おめでたい正月も早々に、「嫉妬」(しっと)がテーマの小説を読みました(笑)アメリカの作家フォークナー(1897~1962)の短編です。
主人アントーニオは、妻と若いボーイの関係を疑っていますが、ざっくばらんに2人へ聞いても、そんなことはあるわけがないと呆れられます。どうも、アントーニオははっきりとした根拠なしに浮気を疑っているらしいのです。めらめらを燃え上がる嫉妬の炎は、今住んでいる場所から主人と妻が転居し、ボーイから離れる計画を立てたことで静まったかに見えました。しかし、どす黒い嫉妬の炎は再び…!
「嫉妬」は殺人の動機にもなりうる。やっかいな感情です。古くは『古事記』にも、スセリビメが嫉妬する話が書かれていますから、どうも昔からこうした感情は人間にあったらしい。いや、人間だけでなく、たとえば犬もですね。飼い主が他の犬の頭をなでると怒ったり、やきもちをやいたりするとか。もしかしたら他の動物にもあるかもしれません。「嫉妬」は生き物にとって逃れられない感情のようです。
この小説はフォークナー27歳のときに書かれたもの。27歳といえば、なんとなく世の中というものがわかってきて、こうした人間の生々しい感情が目に付くようになってくるころでしょうか。人間の心理をえぐろうとする、若きフォークナーの姿が見えてくるような、そんな小説です。
●『フォークナー短編集』龍口直太郎訳 新潮文庫 1955年
主人アントーニオは、妻と若いボーイの関係を疑っていますが、ざっくばらんに2人へ聞いても、そんなことはあるわけがないと呆れられます。どうも、アントーニオははっきりとした根拠なしに浮気を疑っているらしいのです。めらめらを燃え上がる嫉妬の炎は、今住んでいる場所から主人と妻が転居し、ボーイから離れる計画を立てたことで静まったかに見えました。しかし、どす黒い嫉妬の炎は再び…!
「嫉妬」は殺人の動機にもなりうる。やっかいな感情です。古くは『古事記』にも、スセリビメが嫉妬する話が書かれていますから、どうも昔からこうした感情は人間にあったらしい。いや、人間だけでなく、たとえば犬もですね。飼い主が他の犬の頭をなでると怒ったり、やきもちをやいたりするとか。もしかしたら他の動物にもあるかもしれません。「嫉妬」は生き物にとって逃れられない感情のようです。
この小説はフォークナー27歳のときに書かれたもの。27歳といえば、なんとなく世の中というものがわかってきて、こうした人間の生々しい感情が目に付くようになってくるころでしょうか。人間の心理をえぐろうとする、若きフォークナーの姿が見えてくるような、そんな小説です。
●『フォークナー短編集』龍口直太郎訳 新潮文庫 1955年
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