学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

デカルト『方法序説』を読む

2018-03-22 21:55:55 | 読書感想
以前、このブログで、一見大きな仕事であったとしても、それを細かく分けて、少しずつこなしていけば、問題なく達成し得るものだ、と書いた事がありました。これと同じようなことを、デカルトが『方法序説』のなかで書いて居て、大いに驚いた次第です。

哲学、というと難解なイメージがあり、私も実際難解だと思うけれど、なぜかときどき異様に欲するときがあるのです。といっても、最初からカントやハイデガーに挑んでも跳ね返されるのは目に見えている(笑)ゆえに丸谷才一氏の教えに徹して、えらい学者の書いた薄い本を選んだところ、それがデカルトだったというわけ。

哲学書を読む時、私は本に線を引いたり、書き込みをしながら読み進めます。でないと、なかなか頭の中に入らないので。こうして読み進め、振り返ってみると、『方法序説』の第2章にメモの多い箇所が多いことに気づき、大きな仕事を小さく分けろ、というのも、そこに書かれていることです。この章では他にも、物事は自分の頭を使って考えろ、沢山の経験を積み重ねて推論の材料にしろ、など、今のビジネス書にも書いてあるようなことが見られます。

正直、章が進むにつれて、私とデカルトとの距離は離れて行ってしまいましたが、こうした名言を得られただけでも有益だったかなと。食わず嫌いはやめて、これをきっかけに哲学に親しむことができればいいかな、と思っています。


●『方法序説』デカルト著、谷川多佳子訳、岩波文庫、1997年

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