ファイナンシャルプランナーのニュースチェック

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労災認め不支給取り消す 津地裁、過重労働死で

2006-10-04 07:42:18 | Weblog
労災認め不支給取り消す 津地裁、過重労働死で 2006年9月28日 共同通信
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hanrei/20060929c.htm
 家電量販店ミドリ電化(兵庫県)に勤めていた男性が心疾患で死亡したのは長期間の過重労働が原因として、男性の母親(59)=大阪府羽曳野市=が遺族補償給付などを不支給とした津労働基準監督署の処分を取り消すよう求めた訴訟で、津地裁は28日、労災を認め処分を取り消した。
 水谷正俊裁判長は、約1年間にわたる過重な時間外労働や業務内容が精神的、肉体的負担を及ぼしたと認定。長期の過重労働は虚血性心疾患を発症させる危険性があり、ほかに発症原因がないことから、業務に起因するものであると結論づけた。
 判決などによると、男性は三重県鈴鹿市の店舗で売上金の管理などを担当していた 2002年7月、帰省していた実家で就寝中に、虚血性心疾患で死亡した。男性は約1年間にわたり月80時間前後の時間外労働をしていたという。
 津労基署は03年、業務と発症の因果関係が認められないとして、遺族補償給付などを不支給としていた。


 遺族にとって、遺族補償年金が出るかどうかでは、その後の生活水準に大きな影響を及ぼしますし、約1年間に渡り、月80時間もの時間外労働をしていたなら、普通は労災認定されるのでは…と一般の人は考えがちですが、お国の労災認定基準(支給するかどうかの境目)はかなり厳しく、実際に認定されるのは3割あるかどうかといったところです。
 ただ、お母さんの年齢から判断すると、死亡した息子さんはせいぜい30台前半でしょうし、この年齢で持病で虚血性心疾患を起こすことは、仮に被害者が高血圧や高脂血症、ヘビースモーカーだったとしても、私傷病とは正直考えにくいところ。
 私にはなぜ審査官や審査会が不支給決定したのか、そちらの方が不思議でなりません。

残業1時間で死亡も労災 作業条件厳しく逆転勝訴

2006-10-04 07:37:37 | Weblog
残業1時間で死亡も労災 作業条件厳しく逆転勝訴 2006年9月28日 共同通信
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hanrei/20060929b.htm
 船舶の荷物積み降ろし作業後に心臓病で死亡した港湾労働者の男性=当時(48)=の遺族が、大阪西労働基準監督署長に遺族補償給付などの不支給処分取り消しを求めた訴訟の控訴審で、大阪高裁は28日、作業条件の厳しさなどから労災と認め、遺族の逆転勝訴とする判決を言い渡した。
 男性は心臓に持病があったものの、死亡前1週間の残業時間は1時間程度で、原告側弁護士は「従来の基準では認められなかったケース。労災を幅広く認めた判決だ」と評価している。
 横田勝年裁判長は判決理由で、不整脈など男性の持病について「心臓病発症寸前までは悪化していなかった」とした上で、死亡までの勤務状況を検討。
 1週間の残業時間が約 1 時間で、直前の2日間が休日だったため「負担が重いと断定するのはためらう」としたが、死亡時が夏で直射日光を浴びて作業していたことから「前の週に比べ厳しい業務となった」と判断。業務により心臓病が発症したと認定し、不支給処分を取り消した。
 判決によると、男性は1995年7月、大阪市住之江区で早朝から貨物船に鋼材を積み込む作業をしていたが、午後八時ごろ倒れているのが見つかり間もなく死亡した。作業現場に日よけはなく、最高気温は30度を超えていた。


 過重労働にかかる労災認定基準は直前の時間外労働時間等が重要視される事が多いのですが、死亡前1週間の残業時間が1時間で労災を認定したケースはおそらくは、初めてのケースではないでしょうか。
 労災認定基準は一つの判例で直ちに通達が出て、すぐに運用基準が変わるわけではありません(この間、加古川の女性保育士が退職1ヵ月後に自殺したケースが裁判で労災認定されたケースがありましたが、まだ新しい通達は出ていません)が、同じ残業時間でも、事務作業と高温灼熱の中での体に与える負荷は全然違うでしょうし、今後の第一次審査機関の審査官や第二次審査機関の審査会の判断にも、この判例は少なからぬ影響を与える可能性があるのでは…と注目しています。

推計出生率、低下の見通し 厚労省人口研

2006-10-04 07:29:56 | Weblog
推計出生率、低下の見通し 厚労省人口研 2006年9月30日 産経
http://www.sankei.co.jp/news/060930/sha003.htm
 日本の将来推計人口の見直しを検討している厚生労働省の社会保障審議会人口部会が29日開かれ、同省付属の国立社会保障・人口問題研究所が、年末に公表予定の新たな推計では、平成14年に公表された現在の推計値と比べて出生率は低下するとの見通しを示した。
 この日は同研究所が、晩婚化の進行や平均初婚年齢の上昇、離婚の増加、夫婦の産む子供の数の減少など最近の統計で明らかになったデータを織り込んで、推計作業を進める方針を説明した。
 同研究所の金子隆一人口動向研究部長は「どのパラメーターも出生率が下がる方向の変化が見られる」と述べるとともに、今年に入って出生数が増加していることについて、推計に影響を与えるほどの大きな変化ではないとの見方を示した。
 14年公表の推計は、女性が生涯に産む子供の数の推定値である合計特殊出生率が19年に1.31で底を打ち、その後、1.39まで上昇するとしていたが、実際は昨年1.25まで低下した。


 厚労省は今年になってから、6ヶ月連続で子供の出生数が増えたことに異様なまでに楽観的になっているようですが、私には単なる昨年の反動にしか思えませんし、より長期的な推移を重視する専門調査機関である国立社会保障・人口問題研究所の言い分の方が当たっているのではないかと思いますね。
 発表は年末ですか…。どのような長期的推移が出るのか気になるところです。

スト抑止の褒賞金と認めず 中労委救済命令取り消し

2006-10-04 07:25:21 | Weblog
スト抑止の褒賞金と認めず 中労委救済命令取り消し 2006年9月27日 共同通信
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hanrei/20060929a.htm
 JR東日本が労働組合のストライキに参加せず勤務した社員に褒賞金を支給したことをめぐり、中労委から受けた不当労働行為救済命令の取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は27日、JR側の請求を認め命令を取り消した。
 佐村浩之裁判長は「褒賞金の目的は労組の争議権行使を抑止することではなく、ストで過重勤務せざるをえなかった社員の労苦に報いること。不当労働行為ではない」と判断した。
 判決によると、動労千葉は1989年12月から90年3月まで、雇用問題などを理由に計4回のストライキを実施。うち1回は1,339本の列車が運休し、約30万人に影響が出た。
 JRは90年4月以降、ストとその前後の日に臨時勤務した社員に対し一人1日3,000 円を基準に褒賞金を支給。支給対象は約2万人で、総額は約2億5,000万円だった。
千葉県地労委は93年3月、不当労働行為と認め、スト参加者に対しての褒賞金支給も命じた。JRからの再審査申し立てを受けた中労委は昨年9月、スト参加者への支給命令は取り消したが、不当労働行為との認定は維持した。


 労働組合がストライキを行っている時に、他の労働組合の従業員に過大な手当を支給して出勤を促せば、一歩間違えばスト破りとみなされ、不当労働行為として訴えられることもありますが、今回の事例では、ストとその前後の日に臨時勤務した従業員に1日3,000円の手当が支給したことが、単なる慰労金扱いなのか、それともストを実施した組合に対しての嫌がらせ行為なのかが争われました。
 89年頃なら、休日出勤手当も、大企業ならそのくらいの水準は出していましたし、そういう意味では慰労金なのかな…とも思いますが、1ヶ月単位で出勤日数が優良な者に対して支給する精勤手当(月単位で数千円程度)と比べれば、明らかに高いですし、正直微妙なケースではないかと思います。

 ただこれって訴えた方は、JR裁判シリーズの例外に漏れず、多分国労だと思いますし、臨時出勤した従業員は多分会社よりの組合の人間、その額にしても、仮にスト4回全てに出勤したとしても3,000円 × 4 = 12000円ですから、著しく不公平というレベルでもないのでは…という気もします。裁判で不当労働行為そのものは認めながらも、スト参加者に同額の手当の支給を認めなかったのも(実際に出勤していないのだからノーワークノーペイの原則に従えば)現実的な対応だったのではと、個人的には考えています。

「ジャスコ」が店名から消える? イオンが名称変更模索

2006-10-04 07:21:05 | Weblog
「ジャスコ」が店名から消える? イオンが名称変更模索 2006年10月04日 朝日
http://www.asahi.com/life/update/1003/006.html
 イオンが全国で展開する総合スーパーの店名「ジャスコ」が消えるかもしれない。イオンの村井正平専務執行役は3日の記者会見で、「ジャスコをやめて、イオンスタイルストアにしたい」と語った。だが、同社広報は「店名変更は社内でまだ検討もしていない段階」としており、議論を呼びそうだ。
 村井専務は、今春から導入した新しい衣料品売り場「イオンスタイルストア」について説明する中で、「食品部門の改革も進んだときは、すべてイオンスタイルストアとしたい」と述べた。
 「ジャスコ」は70年から社名と店名の両方で使われてきた。社名がイオンに変わった01年以降も全国約300店の名前として残っている。


 う~ん ジャスコの店舗名の変更はどうなんでしょうね…。一般に店舗名を変更するのは、業界内での地位が低下気味で、新しいタイプの店舗を導入して、一気に勝負に出たい時に行うケースが多いと思いますが、ジャスコは勝ち組ですし、『イオン』ならまだしも『イオンスタイルストア』という一消費者レベルではほとんどなじみの無い名前に変更するメリットがどれ程あるのか…。
 年配の方なら『ジャスコで会いましょう ジャスコでね』と歌うCMを覚えている方も少なくないと思いますが、もし店名が変わってしまったら、寂しい気がしますね。

ドリフト失敗して主婦死亡の事故、危険運転致死で起訴

2006-10-04 07:17:42 | Weblog
ドリフト失敗して主婦死亡の事故、危険運転致死で起訴 2006年10月03日 朝日
http://www.asahi.com/national/update/1002/TKY200610020349.html
 東京都東村山市で散歩中の主婦が飲酒運転の車にはねられ死亡した事故で、東京地検八王子支部は2日、運転していた同市久米川町1丁目、塗装業白戸葵容疑者(26)を危険運転致死などの罪で起訴した。
 白戸容疑者は業務上過失致傷容疑などで逮捕されたが、「カーブに入る際、ドリフトして同乗者を驚かせようと思った」と話しているといい、同支部は「あえて高速度で走行した」と判断、危険運転致死罪を適用した。
 起訴状などによると、白戸容疑者は9月12日午前4時40分ごろ、市内の居酒屋やバーで友人と酒を飲んだ後に乗用車を運転、自宅近くの緩い左カーブを曲がりきれず、夫と橋の上を散歩していた同市秋津町4丁目の主婦谷村信子さん(当時68)をはね、死亡させたとされる。


 この事件 9月16日のブログ(http://blog.goo.ne.jp/ibarakiisuzu/e/62d555731a539ca9c90e9842ba348130)(→ 集まってきたギャラリーに悪態をつき、駆けつけた警察官に「これってヤバくない? まずいことしちゃったなあ」と他人事のように言い放ったあの大バカ野郎の事件です)でも紹介しましたが、ドリフトだか何だかしりませんが、運転技術を見せ付けたいなら人のいない山の中の峠ででもやってくれ! って一喝したくなりますね。
 飲酒運転の末に目の前で最愛の妻を奪われた夫の気持ちを考えると、やり切れませんし、危険運転致死罪の適用は当然だと思います。

京都におこしやす 11月の京都はイベントが一杯!

2006-10-04 00:51:01 | Weblog
京都御所、11月1日から公開・テーマは「宮廷の彩美」 2006年10月3日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20061003STXKC033503102006.html
 宮内庁京都事務所は3日、京都御所(京都市上京区)を11月1日から5日まで一般公開すると発表した。公開は午前9時から午後3時まで。無料。
 今回の飾り付けのテーマは「宮廷の彩美」。宮中に仕えた女官が読書や詩を書き写している様子を再現した人形などが展示される。


 もう、京都御所を一般公開する時期が来たんですねぇ…(しみじみ
 今秋の公開は11月1日~5日ですが、3日は文化の日で祝日、4日と5日は土日で大変混雑することが予想されます。
 蹴鞠(けまり)などの時間を指定したイベントを見たいなら話は別ですが、単に御所を見学したいだけなら、1日か2日の方が空いていて、ゆっくり見ることができますよ~。
 私も、御所の中の御池庭が気に入っていて、何度もリピーターしています。

 ちなみに11月3日は、京都の城南宮でも曲水の宴(午後2時~午後3時)が開かれます。(http://www.jonangu.com/kyokusui1.htm) 11月頭の3連休は京都の観光地は大混雑しそうですね。

郵便局強盗、囲まれ焼身 千葉 ガソリンを自分の衣服に

2006-10-04 00:44:03 | Weblog
郵便局強盗、囲まれ焼身 千葉 ガソリンを自分の衣服に 2006年10月3日 京都
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006100300105&genre=C1&area=Z10
 3日正午すぎ、千葉市若葉区大宮町の特定郵便局「千葉千城郵便局」に男が押し入り、持っていたペットボトル内のガソリンを自分の衣服にかけ、「300万でもいい。出さないと火を付ける」と脅し、現金約30万円を奪って逃げた。
 男は郵便局の外に出た直後、職員の通報で駆け付けた千葉東署員に取り囲まれたため、所持していたライターで衣服に着火。同署員が間もなく消火器で消し止め、強盗の現行犯で男を逮捕した。男は上半身やけどの軽傷。
 調べによると、男は住所不詳、タクシー運転手高田正一容疑者(58)。営業に使うタクシーを自ら運転して郵便局に乗り付けたとみている。
 高田容疑者は押し入った当初「500万円貸してくれ」と脅したが、職員に拒まれ、ガソリンを衣服にかけたという。
 現場はJR蘇我駅から北東に約4キロの住宅街の一角。


 一体何だったんでしょうね。大体、郵便局は銀行と異なり、個人融資は行っていないはずですが、そのくらいのことも調べずに、お金がありそうだからと、強盗に入ったのでしょうか?
 それにガソリンが一旦体にかかれば、完全に取り除く事はとても大変なことくらい素人でもわかるはず。お金に切羽詰っていたというのはわかりますが、人騒がせで間抜けな強盗です。

県:乳幼児や障害者など医療費、診療時に無料化--導入へ /山梨

2006-10-04 00:39:11 | Weblog
県:乳幼児や障害者など医療費、診療時に無料化--導入へ /山梨 2006年9月29日 毎日
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/bebe/news/20060929ddlk19010128000c.html
 県は、乳幼児や一人親家庭、重度心身障害者が診療時に無料で医療サービスが受けられる窓口無料方式を導入する。山本栄彦知事が28日の9月定例会所信表明で明らかにした。今後、市町村や医師会などの関係機関と協議し、数年以内に導入したい考え。
 医療機関の窓口で自己負担額を支払った後に市町村の窓口で返還を請求する従来の方式と比べ、煩雑な事務作業が減り、子育てを行う保護者や障害者、一人親世帯の経済、時間的負担が少なくなる。少子高齢化対策の一環として導入を決めた。
 県内では現在、28市町村のうち10市が、国民健康保険の加入世帯を対象に乳幼児の窓口無料化を導入しているが、一人親家庭や社会保険の世帯、重度心身障害者には行われていなかった。
 自己負担額は県と市町村が半分ずつ負担しており、05年度の補助額の総額は約36億円。現行制度では、患者は窓口で支払った金額を自治体に請求しない例もあったため、窓口無料化が実現すれば県や市町村の負担額が増える可能性が高い。県児童家庭課によると、98~01年度に窓口無料化を導入した4県は、乳幼児医療費の助成額が平均で導入前の約1・5倍に増加しており、財源確保が課題となる。


山梨県内で乳幼児の医療費を無料化している自治体はこちら 
http://www5d.biglobe.ne.jp/~kikegawa/minami96gou.html

 この窓口で乳幼児の医療費を支払わなくても良いサービスは、山梨県内のほとんどの市では、通院が5歳未満または未就学まで・入院が未就学までですが、甲府市と大月市では入院・通院とも小学校6年生までを対象にしていています。
 今度はその乳幼児医療費窓口無料化サービスを1人親家庭の子供や重度身体障害者にも拡大するようですね。
 確かにこのサービスは便利ですが、問題は市外の診療所や病院にかかった場合は、従来通り償還払い扱いになってしまうこと。深夜では小児科医がいない等の理由で、緊急時には近隣の市で治療を受けるケースも考えられますし、サラリーマンで健康保険に加入している人も、(独自の付加給付を行っている健保組合は仕方ないとしても)制度が全国共通の政管健保の方までが、償還払いの手続をとらなければならないのは不便かと思います。

 法定を超える自治体独自のサービスなので、市町村をまたいだり、制度そのものをまたいで医療費を償還払いすることが困難なのも致し方ないのですが、紙面から判断すると政管健保や健保組合の加入者にもサービスを拡大するのでしょうか? 数年後に導入したいとありますが、医師会の調整もさながら、個人的には保険制度間の調整の方がもっと大変だと思います。

亀有署、小児科医の立件断念 担当医は予見不可能

2006-10-04 00:32:14 | Weblog
亀有署、小児科医の立件断念 担当医は予見不可能 2006年9月30日 産経
http://www.sankei.co.jp/news/060930/sha005.htm
 東京都葛飾区の都保健医療公社「東部地域病院」(二川俊二院長)で平成15年3月、区内の保育園児、豊田理貴(りき)ちゃん=当時(5)=が腸閉塞(へいそく)で急死した事故で、警視庁亀有署は29日、担当した小児科医(36)は事故を予見できず、刑事責任を問うのは困難と判断、捜査結果の書類を東京地検に送付した。
 理貴ちゃんは15年3月9日早朝、腹痛を訴え受診。小児科医は軽い腸閉塞の「麻痺(まひ)性イレウス」と診断、経過観察のため入院措置とした。その後、容体が急変し同日夕死亡した。解剖の結果、死因は「麻痺性」より重症で生命にかかわる「絞扼(こうやく)性イレウス」だったことが判明した。
 亀有署は誤診が原因とみて捜査したが、専門の医師らが「絞扼性の発症はごくまれで、麻痺性と誤診し経過観察にすることはあり得る」と意見を述べていることから、刑事責任の追及は困難とした。


 この事件については『小児救急 悲しみの家族たちの物語』に詳細が詳しく語られていますし、こちらのリンク(http://www6.big.or.jp/~pad/network/index03.html)の一番上のコラムを読んで頂いてもわかるように、当直医師の診療態度にも(日勤の医師に形式的な引継ぎを済ませるだけでX線写真も見せない。その後の様子を見に行かないまま帰宅するなど)かなり問題があったようですが、絞扼性と麻痺性の判断が難しいこと、引き継ぎの谷間に起こった事件ということもあり、結局刑事責任の追及は困難と判断されてしまったようです。

 この小児科医も日中は日中で本来の仕事を持ち、そのお仕事も大変なのはわかりますが、もし引き継ぎをきちんとしてくれていたら…、もし帰宅する前に様子を見に行ってくれていたら…。そう考えると助けられる命を助けられなかったのでは…。(結局、理貴ちゃんは、午後1時半すぎに急に口と鼻から、液状のものを吐き、呼吸が弱まり、看護師が医師を呼びに行くまで日勤医師の診察を受けることなく、放置されたままでした)
 こういう事件って人間の限界を見ているようで本当につらいです。

カップめん人気沸騰、代名詞は「マルチャン」 メキシコ

2006-10-04 00:26:21 | Weblog
カップめん人気沸騰、代名詞は「マルチャン」 メキシコ 2006年09月30日 朝日
http://www.asahi.com/international/update/0930/001.html
 タコスの本場メキシコで、カップラーメンの人気が沸騰している。駅や学校、コンビニなど街の隅々でめんをすする人の姿が見られ、新聞や雑誌が次々に特集を組むほどだ。しかし、伝統的な食材の豆やトルティージャの消費量は急降下しており、「伝統食を守れ」と警戒する声も出始めている。
 せわしなく人々が行き交う地下鉄のイダルゴ駅。軽食カウンター、警備員のゴンサレスさん(40)がエビ風味のカップめんをフォークでかき込んでいた。店に備え付けの辛いチリソースをたっぷりかけ、ライムをしぼって食べるのがここの流儀だ。
 「週に1回は食べる。忙しいときは助かるよ。安いし味もいい。娘2人も大好物で週に2、3回は家で食べている」
 値段は、店頭でお湯を注いで食べると8ペソ(84円)。庶民が街角の安い屋台でお昼に食べるタコス三つ分と、ほぼ同額だ。スーパーで買うと1個4ペソ(42円)。月収2000ペソ(約2万円)のウエートレス、マルティネスさん(18)も「安い」という値段だ。
 北米では米カリフォルニア州南部に70年代に進出した即席めんの日系企業が市場を激しく争ってきたが、メキシコでは「マルちゃん」が最も多い。市場の8割を独占し、カップめんの代名詞にもなっている。
 東洋水産の米子会社マルチャンインクの深川清司社長によると、メキシコで人気が出たのは80年代から。「米国に出稼ぎにきたメキシコ移民が故郷に帰る際に持ち帰り、親類や友人にお土産として配って広がった」という。
 89年末から本格的な輸出を始め、メキシコの昨年の消費量は8年前の10倍の約10億食。アジア諸国や米、ロシア、ブラジルに次ぐ世界11位だ。
 こうしたカップめんの大攻勢の陰で警戒感を強めているのは、伝統的な食材の関係者だ。業界団体などによると、メキシコ料理に欠かせない豆の1人当たり消費量は10年間で半減して約9キロに。トウモロコシも3割減だ。地元紙は「特に35歳以下の世代が昔の世代ほど豆を食べなくなっている」と警鐘を鳴らす。
 豚タコスがおすすめ料理というメキシコ市の老舗(しにせ)料理店「バヒオ」の経営者ティティータさん(67)は「カップめんは不健康なうえに、まずくて食べる気もしない。私たちは毎日新鮮な食材を使って新鮮なメキシコ料理を出している。我々の伝統的な食文化を残すためにもカップめんと闘う」と意気盛んだ。


 日本でもファーストフードVSスローフードの議論がさかんですが、メキシコの場合は健康問題からというよりは、昼食時のお客を奪われる金銭的被害から伝統食タコスVSカップ麺の対決になっているようですね。
 確かにインスタントラーメンだけでは栄養不足になってしまいますが、同じファーストフードという位置付け上、競合は避けられませんし、タコス料理専門店も、ライバルをけなしているだけでは自分の店の売り上げを維持することはできないでしょう。
 例えば栄養価をアピールするとか、好みの具を入れることができる特性を最大限にアピールし、お客さんが毎日でも来たいと思うような、例えば挟む具材を周期的に入れ替えるとか、戦う方法はいくらでもあるはず。工夫しなければ淘汰されるだけなのですから、この時期こそ店主のアイディア次第で店を維持することが出来るか、競争に敗れて消え去っていくことになるのかを決めるのではないかと思います。