細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『ベイマックス』真っ白な癒し系メタボ・ロボットが少年を救う。

2014年11月29日 | Weblog

11月21日(金)13-00 目黒<ウォルト・ディズニー映画試写室>

M-131『ベイマックス』" Big Hero 6 /BAYMAX " (2014) Walt Disney Animation studio Hollywood 

監督・ドン・ホール+クリス・ウィリアムズ 制作総指揮・ジョン・ラセター <92分> 配給・ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン ★★★☆☆

大ヒットの「アナと雪の女王」の後を受けてのディズニー・スタジオの新作は、少年の夢をバックアップする<癒し系ロボット>の「ベイマックス」の登場で、万全の期待作。

ちょっとマシュマロ人形のような「ベイマックス」は、まさに、「くまのプーさん」のドン・ホールと、「ブラザー・ベア」のクリス監督がタッグを組んだだけに、シロクマの発想。

未来都市の「サンフランソウキョウ」は、サンフランシスコと東京のふたつの都市の美点を合体したような理想的な文化市街で、チャイナタウンと渋谷がミックスされていて妙である。

多くの東京グッズや街角スケッチが、こうしてワールドワイドなアニメに紹介されるというのは、またしても東京観光のPRには大きく貢献してくれることも間違いない。

14歳の少年ヒロには、工科大学に通う仲良しの兄タダシがいたが、大学の発明祭の夜に不審火をだして大火となり、消火の為にとびこんだ兄は焼死してしまう。そして悲しみのヒロは自室に籠ってしまった。

そこにシロクマのように、全身まっしろで、ビニール人形のような癒し系ロボットの「ベイマックス」が現れて、何かとヒロの話相手として、傷ついた心の支えになってゆき、しだいにそこには友情も生まれてくる。

やっと心をリセットしたヒロは、焼け残った工科大学のコーナーに、兄が研究していた新発明の<マイクロボット>を見つけて、その再生に努力して、出火の原因が悪徳企業の陰謀だったことに気がついて行く。

しかし平和主義の癒し系<ベイマックス>は、もっとやさしい方法でマイクロボットを完成させるために、新しい手段をヒロに教えていくのだった。という具合に、ディズニーの新企画はさすがに抜かりがないのだ。

どこか、わが「ドラえもん」のようでもあり、このヌーボーとしたメタボなビニール・ロボットにも、見ているうちに、不思議とこちらも愛着を感じだす、という計算も、相変わらずお上手であった。

どんな怒りや矛盾にも、絶対に暴力を行使しないで、心の優しさで解決してゆく、なんて、まるでどこかの平和主義者の説法のようで照れくさいが、ま、このメタボなビニールロボットを見てると心は休まる。

という意味では、またしてもディズニー・スタジオの商魂は一応のレベルで評価されて、大衆に喜ばれるだろう。そのことのは全く異論はない。<スマホより、大画面で>とベイマックスは言っているのだ。

 

■大きなホームラン性の当たりだが、もうちょいでフェンスに当たる。

●12月20日より、全国でお正月ロードショー 


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