暫定税率復活」でパニック再び

2008-04-24 18:45:26 | Weblog
ガソリン税「暫定税率復活」でパニック再び 2008年4月23日 産経夕刊
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/080423/env0804231928003-n1.htm
 政府与党が今月末に租税特別措置法改正案を再議決し、5月1日にもガソリン税の暫定税率が復活する見通しとなったため、石油業界は駆け込み需要への対応を急いでいる。暫定税率が復活すると、足元の原油価格の高騰と合わせて、1リットル=160円台に迫る過去最高値となる見通し。
 大型連休(GW)が始まる今週末は駆け込み客が集中する可能性も高く、トラブルの懸念は強まる一方だ。
 需要により異なるが通常、ガソリンスタンド(GS)の在庫は1週間~10日分程度。暫定税率復活後も各店の判断で在庫分は安い価格で販売することも可能だが、すぐに在庫が尽きてしまうことも想定される。石油連盟の渡文明会長(新日本石油会長)も「約200万キロリットルの駆け込み需要が発生する可能性があり、考えられないような混乱が起こる恐れもある」と懸念を示す。
 売り切れ防止のため、ジャパンエナジーやコスモ石油などは今週末のガソリンの注文受付を通常より1営業日前倒しする通達を出したり、輸送業者との短期契約でタンクローリーを増強したりする対応を行っている。ただ、「台数や契約ドライバーの確保は時期的にも困難」(元売り大手)との声もあり、供給体制は厳しい状況だ。
 石油情報センターが23日発表したレギュラーガソリンの全国平均価格(21日時点)は、前週から横ばいの1リットル=130・6円と底を打った。しかし、新日本石油は原油価格の高騰により、5月1日からの卸価格を約2・4円程度値上げする見通し。他社も同様の値上げとなる見通しで、暫定税率分の約25円と合わせると、現在に比べて30円近い値上げとなる。昨年12月に記録した平均155・5円の更新する可能性は高まっている。
 ただ、消費者の反発も予想され、GSが値上げを決断するのは容易ではない。暫定税率復活後に価格据え置き競争が始まれば、経営が立ちゆかなくなるGSが出てくる可能性は大きい。暫定税率失効からわずか1カ月で復活するという政治の混乱に、石油業界、消費者ともに振り回されている格好だ。



 この話題は昨日のブログでも少し触れたのですが、やはり5月1日から暫定税率+原油価格の値上げ分を合わせると30円近い値上げになるようですね。暫定税率の復活が1ヶ月遅れれば、それだけで2000億円を超える税収がなくなるため、急ぎたいのはわからなくもないのですが、なぜ復活ありきなのか、本当に必要なのはいくらなのかの議論が全くされないまま、強引に復活させようとする姿勢には、どうしても疑問を感じずにはいられませんね。
 今年のGWは前半2日(26日と27日)、祝日の29日、5月3日~6日の4連休と休みが分断されていますし、だからこそ後半の4連休にお出かけを計画している方も少なくないと思うのですが、何もその4連休前に暫定税率を復活させなくても……と思いますし、今週末にガソリンを入れに行く時間的余裕のなかった家庭の場合、近場で過ごすなど、結果的に年に1度の稼ぎ時だというのに、(特に車でないとアクセスが不便な)観光地の客の入りが悪くなる二次被害も出そうな気がするのですが、与党は果たしてそこまで考えているんでしょうかねぇ…。
 そんなに税収の確保が必要ならば、なぜ暫定のまま数十年も放ったらかしにしていたのか…という根本的な疑問もありますし、ガソリンスタンド業界は勿論のこと、一般国民にとっても、この騒動は、実にはた迷惑な話だと思います。

賞味期限11か月過ぎた揚げめんで食中毒、他賞味期限切れ事件1本

2008-04-24 18:39:10 | Weblog
長崎の高校生ら64人、賞味期限11か月過ぎた揚げめんで食中毒 2008年4月22日
読売 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080421-OYT1T00673.htm
朝日 http://www.asahi.com/national/update/0421/SEB200804210018.html
 長崎県佐世保市は21日、同市世知原(せちばる)町の宿泊研修施設「県立世知原少年自然の家」で皿うどんを食べた同県立高校の1年生ら118人のうち64人が、吐き気や腹痛など食中毒症状を訴えたと発表した。
 賞味期限を11か月過ぎた揚げめんを使用していたのが原因で、市は同施設の食堂を3日間の営業停止処分とし、納入した同市の卸業者「古賀食産」に対し、期限切れのめんの廃棄を命じた。
 市などによると、14日から2泊3日の日程で新入生研修合宿をしていた男子生徒29人と女子生徒32人、引率教師3人で、うち11人が病院で診察を受けたが、いずれも軽症だった。
 食堂は同施設が委託した市内の業者が営業し、16日の昼食に皿うどんを出した。生徒らは食べ始めてすぐにめんの異臭に気づき、直後から次々に発症。調理師らはめんの変質に気付かなかったとしている。

賞味期限切れベビーフード、東京ディズニーラ(ンドで販売 2008年4月22日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080421-OYT1T00644.htm
 東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランド(千葉県浦安市)は21日、賞味期限切れの「明治ベビーフード赤ちゃん村麦茶」を4箱販売したため、自主回収に乗りだしたと発表した。健康被害の申し出はないという。
 商品の賞味期限は3月21日だったが、ランド内の「ベビーセンター」で同27日と4月3、9、19日に1箱(各10袋)ずつ販売。湯に溶かす顆粒タイプで、生後約1か月から使用できる。
 同社は「商品の管理ミス。心よりおわびしたい」としている。問い合わせは東京ディズニーリゾート・ゲストご相談室(0120・933・832)へ。




 そもそも賞味期限というのは『定められた方法により保存した場合に品質の保持が十分に可能であると認められる期限』なので、乾麺なら、保管場所にさえ気をつければ、1ヶ月くらいならば賞味期限を超えていても、多分お腹を壊すことはないと思いますが、さすがに他人様に出すべきような代物ではないでしょうし、たとえ暗所に保管していても、半年超過あたりでそろそろ油の変質が心配だというのに、賞味期限を11ヶ月も過ぎたものとなれば、麺の油が変質して、食中毒症状が発生しても別におかしくはないでしょうね…。
 それにしても、なんで賞味期限を11ヶ月も過ぎた麺など使ったのか…。まさか、昨年の夏あたりから、全く利用客がなくて、昨年の在庫が残っていたから…などという理由は考えたくもありませんし、食べてすぐに異臭を感じるくらいならば、調理中に異常に気がつかないというのは、ちょっと考えにくいのですが、調理する側に、『ええい、期限切れでもそのまま出してしまえ!』などという傲慢な考えはなかったでしょうか…。
 この業者のあまりにも食に対する衛生管理意識が低いことには、もはや呆れ果てる他ありませんし、この業者には3日間の営業停止処分が課されるようですが、ここまでいい加減な業者には『じゃあ何? こんな悪質な事例でも4日後からは営業できるの???』などと、ついつい文句の1つも言いたくなりますね。

 また、東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドでも、賞味期限が1ヶ月過ぎたベビーフードを販売していたことが判明。湯に溶かす顆粒タイプということで、多分安全性には問題はないとは思いますが、生後1ヶ月から食べさせることができるということで、こちらもちょっと心配です。

 まあ前者は問答無用ですが、どうも最近の日本企業ではこういったケースが露見することが増えているような気がします。この手の問題にうるさくなったから露見するケースが増えたのか、それとも労働条件の格差が進み、その煽りで、品質管理に対する意識にも甘さが見られるようになってしまったのかはわかりませんが、一度新聞紙上に企業名が出てしまうと、企業イメージを著しく下げかねないだけに、特に食品や医薬品を扱う企業は、賞味期限に対してもっと神経を配って欲しいと思いますね。

硫化水素自殺 絡みのニュース3本

2008-04-24 18:29:44 | Weblog
高知で硫化水素自殺 女子中学生1人死亡 90人が病院搬送か 2008年4月24日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080424/crm0804240108001-n1.htm
 23日午後7時50分ごろ、高知県香南市香我美町徳王子の市営住宅「ハピネスかがみ」(5階建て)の付近住民から「異臭がする」と110番通報があった。防護服を装着した県警機動隊員が駆けつけたところ、3階の1室で14歳の中学生とみられる少女が倒れていたが、間もなく死亡が確認された。
 また少女を助けようとした男性が現場で倒れ、一時意識不明となった。
 異臭は周辺に拡大し、市営住宅の住民らが近くの香我美トレーニングセンターに避難したが、のどの痛みや体調不良を訴える住民が相次ぎ、高知市の愛宕病院など付近の5つの病院に約90人が搬送されたり、自力で病院へ向かうなどした。
 このうち香南市内の野市中央病院には22人が搬送され、3人が入院した。
 香南市消防本部によると、現場となった部屋には、トイレ用洗剤のボトルが落ちており、ドアに「ガス発生中」などと書かれた紙が貼られていたという。県警は硫化水素による自殺の可能性があるとみて詳しい状況を調べている。
 県警や消防によると、同住宅は2棟あって80世帯が入居。5階建て建物が2棟隣接し、近くにトレーニング施設があるという。
 現場は土佐くろしお鉄道香我美駅から北約2キロの、工場などが立ち並ぶ地域の一角。

硫化水素自殺?ホテルで男性客死亡、従業員9人搬送…滋賀 2008年4月24日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080424-OYT1T00411.htm
 24日午前11時5分ごろ、滋賀県湖南市岩根中央のビジネスホテル「ホテルサンクレスト甲西」の従業員から「変なにおいがする」と119番通報があった。
 甲賀広域行政組合消防本部の隊員が駆けつけたところ、7階の客室の浴室内で30歳ぐらいの男性宿泊客が倒れており、間もなく死亡した。ホテルの女性従業員9人が気分不良を訴え、病院に搬送されたが、全員軽症という。
 同本部によると、浴室内で洗浄剤などの容器が見つかり、ドアには硫化水素自殺をほのめかす文書が張られていた。当時、他の宿泊客はいなかったという。
 現場はJR草津線三雲駅の北2キロの工業団地近く。

「苦しまずに死ねる」ネットに情報氾濫 相次ぐ硫化水素自殺 2008年4月4日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080403/crm0804032117043-n1.htm
 複数の洗剤や入浴剤などを混ぜて有毒な硫化水素を発生させ、中毒死する自殺が相次いでいる。「苦しまずに死ねる」-。インターネット上にはこうした文言とともに具体的な方法が紹介され、今年に入ってからだけでも、10人以上が自殺した。東京都内で自殺未遂をした男性も「ネットで自殺方法を調べた」と話しているという。有毒ガスが外部に漏れ出すなどして、家族や近隣住民らが巻き込まれるケースもあり、専門家は「危険な方法」と警鐘を鳴らしている。
■激しい頭痛
 「硫黄みたいなにおい。何かしら?」
 2月18日朝、東京都渋谷区の3階建てアパート。3階に住むアパート所有者の女性は激しい頭痛で目が覚め、異臭に気付いた。のどに走る痛み。異臭は下の階から漂ってきていた。
 応答のない1階の鍵を開け、警察官らと部屋に入った。「濃密な異臭がもわっと飛び出してきた」。居間では男性(27)がソファで倒れ、床に複数の鍋が置かれていた。洗剤などの容器も散乱していた。有毒ガスだと確信したとき、隣の警察官が叫んだ。「すぐに出てください」
 警視庁渋谷署によると、男性は硫化水素を発生させて自殺を図っていた。女性は3階に駆け上がり、異臭に泣き声を上げる生後4カ月の長男と、1歳の長女を連れて逃げ出した。3人は軽症だったが、女性は「生まれてきたばかりの子供を巻き込み、小さな肺に有毒ガスを吸わせた」と憤る。
 約2週間後、一命を取り留めた男性が謝罪に訪れ、自殺未遂の様子を説明したという。
 「確実に死ねるようきっちりと洗剤を計量し、バスルームで調合した。方法はインターネットで調べた」
■練炭より確実
 硫化水素は卵の腐ったような刺激臭を発する有毒ガス。頭痛や吐き気、呼吸困難などの症状が表れる。高濃度の場合には数呼吸で失神、即死する。
 あるホームページではこうした硫化水素の毒性を紹介し、「練炭自殺より、苦しまずに確実に死ねる」と宣伝。さらに、部屋の通気口などを粘着テープでふさいだり、「ガス発生中。入るな」の張り紙をしたりするなどの具体的な手順も記載している。
 インターネットの有害情報を監視する民間団体には今年2月14、15日、「硫化水素を使った自殺に関する書き込みがある」という情報提供が2件相次いだ。この時期から自殺が急増していることなどから、団体関係者は「2月ごろからネット上で書き込みが増え、情報が広まった可能性もある」と話している。
 昭和大薬学部の吉田武美教授(毒物学)は「一般に流通する商品で硫化水素は発生させられるが、極めて危険な行為。高濃度になると、嗅覚(きゅうかく)がまひしてしまうため、家族らを巻き込む2次被害の恐れがある」と警告する。
■メーカー困惑
 実際、渋谷区の自殺未遂のケースのように、巻き添えの被害が後を絶たない。
 神戸市北区の男性会社員(64)方の浴室では3月27日、アルバイトの二男(27)が「有毒ガス発生。開けるな」と張り紙をして自殺したが、会社員が意識不明の重体となったほか、妻や長男も有毒ガスを吸い込んで治療を受けた。昨年7月に神奈川県秦野市で男子大学生が自殺したケースでは、家族2人が巻き添えで死亡しただけでなく、救急隊員や警察官も目などの痛みを訴えた。
 インターネット上で、硫化水素の原料として名指しされている洗剤の製造元は「自殺の道具に使われ、非常に困惑している。商品に『これと混ぜたら危険』と表示すれば、逆に自殺を促す結果になる恐れもある」と話している。



 死者にムチを打つような発言は気がひけるのですが、どうも最近は硫化水素を使って自殺する人の割合が相対的に増えているようです。
 で、その背景としては、『苦しまずに死ねる』とネット上の書き込みが放置されていて、実際にその方法が比較的簡単に検索できてしまうことが原因のようですが、(鉄道への飛び込み自殺や高いビルからの投身自殺程には、不特定多数の方に迷惑をかけるわけではないとはいえ)部屋内でやられた日には、先の高知の事件やビジネスホテルのように、周囲の方を巻き込んだり、しばらくその部屋を貸し出せなくなったりしますし、他人を巻き込むという意味では、実に迷惑千万な話ではないかと思います。

 心のフォローなど、対人的な自殺防止の取組については、本題から離れてしまうため、ここではあえて触れませんが、人道上明らかに問題のあるネット上の書き込みについては、管理者に即刻書き込みを削除する命令を出せるようにする(管理者が片棒をかつぐような場合は、プロバイダー側にHP削除の権限を与える)、キャッシュも極力見れないようにするなど、何らかの対策は取れないものでしょうか…。
 勿論、表現の自由は最大限に尊重されるべきだとは思いますし、本当はネットの弾圧などしない方が良いとは思うのですが、事は人の命がかかっているだけに、国会議員のお偉いさんにも、深夜アニメのエロ規制法案など作っている暇があったら、こちらの方の対策を最優先して欲しいものだと思います。

米国産牛肉:消費者不安再燃も 吉野家「完全復活」1カ月

2008-04-24 18:15:07 | Weblog
米国産牛肉:消費者不安再燃も 吉野家「完全復活」1カ月 2008年4月24日 毎日
http://mainichi.jp/select/today/news/20080424k0000m040133000c.html
 「違反肉だな」。牛丼チェーンの吉野家の社員は、埼玉県内にある自社の加工工場に保管していた米国産牛肉の箱を開けた瞬間、特定危険部位が混入していることに気づいた。3月にようやく、牛丼の24時間販売の再開にこぎつけた同社にとっては大きな衝撃。一昨年7月の2度目の輸入再開以来、徐々に薄らいでいた米国産牛肉に対する消費者不安が再び再燃しそうだ。
 埼玉県大利根町にある吉野家の「ミートセンター」。昨年8月に米国ナショナルビーフ社から輸入した牛肉が詰まった箱を、21日に開けた社員が、中身を見て驚いた。中に入っていたのは牛丼の材料になる「ショートプレート」と呼ばれる骨なしバラ肉ではなく、骨付きロースばかり。背骨は輸入禁止の特定危険部位に当たる。
 吉野家は、牛海綿状脳症(BSE)の発生で米国産牛肉の輸入が禁止されたことに伴い、04年2月に牛丼の販売を中止。06年9月に期間や時間限定で販売を再開し、3月20日に24時間販売にこぎつけ、悲願の「完全復活」を果たした。
 吉野家は現在、米国の13工場から牛肉を輸入している。「牛肉の在庫は確保しており、24時間販売の見直しはしない」(吉野家ホールディングスの吉村康仙・広報部長)と説明するが、不安なのは消費者心理の悪化だ。
 米国産牛肉は、大手スーパーでもほとんどが輸入を再開しているが、輸入量がまだ少ないこともあって、BSE発生前の水準には戻っていない。ダイエーは24日から、ナショナルビーフ社製の牛肉の販売を中止することを決めたが、今回の混入を機に再び米国産牛肉の販売を見合わせる店も出てくる可能性もある。
 日本は米国産牛肉について、月齢20カ月以下という輸入条件を付けているが、米国は日本に対し「BSE発生の恐れは低くなった」と条件の撤廃を求めていた。しかし、日本の慎重姿勢はさらに強まることが予想され、今後の交渉は暗礁に乗り上げそうだ。



 ん…。そもそも日本とアメリカとでは牛肉の受け入れ基準そのものに大きな違いがありますし、吉野家といえば、日本の企業の中でも、アメリカ産牛肉を大量に輸入している企業の一つ。もし、特定危険部位が紛れ込むとすれば、商社経由か吉野家だと思っていたので、個人的にはこの報道もそれ程驚いていませんが、さすがに箱の中身が骨付きロース肉ばかりというのならば、製造工程上のミスというよりは、工場が他の取引先に送るつもりで、誤って日本向けに紛れ込んだものと考えても良さそうですね。
 とはいえ、BSEは原因不明の不治の病ということもあることからか、とりわけ子育て主婦層にはこの問題に敏感な方も少なくなく、売り上げに与える影響も少なくないかと思います。
 私などは、例の餃子事件の影響で、未だに市販の餃子を食べる気がせず、アメリカ産牛肉より中国産餃子の方が(遭遇する確率的に)余程恐ろしいのですが、この騒動の影響で、一部のスーパーではアメリカ産牛肉の取り扱いを一時見合わせる動きも出ているようですし、安くて美味しい牛肉を食べるチャンスがまた少なくなりそうな嫌な予感がします。

ペンシルベニア民主予備選、クリントン氏勝利

2008-04-24 18:09:11 | Weblog
ペンシルベニア民主予備選、クリントン氏勝利 2008年4月23日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080423NT000Y75523042008.html
 米大統領選の民主党予備選が22日、東部ペンシルベニア州で開かれ、ヒラリー・クリントン上院議員がオバマ上院議員を抑え、勝利した。6月まで続く予備選のうち最大票田の同州を制したことで、クリントン氏は選挙戦に踏みとどまった。ただ同氏が厳しい状況であることに変わりはなく、次の焦点は来月6日のインディアナ、ノースカロライナ両州が予備選を開く「5月決戦」に移る。
 民主党の予備選は3月のミシシッピ州以来、6週間ぶり。158人の代議員を選ぶ同州でクリントン氏が敗北すれば同氏への撤退圧力が一段と強まるとみられていたが、指名争いの決着は5月以降に持ち越された。
 開票率95%の段階でクリントン氏とオバマ氏は得票率で10ポイントの差がついており、2ケタの差を目指したクリントン陣営の目標は一応、達成した格好となった。


 アメリカの大統領選挙予備選ですが、ペンシルバニアではクリントン氏が10ポイントの差をつけてオバマ氏に勝利。クリントン氏が民主党系候補として生き残るためには、最低でもオバマ氏に10ポイント以上の差をつけて勝つことが不可欠と言われていただけに、クリントン陣営としてはとりあえずは面目は保ったといったところでしょうか。もっとも、これでまた民主党の大統領候補選びは混沌としてきましたね。
 共和党の側も、マケイン候補では保守派の枠組から外れるため、一本化は難しいという見方もある(http://www.mochida.net/report08/4apim.html)ようですが、こちらは他の候補との差は一目瞭然。今回勝負が決まらなかったことが、民主党にとって本当に良かったのかを考えると、少し複雑な気持ちになります。