●「エレニの旅」と「アメリカ、アメリカ」

●5月6日（金) 11-30 ＜日比谷シャンテ・シネ＞R.S.
M-63 「エレニの旅」Tptyoyia: (2004)　ギリシャ
監督・テオ・アンゲロプロス　主演・アレクサンドラ・アイディニ　★★★☆☆☆
あまりに長い作品なので、試写を逃したが、でも気になる作品。
G.W.の合間にロードショウで見ることにした。
これはテオ監督が、母親の苦難の人生を映像化したという「永遠の一日」以来６年ぶりの新作。
1919年、ロシアから革命を逃れてギリシャに逆難民として戻ってきた遊牧のような生活の悲惨を、詩的な映像で描いた大河悲劇。まさに家族を切り裂くギリシャ悲劇だが淡々としたテオの映像世界で約３時間魅了する。
アメリカへ逃れようとする夢はエリア・カザン監督の「アメリカ、アメリカ」を思わせたが、こちらはファシズムに分裂されたエレニの悲劇だけを見つめる。救いは旅芸人たちの素朴な音楽。
スタイリッシュな映像は魅力的で切なく美しいが、テーマは古典的に終始した。