幸福維新の志士となれ <幸福の科学>

国難打破から、いざ、未来創造へ

「不戦主義」教が破壊する平和の礎

2010年07月18日 | 民主党政権
SANKEI EXPRESS 7/18より)

 日本人は宗教におおらかだといわれるが、違うと思う。例えば左派・リベラルの人々。「憲法第9条」や「専守防衛」を、国家として墨守する究極の到達点だと思い込んいる。だが、いずれも国家・国益を守るための手段に過ぎない。国際・国内情勢に照らし国家・国益を守ることができぬなら、変えればよいだけなのに、あがめ奉っている。もはや「宗教」の世界だ。従って、この手の人々が支持する政党や労働組合の多くも宗教結社に近い。日本は敬虔(けいけん)な、いや原理主義を貫く「宗教国家」なのである。

 ■あるのは国益のみ

 宗教結社の一つ・社民党の福島瑞穂党首が5月「(在沖縄の米)海兵隊が抑止力や守備と関係があるのか。朝鮮有事の時の救援部隊で、米国人を救出するものだ。日本人の救出ではなく、日本の抑止力とは違う」と「宗旨」を披露した。国防ではなく「守備」という辺りが「宗教」がかっているが、海兵隊の任務については事実誤認もはなはだしい。ただ、図らずも真実を看破?してもいる。米国は、日本が自国の国益にならぬと確信したその時には、日米同盟を解消し、福島党首の言う通りの行動に出るだろうからだ。英国が絶頂期にあった19世紀半ばの首相パーマストン子爵ヘンリー・ジョン・テンプル(1784~1865年)は言った。

 「永遠の敵も、永遠の同盟もない。あるのは国益であり、これを追求するのがわれわれの使命である」

 この一節を思いだしたのは6月に、国家基本問題研究所(櫻井よしこ理事長)が開いた国際シンポジウム「インド洋の覇権争い-21世紀の大戦略と日米同盟」(産経新聞社後援)で、米国防総省のマイケル・ピルズベリー顧問が放ったドキリとする発言が端緒だった。

 「米国には、あらゆる問題を解決するために米中の協力が不可欠だとする考えがある。『G2(2大国)論』と呼ばれる考え方だ。G2論者の一部には、日本は他国を守るために動くことができない国だとみている者もいる」

 ■G2論は日本のせい

 米国は日本を守る義務を有するが、日本は米国を守らなくても良い-という日米軍事同盟の異形も指摘したのだろう。この片務性は、憲法第9条が集団的自衛権行使を禁じている-などとする、法理の意図的な狭小解釈から生じている。日本が米国に及ぼす利益が少ないともみなす「G2論」が「米国で非常に広く受け入れられている」(ピルズベリー氏)「責任の半分は日本にある」(櫻井氏)のだ。

 「G2論」者の重鎮は、日本の頭ごなしに米中国交回復を断行した元国務長官ヘンリー・キッシンジャーだろう。太平洋国家でもある米国と中国が、アジアの国際秩序を取り仕切るとさえ公言している。

 一方、最近の米国では「G2論」者であろうとなかろうと、憲法第9条を問題視する姿勢が定着しいる。米議会調査局は、日米関係にかかわる法案審議に備える超党派上下院議員向け報告書にこう明記した。 

 《米国が起草した日本国憲法は、日本が集団的自衛にかかわることを禁止するという第9条の現行解釈のために(第三国に対しての)日米のより緊密な防衛(戦闘)協力への障害となっている》

 「米国が起草した」と断りが入っている点は恥ずかしいが、反米論者ほど護憲派という日本の構図は主義・思想では説明が付かない。「宗教」なのだ。人々を救う正真の宗教と区別すべく「カルト=反社会的宗教団体」と呼ぶべきかもしれない。

 ■ハンディキャップ国家

 シンポジウムではまた、国問研副理事長の田久保忠衛・杏林大学名誉教授が、日本のパシフィズムは「平和主義」というより「不戦主義」と呼ぶにふさわしいと指弾。その理由を「平和は良いが、これを脅かそうとする国があったら立ち上がらなければ、本当の平和主義にはならない」と説明した。櫻井氏も「憲法を改正できないのは日本の責任。パシフィズムがどんなに国をだめにするか、他国が創った憲法が国家の土台を食いつぶすかに思いをいたさないからだ」と警告している。

 実際この国では、自国の軍事力と一体となり、冷徹な国際社会と渡り合うべき外交官までが「カルト信者」であるから恐ろしい。ある外務事務次官は現役中、自衛隊などを活用した国際貢献は国家の体質・制度上できないのでカネで勘弁してもらう「ハンディキャップ国家」だと形容したが、これなど日本型パシフィズムのなれの果て。もっとも「ハンディキャップ国家」を唱えられるのは、日本を巻き込む戦闘やテロの可能性を否定していない証で、超微量の理性が認められる。もっと重篤な「カルト原理主義」者は「起こってほしくないことは起きない」「起こってはならぬことは起きない」と、ひたすら念じるだけだ。国際情勢を地政学・現実的見地から監察するG2論者には理解し難い「宗旨」である。「同盟は紙ではない、連帯感だ」とキッシンジャーはクギを刺している。

 しかし、安全保障に関し半世紀もの間思考停止した「国際社会の世捨て人」にとり、日米「同盟は永久(とわ)の平和を約束する不磨の教典」としか映らない。

(政治部編集委員 野口裕之)

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