世界平和の潮流といっても、人間主義の旗を掲げ持つ、人材群が育つかどうかで決まってしまう。そのためには、一瞬一瞬の励ましこそが、勝負なのだ。 . . . 本文を読む
そして、編集長を、こう励ますのである。
「仕事でも人生でも、いろいろあるものです。私もそういう時代をくぐり抜け、いろんなことで板挟みにもなってきました。今は、降りかかった火の粉みたいに、“なんでこんなことを”と思うかもしれないけれども、すべて、人生のかけがえのない体験だったと、後々になって思い起こされてきますよ」
その言葉には、普遍の真理がある。 詩人バイロンは「逆境とは真実にいたる第一の . . . 本文を読む
伸一は“どうすれば、相手に自分の思いが伝わり、一番喜んでもらえるのか。どうすれば、発心の契機を与え、崩れざる幸福への道を進むことができるのか”と、常に、真剣に考え抜いていた。
その「励ましの心」こそが、伸一の「毎自作是念」(毎に自ら是の念を作す)であった。その必死の一念が触発をもたらし、勇気と希望の共鳴音を奏でるのだ。 . . . 本文を読む
花港観魚公園をあとにした時、同行していた学生部長の田原薫が、伸一に尋ねた。
「先生は、いつ、どこにあっても、相手の心を的確にとらえた、励ましの言葉をかけられますが、その秘訣はなんなのでしょうか」
伸一は言った。
「秘訣などあるわけがない。私は真剣なんだ。この人と会えるのは今しかない。そのなかで、どうすれば心を結び合えるかを考え、神経を研ぎ澄まし、生命を削っているのだ。その真剣さこそが、智慧とな . . . 本文を読む
彼女は、たった一回、言葉を交わしただけの自分を、伸一が覚えていたことに驚き、絶句した。
伸一は人と会う時には、相手を深く生命に焼き付ける思いで接し、全精魂を注いで励ました。また、そのあとも、その人を思い起こし、懸命に題目を送った。だから一度励ましただけの同志のことも、深く心に刻まれていたのである。
大聖人は門下に対して、「あなたのことは、いつでも法華経、釈尊、日天にお願いしています。 それは、 . . . 本文を読む
伸一は一人ひとりとの一回一回の出会いに、常に全精魂を注いできた。
“この出会いが、彼を励ませる最後の機会かもしれない。生涯の崩れざる幸福の軌道を築いてほしい。広宣流布に断じて生き抜いてほしい” いつも伸一は、こう懸命に祈り念じつつメンバーに接し、励ましの言葉をかけ続けた。その必死さが、真剣さが、相手に伝わり、魂を揺さぶるのである。励ましとは、生命の触発作業なのだ。 . . . 本文を読む
戸田城聖は、広宣流布のために、さまざまな難に遭い、頑張り抜いてきた同志がいると、励ましのメダルを贈った。また、折々に、句や和歌を作って、功績のあった弟子たちに贈っては、讃え、励ましてきた。
さらに戸田は、いろいろな局面で青年たちの見事な働きを目にすると、さまざまな物を授けた。時には自分が身につけていた時計や金の鎖などまで贈り、賞讃、激励することもあった。
この戸田の精神を、山本伸一は、そのま . . . 本文を読む
伸一は、世界のどこにあっても、時間の都合さえつけば、メンバーの家を訪ね、激励するように心がけてきた。 家庭を訪問すれば、その人の暮らしや、置かれた状況、また、苦労さえもわかるものだ。相手のことを、深く理解する手がかりとなる。
ゆえに、人材を育成していくには、家庭訪問し、直接、語り合うことが肝要となるのだ。
組織での人のつながりが、文書などによる行事等の連絡だけで終わってしまうならば、生命の触発 . . . 本文を読む
伸一は、友を励ますために、一瞬一瞬、真剣勝負で臨んでいた。
彼は、束の間の出会いでも、生涯にわたる誓いの種を植えようと、全生命を注ぐ思いで激励にあたった。
誓いは、大成の原動力になるからだ。
「励ます」の「励」という字は「万」と「力」からなっている。全力を尽くしてこそ、真の励ましなのだ。
一度の励ましが生命を触発し、勇気をわかせ、人生を飛翔させる大力をもたらすこともある。
伸一の日々は、 . . . 本文を読む
彼の一念も、行動も、日々、友への励ましに貫かれていた。
励ましとは、安心と希望と勇気を与えることである。相手の生命を燃え上がらせ、何ものにも負けない力を引き出す、精神の触発作業である。
励ましの本義は、相手の幸福を願う心にある。 法華経に説かれた不軽菩薩は、あらゆる人びとに対して、礼儀を、誠意を尽くして、礼拝していった。
「我れは深く汝等を敬い、敢て軽慢せず。所以は何ん、汝等は皆な菩薩の . . . 本文を読む
南は、ガーナ行きの希望を伝えて十日ほどしたころ、伸一から会食に招かれた。
「君はガーナに行ってくれるんだね」
「はい!」
「ガーナは英語だな。君は英語はできるのか」 「できません」
「かまわないよ。当たって砕けろの心意気で行きなさい。『人間到る処青山あり』だ。活躍の舞台は広い。広宣流布の大望をもって、人生を生き抜くことだよ。これからは世界が大事になる。行ってくれるね」
山本伸一は、最後に、南 . . . 本文を読む