直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN 佐宗 邦威 (著)
理系として育ってきた人は数学の証明のように徹底的に論理的であることを求められます。大学や大学院でも論文というもの自体がロジカルでなくては成り立たないので否が応でもそれに適応せざるを得ないのが事実なわけです。ですが経済学のように世の中は意外にも感情というか直観で動くものが多いように思いますし自身の普段の行動を考えても例えば食べるものを選んだりするときなんか論理的な思考回路というのはあまり働きません。それと同じように製品を選ぶ時だったガチガチのSpecで選ぶというよりはその製品の持つイメージや使っているところを想像して直観的に選ぶということが多々あるように思います。また仕事での対応やSNSでの情報などとかく今の世界は「他人モード」に支配されてしまっているものでむしろ感じるのは停滞感。今の世界でゲームチャンジャーになるために必要なのはむしろ「根拠のない直感・思い込み」「人に理解できない感性・ビジョン」 といった少し変わったものなのだと思われます。テスラやグーグルはまさにこう言った妄想段階の構想を得姿にしてしまった企業でもあります。 の本はそんな直観から来た妄想を論理的に戦略につなぐという考え方を体系的な手法として記したものです。(画像は本書の中でも紹介されている思考の四つの領域を端的に示したものです カイゼン、戦略、デザイン、ビジョン)
とかく感性とかセンスというのは才能だと思われがちですが決してそうではなく「ビジョン思考(Vision Thinking)」では「妄想→知覚→組替→表現」の4段階サイクル を回すことで必ずOutputが得られるものだというのを説明しています。最後の章で基本的な考え方が記されており・・・あえて自分を変えるのでなく「自分モード」で思考を進めるべきとの強調されています。これほど席あの変化が急速で不確実かつ変動が大きいもの(VUCA:Volatility,Uncertainty、Complexity、Ambiguity)になってくると「時代に合わせて変化する」「未来を予測して行動する」というのはむしろ意味のないものになりつつあるようです。であるからこそむしろ自分の妄想を追求し続ける必要があるしそれがイノベーションにつながると考えていいように思います。 大人になると夢を語るのがはばかれることが多いですが よくよく考えれば時代を変える力は夢という無形資産が動かしてきたもの。 粛々と「妄想」を育てて実行に移す機会をうかがいたいと思います。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます