学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

作品の調査へ行く

2018-10-29 08:17:41 | 仕事
学芸員には、調査・研究という基礎的な仕事があります。ある作家、作品、またはその周辺の社会を調べる。調べる、といっても、作品図版を見るのではありません。モノをきちんと見て、それに向き合う、それが学芸員にとって最も重要で大切なこと、と私は考えています。

先日は、個人宅で作品の調査をさせていただきました。その方の2、3代前の方が作家活動をされていて、その作品が残っているとの情報を得たためです。縁側からご案内をいただき、部屋に入ると、もうたくさんの数の作品がずらりと並んでいました。保存状態はどれも良好、ご遺族の方が今まで絵を大切にされてきた想いが強く伝わってきました。

それらの絵を描いた作家は、いわゆる教科書に載るような偉大な作家、というわけではありませんが、郷土に暮らし、その日々の生活の中で生み出されたイメージを作品にしています。これまで完全に歴史の中に埋もれてしまっていたのですが、郷土にもこうした作家がいたのだ、ということを発掘するのも学芸員の使命のひとつ。これから、所蔵者の方と相談しながら、継続して調査を進めていく予定です。

とても良い勉強をさせていただいた時間でした!
コメント
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