学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

大正時代の夏目漱石

2008-11-25 10:39:42 | 読書感想
昨夜の雨が嘘のように晴れて、そうして爽快な日差しが「硝子戸の中」に差し込んでいます。私は、この日差しの中で夏目漱石『硝子戸の中』を読んでいるのです。といいますのも、昨日大学時代の後輩から同本に「不穏」を感じるとの感想を受けて、私も「不穏」なるものが何なのかを感じてみようと手に取った次第です。

最後まで通して読んでから、私なりの感想を書きたいと思っていますので、具体的なことは書きませんけれども、ただ、『硝子戸の中』を書いたときの漱石の周辺や年齢を調べてみたいと思って年譜を開いてみました。

すると、同本は大正4年、漱石48歳の執筆であったことがわかりました。翌年、漱石は亡くなっていますので、もう最晩年の著作です。そこでふと、気付いたこと。漱石は明治の文豪などと呼ばれますが、実は大正時代を5年も生きていたということです。大正時代といえば、どうしても芥川龍之介と結びつくイメージが強いのですが、「大正時代の夏目漱石」などという視点も面白いのではないかと。もう気付いている人は沢山いるのでしょうが、私なりに何だか漱石の視点が変わったようで、ちょっとだけ嬉しい心地です(笑)

これから引き続き、じっくりと『硝子戸の中』を読んでみることにします。

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